デジタル派プロの理論の全容を徹底解読
内容(「BOOK」データベースより)
打点、速度、守備力、シンプルかつ大胆に牌理機能を駆使して次の一打を選択する小倉システム。
オカルト、アナログ的な麻雀を揶揄するかのように、最近よく聞く“デジタル麻雀”と言う言葉。
とつげき東北の本で十分! とも思うのだが、プロとして活躍しているというブランド的観点でも、手に取りたくなったこの本。
まず鳴かれたら嫌なダブ東から切れ、など、目から鱗な理論が次々と書き連ねてある。
状況別で、この場合は雀頭を確立しろ、とか字牌はこの順で処理していけ、といった具体的なアドバイスは、今すぐにでも実践したくなる内容。
面前でチートイツ? 鳴いてトイトイ? といったよくあるジレンマ。
この手は即リーチ? それとも手変わりを待ってダマ? といった選択。
喰いタンの仕掛けどころ。
クッツキが期待できないペンチャンをいつ捌くか、といった他のターツ状況別牌理。
など、わかりやすい解説がある。
相手の捨て牌からのある程度の読み方と、自分の押し引き判断も詳しく説明されていて、参考になった。
第7期雀王決定戦の牌譜を主として、実践からの何切る出題もありボリュームもそこそこ。
デジタル雀士の小倉システムではどうするか、とその結果どうなったか、などが書かれている。
何よりデジタルの強みは、周りに左右されないという点。
マスターすれば、不調なときでも強固な精神力に繋がると思う。
周りといっても、もちろん点数状況や捨て牌、テンパイ状況などの、当然判断の材料として必要となるもののことではなく、「この人とは相性が悪い」「この人のうち回しだとこの待ちはない」「今は調子が悪いからリーチは辞めておこう、ドラ切りはやめておこう」といったこと。
根も葉もない根拠に釣られないよう、このデジタル理論は持論に繋げる素材として貴重な資料となるはず。
個人的には鳴き方、攻め方がわからず、苦手意識があったのだが、この本が解消してくれそうである。
最速のアガリを目指すことが念頭に置かれているので、点が欲しい時や一人沈んでいるときの対応についてはほぼ触れられていない。そういった時のコントロールについても書いて欲しかったところ。
評価:★★★★☆