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カツ丼から始まる青春


六百六十円の事情 (メディアワークス文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。爺ちゃんと婆ちゃん。世の中には、いろんな人たちがいる。そこには、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、ありふれているけど、でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。そんな彼らがある日、ひとつの“糸”で結ばれる。とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」という一言をきっかけに。日常系青春群像ストーリー。






読んだ作品こそ少ないが、おそらく好きなジャンルであろう青春群像を読みたいと思い、手に取ったこの本。作者の入間人間氏はライトノベル畑の身で、なかなかの人気を博している。
ライトノベルこそ追いかけるのがしんどいが、最近アスキーメディアワークスは本書のような対象年齢を大人向けにしたようなライトな小説を出版しているようで、一冊完結型なのが個人的にはありがたい。

構成は連作短編。あらすじにあるように、「カツ丼作れますか?」という掲示板の書き込みをきっかけに始まる様々な人物の日常を描いた青春群像というわけだ。

●『プロローグⅠ』
●第1章『While my guitar gently weeps』

ギターの弾き語りを下手の横好き(?)でやっている夢を追いかけるダメ人間の女性と、同棲しているしっかり者の男性の物語。あぁ、青春。これぞ青春。こんな大人がいてもいい、こんな関係があってもいいじゃないと思う。

●第2章『生きてるだけで、恋。』
家業の食堂で手伝いをしている女子高生と、万引きを犯している男子高生の物語。ザ・青春。こんな高校生活を送りたかったという言葉を代弁してくれるような暖かい絆だ。万引きはよくないけどね。

●第3章『パタパタパタ』
家出を目論む小学生男女の話。取っつきは良かったけれど、短い話で、何とも言えないですね……。小学生とかこんなモノって感じなのかと。

●第4章『愛とか祈りとか』
二十代で同棲しているニートの男女の話。これまた短いが、暖かいお話になっている。

●『プロローグⅡ』
●第5章『老人と家』

妻を亡くしたとある老人のお話。今までに登場したとある人物と関わることで物語が始まる。一人称視点の地の文が懐古的なのはよいが、いまいち老人らしさを出し切れていない感じがした。

●第6章『Q.これはオフ会ですか? A.いいえ、カツ丼です』
これまでのストーリーを包括してオチとして締めくくる。

●エピローグ『What a Day』


なんともくどい言い回し、表現がライトノベル作家という感じで、苦手な人は苦手だろうなあ、と思う。この文章表現がかえって青春群像の登場人物とマッチしていていると感じた部分もあるが、やはり過剰表現が少し鼻に付く。

青春群像の基本と言うべきか、それぞれ一人称視点で進み、独特の価値観や哲学に則って、いろいろあれこれと考えながら生活している様子が窺える。また、群像ものなので、ところどころ、関係のない別の登場人物の様子を見たり、その人の影響を受けたりといったことも見られるので面白い。

日常系ということもあり、大きな山場こそ無いが、一つの街を舞台にした様々な人物の生き様などをうまく描きあげ、しっかりとした結末にジーンと来る場面も多々ある。完成度は高い。
青春群像を求めるならば読んでいて損はないはず。

評価:★★★★☆
 
六百六十円の事情 (メディアワークス文庫)
入間 人間
アスキーメディアワークス
売り上げランキング: 30350
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私たちはどうしたいのか


ナルキッソス (MF文庫 J か 5-1)
内容(「BOOK」データベースより)
「…ただ、生命の尽きる場所」。ある冬の日に阿東優が入院した「7F」は、そういう場所だった。そのことを彼に告げたのは、長い黒髪を持つ同じ入院患者の美少女。名前はセツミ、血液型O…手首の白い腕輪に書かれていたのは、ただそれだけ。他にわかることといえば、いつも不嫌機そうな顔をしているということと、優より年上なのに、まるで子供のような外見だということぐらい。最期の時を迎えるのは、自宅か7Fか。いずれの選択肢をも拒み、ふたりは優の父親の車を奪って走り出す。行き先も、未来さえも持たないままに―。人気ゲームクリエイター片岡ともが綴る感動のストーリー、待望の小説化。



原作はフリーソフトのノベルゲーム。話題作、大人気な作品ということは知っていたが、なかなか触れることができなかった。PSPのソフトや本書のようなライトノベル形式にメディアミックスされていることからも、その人気は顕著だろう。
プレイ後の方々の評判を聞くからに、「ただのギャルゲー」で済ますレベルの作品ではないと思い、本書を読むに至る。
長い黒髪と言っておきながら、イメージイラストが黒いと言うほどではないのだが、気にしないでおこう。
ちなみに、原作は未プレイなので、比較してのレビューはできない。

あらすじからわかるように、入院、不治の病系の題材。オーソドックスではあるが、直球で涙腺を刺激してくる作品は、ミステリーばかり読んでいる自分にとって久々に読んでみたい気分であった。
その内容はやはり直球勝負。奇をてらったものではなく、この題材にありがちな王道ストーリー。類書を挙げろ、と言われても頭に浮かぶほど多読家ではないので、比較材料は無いのだが、まぁスタンダードなお話。
だが、それでいて泣けるのがこの手の話のいいところ。「病や死で涙を誘うのは安易だ」と反感を抱くようなチープさも感じず、ライトノベルらしさ漂う読みやすさで、スッと読めてグッと来る。

死を待つ身である彼らの心情はそれほど描かれているわけではないが、行間から深く読み取れる。
静かにただ主人公たちの行く末を見守りながら読み進める。それは切ないストーリーを感じさせる中で、心地よい川の流れに身を任せるような暖かさを感じた。
また、彼らの生き様には、こんな自棄っぱちなこともいいじゃない、と思わせてくれるような、社会的束縛から解放されるカタルシスに溢れている。

そして、ラストは……。こんなもんでしょう。壮大な伏線を張っているわけでもないので。ただ、病気に関する言及とその病を患っている登場人物の心理描写の薄さがちょっと気になった。何より、ヒロイン側に焦点が当たりすぎていて、主人公側の描写が疎かに感じた。特に、家族絡みの問題はもっと掘り下げて欲しいところだ。
これ系の題材の作品の割には……という感想。

全体の出来として、作者は小説家ではなくゲームのシナリオライターなので、その辺りの専門性の差を感じる人は感じるのかも知れない。そんな小難しく考えて読むものでもないし、読んでいて不快な点も無かったので、自分としては無問題だ。


評価:★★★☆☆

ナルキッソス (MF文庫 J か 5-1)
「ナルキッソス (MF文庫 J か 5-1)」
 [文庫]
 著者:片岡とも
 出版:メディアファクトリー
 発売日:2008-07-23
 価格:¥ 609

 
 
超厚いんですけど。。。


STEINS;GATE─シュタインズゲート─  円環連鎖のウロボロス(1) (富士見ドラゴン・ブック)
STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐  円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)



内容(「BOOK」データベースより)

秋葉原の地を舞台に、狂気のマッドサイエンティスト「鳳凰院凶真」…を自称する厨二病大学生、岡部倫太郎の時空を超えた物語が始まる。過去に送信できる「Dメール」が引き起こす、原作ゲームと似て非なる世界線の目撃者となれ!―ああ、すべては「運命石の扉」の選択のままに。―エル・プサイ・コングルゥ ―。発売以来、絶賛と熱狂をもって迎えられた想定科学ADV『STEINS;GATE』が小説として再臨。








2巻完結もの。Xbox360やPCなどで発売されている原作 『STEINS;GATE』のノベライズ

原作をプレイして、寝る間も惜しむほど没頭してしまった私だが、ネットで評判が良さそうだったので小説版も購入。
なにより、原作と基本的にほぼ同じようだが、少し違った展開を見せるらしい。
1,2巻まとめての感想を述べさせていただきます。

それにしても、1巻はともかく、2巻は特に厚い。2巻だけで900ページほど。ボリュームが半端無いです。


読み始めて原作との相違に気づいた点は、まず、くどい表現を省いているという点。サクッと読めるという点はよいが、序盤のタイムトラベル理論の講義は原作では煙たかったが、小説では省きすぎていて、もっと聞きたかったなあ、という印象。原作側は映像効果もあり、設定の理解しやすさは原作の方が上になるだろう。

それに、原作をやらずに本書から読む人にはいまいち伝わらない部分も多そうだ。具体的には、主人公達がなぜここでこうしようとしていたのか、といった部分は端折って簡潔に済まされている分、展開の早さに重きを置いた構成だと思われる
といっても、原作をプレイした側にとってはありがたいことではある。
そしてそれだけではなく、原作とわざと違った展開を用意し、原作プレイ済みの読者を楽しませる工夫が見える。
全体として、ラノベらしさ輝く痛々しい表現があるのが嫌だったが、別にかみつくほどの問題点ではないので、スルーしよう。ただ、原作に増して酷い。

さて、その具体的な内容について原作プレイ済みの立場として感想を述べる。
原作と違ったオリジナル展開を見せる部分では「お! ここ違うな。ちょっとどういう事か気になる」という点があるが、結果的にはちょっと原作より(世界線を)変化させてみました、というくらいのファンサービス程度。大きく展開が変わって「やばい!気になって読むのが止まらない!」とまで思わせるほどの魅力はない。
また、展開の早さを選択した結果なのか、重要そうな部分や個人的にどういう事になっているのかな?という部分を端折られてしまった感じもある。

総観。
少し読み返してみたいという思いもあって購入したのだが、なかなか読み応えがあり、原作にも引けを取らないというか、原作を劣化させない出来であることは間違いないかもしれない。
ただ、小説という点で、音楽や映像といった惹きつける要素を削っているので、その点ではさすがに厳しい。とは言え、挿絵の入れ方は効果的で、ラストに関しては原作よりもこちらの方がより具体的な締め方だった。まぁ、好きかどうかはともかくとして。
オリジナル展開については、原作を傷つけない配慮もあってか、大胆には変動させていない。読み手によっては充分だろ、と言われるかもしれないが、個人的には残念だった。


評価:★★★★☆

STEINS;GATE─シュタインズゲート─  円環連鎖のウロボロス(1) (富士見ドラゴン・ブック)
「STEINS;GATE─シュタインズゲート─ 円環連鎖のウロボロス(1) (富士見ドラゴン・ブック)」
 [文庫]
 著者:海羽 超史郎
 出版:富士見書房
 発売日:2010-08-20
 価格:¥ 819

 
STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐  円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)
「STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐ 円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)」
 [文庫]
 著者:海羽 超史郎
 出版:富士見書房
 発売日:2011-03-19
 価格:¥ 1,029
 
感想書かせてもらっていいですかね……


内容(「BOOK」データベースより)
聖桐学園名物といえば「勇者生徒会」「魔王生徒会」。人間と人外が共学のこの学園ならではのシステムだ。まぁ、名前の通り対立している訳で。伏城野アリス ―俺の幼馴染み。完璧超人とはよく言ったもので、容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能な何でも来いなやつだ。おかげで俺はアリスの小判ザメと言われる訳だが…。そんな彼女が生徒会長の勇者になるのはいい。何で俺が魔王になっちまうんだ!?正体を隠さなくてはならない俺、魔王(俺)を目の敵にするアリス。めちゃくちゃハードな学園生活が待っていて!?話題の第16回電撃小説大賞最終選考作がついに登場。


実は盗作問題で絶版となっているのだが、所持していたのでどうせだから感想を書いてみる。

まぁ、ここまで設定をてんこもりに書いたタイトルはかえってすがすがしい気がするが、ヒロインと主人公は非常にありきたり。容姿端麗な万能美少女のヒロインと平凡男子である自分が幼なじみで、あまつさえ毎朝主人公を起こしに来てくれる、主人公に好意を寄せている彼女のアピールにも鈍感、など。
いつからオタク市場はここまで単純化されたのだろうか、と言いたいが、読み始めそうそう文句を言うのもなんだ。

本作の舞台は、「勇者生徒会」と「魔王生徒会」の二分された生徒会同士が校内で対立し合っているという構図。人間以外にも人外(サキュバスだの犬耳だの)がいる学校で、生徒会が対立構成とは言え、その中で共存を目的としている状況。
これが、ほどよいファンタジー要素としてよい着想となるか、中途半端でファンタジーと青春ものの味を薄めているか、と思いながら読んでみたが、なかなか感触はよいかもしれない。

たしかに、いわゆる平凡主人公がハーレム状態で萌えっていうオタクの喜びそうなテンプレート的な作品で、展開もお決まり、よく言えば王道、悪く言えば陳腐なものだが、ファンタジーと青春を混ぜることは成功しているだろう
展開を急ぎすぎていまいち状況が把握できない部分もあった気がしたが、読みにくくはない。
また、人間と人外といった種族絡みの問題は、か・な・り肯定的に捉えるならば、風刺的で差別問題について訴えるといったところまで言えそうだ。


問題がなければ、2巻への繋ぎ方もよい、よくあるライトノベルだった。『よくある』というのは印象ではあるが、キャラクターや設定面はもちろん、展開もすべて「あるある」といったもので、斬新さやサプライズはゼロだった

兎にも角にも他作の盗作というか引用というかは駄目だよね。
ま、評価はねぇ……。本来ならもっといいんだけど。


評価:★☆☆☆☆

俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 (電撃文庫)
「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 (電撃文庫)」
 [文庫]
 著者:哀川 譲
 出版:アスキーメディアワークス
 発売日:2010-05-10
 価格:¥ 599
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