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考えすぎたら損をする


考えすぎない (アルファポリス文庫)


内容(「BOOK」データベースより)
私たちの日々の悩みは、ほとんどが“考えすぎ”を原因としている。そんな“考えすぎるクセ”を改善すれば、もっとラクに生きることができるはず。本書では本多時生がさまざまな状況での“考えすぎない”方法を紹介する。






『幸せ(しあわせ/幸福)のホームページ』を創設している著者のラクに生きて幸せになるための人生論。タイトルの通り、考えすぎないことによる幸福論である。
神経質な傾向の私としては是非とも参考にしたい一冊である。

●『考えなくてもいいことを考えすぎない』
●『どうしようもないことを考えすぎない』
●『人のことを考えすぎない』
●『自分のことを考えすぎない』
●『物事を悪く考えすぎない』
●『ヘタに考えすぎない』
●『重苦しく考えすぎない』
●『生活を大切にする』
●『"考えすぎ"への対策』


以上のようなお題で、考えすぎないための方法論、考えすぎないための考え方、を提示し、幸せな生活を過ごすコツを伝授する。
「それができりゃ苦労しないよ……」と言いたくなることもあるが、考えすぎが癖になっている人、考えることで盲目的になっている人、どうすりゃいいのよ、という人は買って損無し。

本書の内容は、人生の先輩が教えてくれそうな穏やかな考え方である。人生経験を積んで何となくラクに生きる方法を考えることで生み出されたような内容だ。この著者だから、というほど斬新な考えではないが、幸福論をこの本で教えてもらうのがいいかもしれない。書籍化ということでいつでも体系的に学べることもありがたい。
もちろん内容は投げやりなものではなく、とても丁寧に書かれている。幸せの研究者らしい本だ。

考えすぎ、と周りから言われる人には持ってこい、タイトルでピンと来た人は是非とも読んでみて欲しい。
苦言を呈するなら、同じような内容が続くと言うことか。水増しと言われても仕方がないところがある。
ただ、一度読んだところを読み返す作業よりは、読み進めて何度も意識していけるというプラスの考え方もできる。

自分を変えるための意識付けには良い一冊。


評価:★★★★☆

考えすぎない (アルファポリス文庫)
本多 時生
アルファポリス
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医療は、いいことばかりではない!


大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)

内容(「BOOK」データベースより)
3人に1人はがんで死ぬといわれているが、医者の手にかからずに死ねる人はごくわずか。中でもがんは治療をしなければ痛まないのに医者や家族に治療を勧められ、拷問のような苦しみを味わった挙句、やっと息を引きとれる人が大半だ。現役医師である著者の持論は、「死ぬのはがんに限る」。実際に最後まで点滴注射も酸素吸入もいっさいしない数百例の「自然死」を見届けてきた。なぜ子孫を残す役目を終えたら、「がん死」がお勧めなのか。自分の死に時を自分で決めることを提案した、画期的な書。




話題の本として、最近耳にする本書。
何でも、タイトルにあるように、医療と関わると楽には死ねない、といった既存の価値観に疑問を投げかける内容と言える。

章立ては以下の通り。

●第1章『医療が"穏やかな死"を邪魔している』
まずは、医療に対する思い込みを無くしてもらうのが本章。日本人は医者を信頼しすぎており、薬やリハビリに対しても依存傾向にあるようだ。本当は医療など信頼できない、自然治癒力を侮るな、といったような認識を読者に与えてくれる。次章で詳しく語られるところかもしれないが、医療現場や介護、家族の価値観によって、穏やかな死を受け入れにくい体制になっているようだ。

●第2章『「できるだけ手を尽くす」は「できる限り苦しめる」』
主張は章題の通り。できる限り手を尽くす現在の医療は、苦しめるだけの延命措置であることが多い(それしかない?)ようだ。本書にもあるが、自然死とは餓死であって、餓死には苦しみは無い(なぜ苦しみが無いかは本書を見てほしい)。この餓死を妨げることは苦痛しか残さない。本章にある『食べないから死ぬのではなく、死に時が来たから食べない』という表現がまさに的を射ている。

●第3章『がんは完全放置すれば痛まない』
ガン検診や抗ガン剤によって現代では対抗策の増えてきたガンだが、ガンを退治することが果たして正解かどうかを考えさせてくれる。ガンによる痛みはないのか、三割の人が痛まないのか、いまいちハッキリしなかったが、手遅れとわかって苦悩するくらいなら手遅れを知らない方が幸せなのは納得できる。

●第4章『自分の死について考えると、生き方が変わる』
著者が主宰した、『自分の死を考える集い』の活動を振り返りながら、死生観を考える章。ここまで行くと、ちょっとやりすぎて引いてしまうのが個人的な感想であり、一般的な反応だろう。著者自身もその点を自覚しているが、死やその話題を極端に忌避する現代社会にも疑問があるのは私も同意見である。
また、自分の死について考え、生き方を変えるという章だが、死の準備的な意味合いが強い。遺書や意思表示不能時のための事前指示書などはともかく、棺桶に入ってみるとか一般的には縁起の悪そうなことが多い。自分の死後、あるいは要介護状態になったときに、家族に極力迷惑をかけないよう準備する姿勢は見習うべきだろう。

●第5章『「健康」には振り回されず、「死」には妙にあらがわず、医療は限定利用を心がける』
章題にもあるとおり、死を抗い、健康であることに執着する現代人に対して意見を述べている。生活習慣病の考え方、検診と健診など、納得できる点は多いが、不健康を素直に受け入れ、医療を望まないのはなかなか難しそうだ。

●終章『私の生前葬ショー』
著者の生前葬という具体的な内容を使い、自分史で人生を振り返り、事前準備として事前指示書を書く、など読者に見本を見せている。


全体的に思うのは、私には読むのが早かったかなぁ、と。健康意識や医療による延命などを含む死生観は勉強になったが、生前葬や著者の活動については読んでいてついていけない部分があった。理解はできるが、一つの宗教観のような印象を受けてしまったあたり、私もまだ死に対してタブー視しているのかもしれない。

著者の死生観がもろに出ているので、それに反発してしまう人には読んでいて苦しい本だ。だが、現代医療や健康意識に一石を投ずる、センセーショナルな内容である。


評価:★★★☆☆

大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)
中村 仁一
幻冬舎
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ウメハラがぁ!本書いてぇ!

勝ち続ける意志力: 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)

内容(「BOOK」データベースより)
17歳にして世界一になった。2010年8月、「最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネス・ワールドレコードに認定された。職業、プロ格闘ゲーマー―。これから僕は、「世界一になって」、そして「世界一であり続けることによってしか見えなかったこと」について話をしたいと思う。それは「勝つために必要なことは何か?」「なぜ多くの人は勝ち続けることができないのか?」という話だ。いわば「世界一になり、世界一であり続けるための仕事術」とも言えるかと思う。その技術は、ゲームの世界ではもちろんのこと、それ以外の世界でも必ずや、前進のためのお役に立てるだろう。



格闘ゲームに詳しい人なら知らない人はいないと言ってもいい、もはやゲーマー以外にも有名なのではないだろうかと思うインターネット上の対戦動画で話題になったプロゲーマー、梅原大吾氏、通称ウメハラ。その梅原氏が本を出版と聞いて飛びついて購入。言うなれば、「出版情報見てから購入余裕でした」ってヤツだ。
私自身ゲーム好きかつ格闘ゲームもプレイしていることもあり、彼のゲームのプレイ動画などを見て少なからず尊敬の念を抱いている。本書にはそんな梅原氏の裏側が赤裸々に書かれている。まさに帯にもあるように人生の攻略本といった具合に、人生について考えさせてくれる内容だ。

章立ては以下の通り。

●第1章『そして、世界一になった』
著者の人生を振り返り、どのようにして世界一のプロゲーマーとして君臨したのか、を語る。やはり並ならぬ価値観を貫いてきたからこそ、といった具合。ゲーム好きな人が慢性的に抱えているような悩みが、やはり彼にもあったようで共感できる部分は多い。
ただ、「プロゲーマーになった今だからいいけどさぁ……」と思う人が世の中の大多数だろう。たしかに、いくらゲーム好きでもなかなか彼の人生をマネすることはできないが、「いくらそのことがわかっていても、ゲームが好きで、多大な努力で周りを突き放す!」という好きなことにとことん注ぎ込む姿勢こそが見習うべきところだ。

●第2章『99.9%の人は勝ち続けられない』
著者の強さの理由が書かれている。やはり格闘ゲームの話から語られるので、格闘ゲームに疎い人にはわかりにくい部分もあるかもしれない。だが、格闘ゲーム以外にもあてはまる、どういったことが理由で、その辺の強い人とは違う強さを手に入れられるか、一線を越えるためのヒントがある。それにしても、『人読み』『相手の弱点をつくこと』などについても書かれているのは、読んでいてとても勉強になった。著者の言うとおり、問題は勝負の質である。
また、変化することについて、または人の目を気にすることについて、など、格闘ゲーマーならではの価値観が他の勝負事やビジネス、人間関係にも活用できることに気付くだろう。一般的な強さではないオンリーワンの強さの秘訣が書かれている。

●第3章『ゲームと絶望と麻雀と介護』
著者が思い悩み、ゲームを離れ、迷走していた時期を語る。迷走というのは結果論かもしれないが、やはり著者にとってはゲームをしているときが輝いているようで、積み重ねのすばらしさがわかる。しかし、「ゲームをしていたから、人間的にこうなった」といった内容は薄く、ただの著者の自分史的な仕上がり。

●第4章『目的と目標は違う』
目標であるはずの大会を目的とした時は弱くなる。といった考えで、著者の成長論を説く。モチベーションや緊張、またはセオリーに縛られないため、といったメンタル面での強化法が書かれており、大会に勝つことではなく、あくまで勝ち続けることが主眼である。
個人的には『休日のない生活』の項は、特に「たしかに!」と唸らせる内容だった。

●第5章『ゲームに感謝』
締めくくりとして、これまでのまとめのように、著者の人生を振り返っている。


総観。
プロゲーマーという稀有な立場からの人生観が書かれている。この手の本は、ジャンルに限らず見習うべき点、人生や他のジャンルにも通じる点が多く盛り込まれているものだが、本書も例に漏れない。
「こうしなさい」「こうあるべき」といった押しつけがましさが少ないのは、著者の性格だろう。
やはり、ゲームという、世間から脚光を浴びるわけでもなく、むしろ蔑まれるようなものを好きになってしまい、続けてきただけに、その手の悩みや迷いが多く見受けられる。ゲーム好きの人にはかなり気持ちがわかるはずだ。

格闘ゲームは、運要素が高く、バージョンアップなどによるルール変更が頻繁な競技なだけに、囲碁や将棋、各種スポーツには同調できない部分もあると思われるが、本書は『結果を出す』ということではなく、『勝ち続けること』が本題である。
大会に勝つ、本番で実力を出し切る、といったところは第4章にもあるように、目標であり目的ではない。読む上でその点は勘違いしないよう。

梅原氏を知らなかったり、ゲームに興味がなかったりする人に勧められる本かと言われると、少し言いよどむ。
たしかに、見習うべき点は多いが、著者の自分史的な内容が多く、経験談で語られる上、(ゲームを知らない人にもかなり分かり易く書いているよう努力が見受けられるが)ゲームの具体的な話も少しではあるがあったりするので、ウメハラという人物やゲーム業界に興味がなければ、読んでいてつまらないかもしれない。
この手の本に科学的根拠を求めるのはナンセンスだが、格闘ゲームという生業にするにはあまりに風当たりの強いジャンルで培った著者の考えに説得力を感じにくいと思われる。

しかしまぁ、友人と格闘ゲームに興じることも多い私としては大満足で、昔からウメハラを動画なり雑誌なりで拝んできた身としては、これほどありがたい本はない。いったい、何を考えてプレイしているのか、格闘ゲームプレイ中のあの無表情の裏がわかった一冊だ。
好きなことで食っていくための覚悟や、タイトルにもある、勝ち続ける意志力など勉強になった点は多い


評価:★★★★☆

 
絆が切れるんです


“切れない絆”をつくるたった1つの習慣 (青春新書プレイブックス)
内容(「BOOK」データベースより)
あの人の笑顔が、あなたに向かなくなったとしたら大切な人との絆を築き、守り、育てるには―時間もお金もかからない「気づかい」のヒント。







という人に。

友達を作ることには特に困っていないし、現状に不満があるわけではないが、長続きする一生ものの絆はと言われると、そこまで自信がもてないということもあって、書店で釣られてしまった本書。
産業カウンセラーである著者はおそらく人間関係の悩みについて専門的といえるだろう。

章題は以下の通り。


●第1章『幸せは「絆」をつたってやってくる』
『絆』の大切さを説き、切れない絆を築く方法について意見を述べる。本章にもある、「絆は築くのは大変で一瞬で失われる」ということは本書を読む人には重々承知の内容ではないだろうか。

●第2章『「いつも気にかけていること」を伝えてみよう』
相手を常に気にかけることが絆を保つ第一歩。人はどういう風に思われると、この人とはずっと深い絆を保ちたいと思うか、という点が理解できる。言われずとも分かっている人は、なかなか人付き合いのセンスがあるのかもしれない。

●第3章『「なにげない絆」から新しい絆がつながる』
何気ない気づかいということだが、一般的にどういうことをしていれば、その人との関係が上手くいき、続いていくかという社会的常識とも言える部分が多い。だが、こういう何気ない気づかいができない人が多いのが現状である。

●第4章『後悔する前に知っておきたい「絆を失わないコツ」』
絆を失わないコツを教授してくれる。やはり、他人を変えることができないという前提があるためか、自分の考え方を変えてみるようなアプローチばかりである。

●第5章『相手が元気になるメッセージの送り方』
相手が元気になってくれるような言葉や姿勢ができる人はやはり絆を築くことができる。その具体例としてどういったことをすればよいかが書かれている。

●第6章『「プラスの会話」が長く続く関係を作る』
プラス方向の話が続く関係は絆を深める。そういう会話とはどういった内容なのかを説く。『文句ではなくリクエストを言う』の項は、文句が多い自分には参考になる内容だった。

●第7章『「相手が喜ぶツボ」をはずさないヒント』
相手を喜ばせることがやはり絆の秘訣。喜ばせる為にどういったことをするのがよいかも書かれているが、基本的にはそのためのヒントであり、価値観や考え方から教えてくれるような内容が多い。

●第8章『「頼まれごと」への賢い応じ方、断り方』
時に頼まれごとをされることもあるはず。しかし、いつもいつも快く応えることもできないのが現実。いったいどういう応対がベターなのか、断るにしてもどういう断り方がよいのかという点をおさえている。

●第9章『深い信頼と「ちょうどいい距離感」のバランス』
妙に近づきすぎていて窮屈、無理に付き合っている、過干渉、といった具合に何となく過ごしている相手との間に少しずつ亀裂が入る可能性がある距離感の間違い。そういったケースについて例を挙げている。

●第10章『豊かな絆は「幸せな人」のまわりに生まれる』
幸せな人に焦点を当てて、幸せな人の周りの人とのいい付き合いを紹介している。いい絆は幸せな人の周りにあるといった感じだ。

私は遊び友達が多い方だと思うが、一生ものの絆となるかと言うと正直わからないかな、という部分はある。というのも、本書に書かれていた内容に少しギクリとする部分が多々あったこともあるからだ。
切るべき絆、大切にすべき絆の分別についても考えさせられる内容であり、「あぁ、こういう人とは無理に付き合う必要は無かったんだなあ」と思うこともある。
心理学に長けている著者だけに、相手のことを思った指摘ばかりであり、それが絆に繋がるというものである。

友人や恋愛だけでなく、仕事関係の人付き合いにも活用できる、啓発本であり、身につまされるような事が多く書かれている。経験上、本書の内容を自分の哲学で確立している人も多いだろう。実際、私自身心がけている部分もあった。
著者が伝えたいことがしっかり伝わってくる上、うまくまとめられ、的を射ていると思った良書。
私の友人にも読んでもらいたいような納得の内容だ。

一つ言うなら、タイトルの『たった一つの習慣』の『たった一つ』という点が全く分からないが、出版社側の販促用の意向であって著者に悪気はないはず。


評価:★★★★★

“切れない絆”をつくるたった1つの習慣 (青春新書プレイブックス)
「“切れない絆”をつくるたった1つの習慣 (青春新書プレイブックス)」
 [新書]
 著者:植西 聰
 出版:青春出版社
 発売日:2011-11-25
 価格:¥ 1,000

 
 
俺、金持ちになるわ


金持ち父さん貧乏父さん
内容(「BOOK」データベースより)
本書は…金持ちになるためにはたくさん稼ぐ必要があるという「神話」をくつがえす。持ち家が資産だという「信仰」を揺るがす。資産と負債の違いをはっきりさせる。お金について教えるのに、学校教育があてにできないことを親にわからせる。そして、お金について子供たちに何を教えたらいいかを教えてくれる。





と、自分の可能性に本気を出したくなった本。

2000年に初版が発行され、未だに人気の衰えない財テク教科書の筆頭である本書。年齢的に財テクに興味のなかったこともあり、当時のブームに乗り遅れたのだが、今更ながら便乗。
それにしても、未だに増刷が続いていることに驚きである。やはり現代でも十分に通用する良書なのだ。

章立ては以下の通り。

・『いま子供たちに必要なこと』
金融教育が欠乏している日本においては特に言えることだが、今の子供たちに必要なことが何かを教えてくれる内容。いい大学を卒業し、いい企業に就職したり、医者や弁護士になったりして、あくせくと働き安定した収入を得る一般的な生活に疑問を与えられることに抵抗のある人は多いだろう。そういった本書で言う『ラットレース』という生活を抜け出し、金持ちになるためにどうすればよいか、子供にどういった教育をしていけばよいかについてこれから過激に受け取れるかもしれないロバート・キヨサキの考えを記す、とまとめている。


●『教えの書』
・『金持ち父さん、貧乏父さん――ロバート・キヨサキが語ったこと』
二人の父親を持つロバート・キヨサキが一方は金持ちになり、もう一方は貧乏になってしまった。彼らの思想、教育の指針の違いについて具体的に述べている。金持ちになるためには一体どういった考えをするのがいいのか、という簡単なところを触れており、以降に繋ぐ。

・『金持ち父さんの六つの教え』
つまるところ、金持ち父さんが何を教えようとしていたかについて六つにまとめている。詳しい内容は以降の章になる。

・第一の教え『金持ちはお金のために働かない』
自伝の物語形式。教えてくれる金持ち父さんの謎かけのような実践型講義の一部始終を読みながら、読み手側も一体何を考えているのだろうか、と思う仕様だ。この教えの意味を知るには本書を読んでいただきたい。

・第二の教え『お金の流れの読み方を学ぶ』
前章よりは教科書っぽい構成になる。なかでも、「資産と負債の違いを知る」ということは肝に銘じるべき項だと思わされた。貸借対照表や損益計算書といった会計的な話が繰り広げられるが、そこまで身構える必要はない単純明快な話だ。そのほか、中流以下の人間が勘違いしがちな点を紹介している。

・第三の教え『自分のビジネスを持つ』
マクドナルドの創始者、レイ・クロク氏の話から始まる。そして、自分のビジネスという言葉の意味を説き、築くべき本当の資産は何かを示す。

・第四の教え『会社を作って節税する』
金持ちになるための一番の敵と言っても過言ではない税金について述べ、その対策として会社の設立を提案。詳しい設立方法などについては記述していないが、ファイナンシャル・インテリジェンスという簡単に言うならばお金に関する知識を養うことを提唱する。

・第五の教え『金持ちはお金を作り出す』
タイトルの通り、お金を作り出すヒントについて述べている。「はいはい、それで成功したんですよね」と一蹴することは簡単だが、何か金持ちになるための糸口を見つけるために読者に対する働きかけをしていることは間違いない。

・第六の教え『お金のためだけではなく学ぶために働く』
働くことの意味を説く。お金を稼ぐために働くのではないということはこれまでの章でも述べていたが、もっと具体的に一般的な『お金のために働く人』がお金持ちに向いていない残念な部分について述べている。


●『実践の書』
・実践その一『まず五つの障害を乗り越えよう』
実践するためのアドバイスその1。まずはそのための障害となる五つのポイントを抑えている。たしかに、凡人が陥りがちな心理や理屈であり、そこから脱出することが肝要と思われる。

・実践その二『スタートを切るための十のステップ』
タイトルの通り。精神論だったり「それが出来りゃ苦労しないよ……」とついつい言いたくなるような内容だったりする。

・実践その三『具体的な行動を始めるためのヒント』
これまでの内容より、もっと踏み込んだ内容。株やら不動産投資やらで成功したことについて著者がどういう風に行動に移したかという点を述べている。

・エピローグ『たった七千ドルで四人の子供を大学に行かせた男の話』
具体的な成功談を紹介。これを読んで自分も頑張ろうと思うかは別。

・『いますぐ行動しよう!』
いわゆる『あとがき』にあたる。著者から読者へのメッセージだ。


出版されたのは十年前、著者の体験談はアメリカでの内容ばかり、という点で、具体的な法律問題や不動産売買でそのまんま参考にすることは出来ないが、そもそも主旨は金持ちになるための考え方であるので全く問題ない。
時期的にも、リーマンショックのような暴落についてはやはり記述されていないが、著者自身は暴落時でも心意気は変化しないように思われる。
これ系の本を嫌う原因の一つとして、やはり「損することを考慮していないのでは?」という気持ちになるものが挙げられるかもしれないが、金持ちになるのに一度も損をしなかった人はいないと述べている。失敗無き成功はない、というのは人生の鉄則かもしれない。
取り返しの付かない失敗は少なくとも若いうちはそうそう無いので、チャレンジ精神で金持ちをめざす方向性だろう。もちろん、チャレンジするに足る知識を養うことが前提であるが。
子持ちの人には、子供へのお金の教育の指針として提唱している面がある。お金に貪欲な姿勢を醜く評価しがちな風習があり、子供にいきなり本書の内容を突きつけるのも酷な気もするが、一方でそんな価値観でお金持ちへの道を閉ざすことはいささか不憫にも思える。

本書を読み、一つ言えることは、圧倒的な説得力だ。現実をよく見据えた結果、金持ちになる秘訣を記したもので、よくこれ系の本にある「これができたら苦労しない」「あんたが上手くいっただけだろ」という気持ちも不思議とそれほどない。むしろ、金持ちと凡人の違いの現実を突きつけられ、自分としては奮起するような内容であり、現在、マイホームなどの本書で言う負債を抱えていないことにありがたみを感じるほどだ。
私は最近、財テクに精を出していることもあって、本書の内容は骨身に沁みるとともに聖書のような天啓を与えてくれた。……というのは少し言い過ぎたが、実際問題共感できる部分や既に頭の中で考えていた部分が多くあり、これからの人生の指標として日々心掛けたい内容であった。

お金絡みの貪欲な姿勢を毛嫌いする人は、そもそも本書は手に取らないと思うが、少しでもお金の儲け方、お金持ちの思想に興味のある人にはお勧めしたい本。いろいろと、人生に対する考え方が変わること請け合いである。

評価:★★★★★

金持ち父さん貧乏父さん
「金持ち父さん貧乏父さん」
 [単行本]
 著者:ロバート キヨサキ,シャロン・レクター(公認会計士)
 出版:筑摩書房
 発売日:2000-11-09
 価格:¥ 1,680

 
 
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