うぅ、耳が痛いよお……
内容(「BOOK」データベースより)
上司、同僚、パーティー、交流会、途切れずに話すには?話べたでも、人見知りでも楽しく話せる雑談術。
人と話をしたいけれど、何を話せばいいか分からない。話しかけてもすぐに会話が途切れてしまう。といった調子になりがちな自分。普通そんなものかもしれないけれど、この本に何かいい秘訣が無いだろうかと思わせるタイトルだ。
まえがきで著者が述べているように、人の心を動かす人は雑談が上手という考えで、
同僚や初対面の相手、営業などに役立つ雑談の方法を提示している内容となっている。
仕事の話や専門分野の説明は得意なのに、雑談は苦手という人は必見。著者も以前はそういった人物だったらしい。
著者は、営業職についていたが、成績は芳しくなく、カウンセラー養成講座を受け、NLP(神経言語プログラミング)を学ぶことで、飛躍的にコミュニケーション能力が上がり、営業でも成功したそうだ。
見開きに1つのルールをまとめており、計101個のルールを紹介。
●第1章『なぜ雑談が大事なの?』
雑談の重要性や本質について述べる。たとえば、本章にもあるように「会って話をしてみないとわからない」というよく聞く言葉は、たしかに雑談の重要性をそのまま映していると言える。
まだ本筋に入ってもいない章なのに、私自身の話しかたの欠点を突かれている部分も書かれており、個人的にいろいろと為になることが多かった。
●第2章『これで話すネタには困らない!』
自分から話さずとも名刺などのツールを利用する、といったところから始まり、
用意する話のネタ、よい雑談、といったところに踏み込む。前章に同じく自分の話し方は雑談上手とはとても言えないと思わされた。そもそも雑談として話す内容そのものが雑談ではなかったりしていた。
●第3章『雑談の基本を身につけよう』
相手に声を掛ける手順から始まり、相手との距離を縮める方法やフランクな喋りに持っていくこと、またどういった話し方が雑談にふさわしいか、といった具合に、雑談の基本を説明。
話す内容よりも表情や声、感情表現が重要という部分は本当に肝に銘じたい。
●第4章『場面別の雑談』
職場、上下関係、パーティ、などなど場面別で役に立つ雑談のコツを紹介。
社会人のしかも営業や上役向けの内容が多いようで、いまいち自分にあったものが少なかった感じ。
●第5章『ほめ方が雑談を制する』
言わずもがな、相手をホメることはいいことだ。ホメることの重要さとその方法は、内藤 誼人氏の
『すごい!ホメ方―職場で、家庭で、恋愛で…相手を思うままに操る悪魔の心理術』で学んだつもりだが、もう既に忘れてしまっていたことが、ここで重複して書かれていたりした。やはり心理学的にこの辺りが定石なのだろう。
なかでも『質問でほめよう』のルールはとても参考になった。相手に「いやいや全然そんなこと無いです!」と否定されるだけのホメ方とサヨナラできるかもしれない。
●第6章『とぎれない聞き方と質問の技術』
ここでは、タイトル通り、会話を途切れさせないための聞き方と質問の技術を掲載。
結構、魔法の言葉やテクニックと言ってもいい気がする内容。NLPを全く知らない人にはいい章である。
●第7章『雑談が上手くなるメンタルの技術』
雑談のできる人間になるために重要となるメンタル面のお話。
自分の苦手なタイプ、攻撃的な相手との話し方などもあり、なかなか参考になる考え方だった。
非常によいことばかり書かれている。
話し下手、話が続かない、相手と会話がかみ合わない、といった人にピッタリの一冊。だが、やはりこの手の本にありがちな……
・読んだはいいが、すぐに忘れてしまう。一過性の満足感。
・いちいち考えながら話せたら苦労しない。そもそも実践できるかっての。
といったところは努力しなければ実らない。メモするなり、意識するなりして頑張ろう。
内容は本書のタイトル通り『あたりまえだけどなかなかできない』といった感じ。まぁそもそも私もコミュニケーション技術関連の書籍を漁る前までは、その『あたりまえ』さえ知らない状態だったわけで。
この手の本を読んだことがなく、かつお悩みの方に購入を勧めたい。
評価:★★★★☆