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2011年も終わりを迎えるにあたって、小説やノベル系ゲームの2011年私的ランキングをまとめてみた。
ふり返ってみて「ガッカリしたなぁ」というマイナス評価ランキングと、「こいつぁすげえ!」というプラス評価ランキングをそれぞれ発表したいと思う。


今年の小説系ガッカリランキング (今年は8作品)

・第8位『ダークゾーン』 評価:★★☆☆☆

たびたび申し上げるとおり、私は貴志裕介ファンである。不甲斐ないことにまだ全作品を網羅はしていないのだが、今年の新作ということで飛びついた。雑誌の連載作品らしく、章ごとにまとまりのある作りになっている。
ただ、内容は何とも言えない。面白いことは面白い。ホラーテイストが強く、主人公が覚えも無くいきなり恐ろしい世界に送られていたという突拍子も無い展開も徐々に今の状況を掴んでいくという展開に繋がっていて悪くはない。
ただ問題は、各章ごとの展開が予想しやすく、結末こそ予想できないが、全体的に方向性が見えない。貴志裕介氏の精細な生物学的な気持ちの悪い表現が本作のゲーム的な背景にマッチしていない感じがして、不発な印象を受けた。
これが新人作家のデビュー作ならば、もっと高評価でもよいが、貴志裕介好きの私の期待に応えるような素晴らしい作品ではなかった。

・第7位『儚い羊たちの祝宴』 評価:★★☆☆☆
ホラーと聞いて飛んできました、とばかりに書店で飛びついた作品。連作短編集なのだが、個々の話にわずかな共通点しかなく、どういったオチをつけるのかラストが楽しみで楽しみで読み進めていったはいいものの、オチがさっぱり理解できなかった。インターネットでネタバレ考察を読んでみた感じ、古参のミステリーをオマージュしたネタを散りばめているらしいのだが、そんなことわかるわけもない。
ホラー要素はそこそこあるのだが、特別パニック的な洋風恐怖感もなく、特別滲むような和風恐怖感もなく、グロテスクというわけでもない、何とも言えない作品。
短編一つ一つはよかったものも多い。ホラーなシナリオのわりに、読後に(恐怖からの解放という意味でなく)ホッとするような話もあったり、出来はいい。ただただ、オチがしっくりこないことが低評価なのである。

・第6位『探偵映画』 評価:★★☆☆☆
『殺戮にいたる病』の面白さに感激し、我孫子武丸氏の作品にどんどん触れていこうと思って購入したが、出鼻を挫かれた面白くなさ。発想こそいいかもしれないが、映画オタクのマニアックなトークが多すぎて読みづらい。結末はそこそこよかったのだが、いかんせんテンポが悪すぎて評価できない。

・第5位『検事の本懐』 評価:★☆☆☆☆

『臨床真理』でデビューしたこのミス大賞受賞作家の3作目。前作『最後の証人』のシリーズで、連作短編集なのだが、全体的に地味すぎる。検事という仕事がこんなものという以前に、読者を楽しませる要素が根本的に欠けている印象を受ける。「もっと派手にしろ」というわけではないし、筆力もあるのだが、発想や題材自体がダメだったのか、無味乾燥で淡白な印象が延々と感じられた。面白い部分もあったにはあったが、この値段を払ってまで読んで満足することはできなかった。

・第4位『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』 評価:★☆☆☆☆

『死亡フラグが立ちました!』でデビューした作者。インパクト重視のタイトルと内容で勝負している印象があったが、今作は個人的に面白みが無かった。連続殺人事件の割りに、捜査面での進展や手がかりが少なく、『事件が起こる⇒困る⇒また事件が起こる⇒困る⇒(以下略』の単調な展開が続く。真相も特に驚きも感動も無く、動機が無茶苦茶。
本格推理やサイコホラーではないことは分かっていたので、上記の感想は論点がずれているにしても、コミカル路線にもなりきれずシリアス路線でもない中途半端な内容の上、キャラクター小説として売り出そうとしている感じがあるのに、肝心のキャラクターに個人的にまったく惹かれなかったのがガッカリ。このキャラクター、果たして読者に人気があるのだろうか、疑問である。

・第3位『しらみつぶしの時計』 評価:★☆☆☆☆

本格ミステリーの古株、法月綸太郎氏の短編集。自称ミステリー好きということもあり、好奇心で触れてみたのだが、いかんせん面白くない。というよりも、オチがわからない、作者の思考がわからないといったものが多かった。「これが本当のミステリーだ」と言われると、私はミステリー好きを名乗れない。何というか、最近のエンタメ色の強い事件系ミステリーとは一味違う感触ではあるので、好みの問題になるのだろうが、個人的には受け入れられず、どの短編の一つも面白みを感じなかった。

・第2位『真かまいたちの夜』 評価:★☆☆☆☆

スーパーファミコンでのサウンドノベルの名作『かまいたちの夜』のナンバリングを捨てて、原点回帰を主張した最新作。ボリュームが少なく、メインシナリオは圧倒的ご都合主義と、選択肢によるシナリオ分岐の自由度の無さがガッカリ。
期待していないサブシナリオの方も、結局ダメ。おふざけシナリオはお約束だが、それにしてもつまらないし、ボリュームも少ない。そもそも、このような内容ならボリュームも欲しくないのだが。値段に見合わない圧倒的ガッカリ作品。2000円~3000円の価格帯なら許せるし、選択肢による自由度や演出などによる面白さUPでゲーム性をしっかり補強していれば、多少チープな話でも良かったはず。

・第1位『永遠の0』 評価:★☆☆☆☆
主人公の祖父の戦死について調べるお話。太平洋戦争を描いた戦記ものであるが、ストーリー性が薄く、戦争や軍事関連の知識のひけらかしのオンパレード。キャラクターの個性も無く、『取材⇒取材⇒取材』といった展開は無味乾燥。取材先の人々の個性は無く、しゃべり方はほぼ同じ。しかも、話す内容が重複している部分も多いのはもちろんのこと、まったく同じフレーズがコピーペーストのように書かれている文章があった始末。
取材を通して心を入れ替える、成長する、といった要素はチープすぎる展開で、取材先の相手の不良の孫が、戦争の話を聞いてすぐに改心するような安直な進みに関しては嫌悪感を通り越して怒りさえ覚えた。
値段相応というほどのボリュームがあり、巷での評判もそこそこ良いので購入に至ったが、とてもじゃないが読むに耐えない苦痛の時間を提供してくれていた。これは私の好みの問題なのだろうか。本書を読むよりもノンフィクションの太平洋戦争の資料を漁ったほうが遥かに実りがあると思ってしまった。




今年の小説系Bestランキング(今年は8作品)


・第8位『銃声とダイヤモンド』 評価:★★★★☆

PSPのノベルゲーム。だが、交渉人が主人公で、立てこもりや人質解放など様々な状況下で交渉パートをこなすミッションがある。交渉人という仕事に人の命が関わるという重責が強く感じられる工夫はしっかりされており、ゲーム性だけでなくシナリオもなかなか面白かったといえる。

・第7位『万能鑑定士Qの事件簿Ⅵ』 評価:★★★★★

今年は『万能鑑定士Qの事件簿』シリーズを発掘した年だ。知的好奇心旺盛な私にとって相性ばっちりなこのシリーズの中でも、良かったのはこの巻である。万能鑑定士と対極に位置するようなライバル的存在万能贋作士との対決はとても面白く、一気に読めた。
人が死なないミステリーという売り文句で刊行ペースの速い本シリーズを触れたことの無い方には是非1巻から読んでみることをオススメする。

・第6位『チーム・バチスタの栄光』 評価:★★★★☆
少し前にブームになったこのミスシリーズの中でも代表ともいえる名作。さすが人気になるわけだ。医療ミステリーという比較的珍しいジャンルながら、医療関係者でもない我々に手術などの内情がわかり、トリックも医療現場ならではなのにアンフェアーなトリックでもないという絶妙な作品。
さらには登場人物の個性や役割もしっかりしており、とても印象的で魅力的な主人公たちとその捜査。読後には「デビュー作でコレかよ……」と独りごちる私であった。このインパクトの強い主人公タッグによるシリーズ化は今も続いているようで積み本消化が捗れば今後も読んでいきたい。

・第5位『隻眼の少女』 評価:★★★★☆

癖のある作品。欠点は言い出せば出てくるのだが、個人的には好きな作品。初めの話の進みこそ重たいが、徐々にページをめくる手が止まらなくなる。ありがちな宗教チックな慣習のある山村を舞台に、なぜか定期的に起こる変死。呪いなのか、あるいは殺人事件なのか。「おいおい(笑)」と言わされるような賛否両論が確実な結末は、伏線を考えながら読んでいくとなかなか面白かった。作者の性格が表れた「やってくれる」作品だ。

・第4位『ある少女にまつわる殺人の告白』 評価:★★★★★

何とも芸の無いタイトル、湊かなえ氏の『告白』の二番煎じに思える独白形式の内容。しかし、『告白』を超えた良作と思う。インタビュー形式で徐々に知れていく事件の真相。「そんな酷いことが・・・」という読者の予想を上回るこれでもかという悲劇がインタビューから重なって分かってくる感触、現実の人権問題等を掲げた社会派要素は、たしかに『告白』のようであるが、こちらに軍配が上がった決め手はオチである。
個人的にこういったオチはまさにツボであり、いい意味で気持ち悪い終わり方だ。

・第3位『13階段』 評価:★★★★★

さすが、江戸川乱歩章受賞作。ミステリー小説としての完成度が最高である。渦巻く数々の謎、推理要素の伏線はもちろんのこと、刑務に関する専門的な知識や死刑制度の問題提起といった社会派要素、非の打ち所の無い結末には感服の一言である。

・第2位『ジェノサイド』 評価:★★★★☆
第3位は評価が★5なのに対し、★4のこちらが第2位なのは、圧倒的なスケールを描ききっている話のインパクトである。あまりに濃く、あまりに深い内容と圧倒的ボリュームの割りにすぐに読みきれた面白さ。どんな話かと聞かれても、一言で応えられないほどのワールドワイドな話は、社会派の一面も見せる一方で、創薬などの専門的な知識も散見され、全てを調和させている完成度の高さ。評価が★4なのは、「このスケールのでかさで、あっさりした結末なのが個人的に消化不良だった」「タイトルと内容がイマイチフィットしていない気がする」という程度の、自分で言うのもなんだが粗探しレベルである。
一度読んだら忘れられないという点で、第3位よりも優位を付けた。

・第1位『STEINS;GATE―シュタインズゲート』 評価:★★★★★

ギャルゲーと言われても仕方ないようなゲームではあるが、SFものとしての完成度がぴか一。タイムマシンが出来てしまったらどうなるかというところをかなり深く考え、掘り下げていった印象であり、エシュロンやセルンといった現実にもあるようなものの織り交ぜ方がとても上手である。
何よりも驚くべきは伏線の回収。もはや、伏線ではない部分は無いといっても過言ではない、意外な伏線だらけであり、広げすぎた風呂敷も見事に畳む。ホラー系、ミステリー系要素も散見されるエンタメ色の強い『熱い』内容である一方、嫌悪感を抱きかねないオタク用語やネットスラング、灰汁の強いキャラクターは好みが分かれるが、読後には何もかも長所に思えた目に見えて優秀な作品。
タイムトラベルを扱った作品はいろいろあるが、個人的にはかなりオススメできる。



その他、今年読了した小説・ノベル作品

・『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』 評価:★☆☆☆☆
・『カウンセラー 完全版』 評価:★★☆☆☆
・『鍵のかかった部屋』 評価:★★★☆☆
・『蟹工船』 評価:★★★☆☆
・『クリムゾンの迷宮』 評価:★★★★☆
・『催眠 完全版』 評価:★★★☆☆
・『STEINS;GATE―シュタインズゲート―円環連鎖のウロボロス』 評価:★★★★☆
・『失踪トロピカル』 評価:★★★☆☆
・『ナルキッソス』 評価:★★★☆☆
・『人間・失格―たとえばぼくが死んだら』 評価:★★★☆☆
・『万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ』 評価:★★★☆☆
・『万能鑑定士Qの事件簿Ⅱ』 評価:★★★☆☆
・『万能鑑定士Qの事件簿Ⅲ』 評価:★★★★★
・『万能鑑定士Qの事件簿Ⅳ』 評価:★★☆☆☆
・『万能鑑定士Qの事件簿Ⅴ』 評価:★★★☆☆
・『万能鑑定士Qの事件簿Ⅶ』 評価:★★★★☆
・『万能鑑定士Qの事件簿Ⅷ』 評価:★☆☆☆☆

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