こりゃねえよ
黒田 研二
文藝春秋
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内容(「BOOK」データベースより)
都立K高校三年四組、天童玲美。入試を四ヵ月後に控えた十月、彼女はなんとしてでも最難関私大・馳田学院に合格しなければならなくなった。不慮の事故で亡くなった姉、芙美子の死の真相を探るためだ。玲美が頼ったのは、クラスメイトで成績トップの超優等生、愛香。そこに陸上インターハイ選手の杜夫と、機械オタクの隼人を加えた三人が、彼女の参謀となった。決して成績はよくない玲美。彼らが出した結論は、カンニングによる入試突破だった。ひとりの少女が、前代未聞の闘いに挑もうとしていた。教師に、学校に、そして心の中の何かに、いま玲美は宣戦布告する―。青春ミステリー。
すらっと読めました。
最初の方こそ説明調な文章が多く、重たい進みでしたが、読むにつれてテンポが良くなり、スピード感が増した感じがした。
さて、内容の方。
「なんでそんなことが出来るの?」とかいろいろと突っ込みどころが多いですが、そういったあら探しをしようとしなければ面白いと思った。まぁエンタメ小説なんでね。
明らかに人権問題に発展しそうってくらい凶悪な人もいるが、小説なんでそのくらい尖ってた方が面白くなるかな。と言っても、世の中広いのでこんなキャラみたいな人間は山ほどいそうですが。
まぁそういった人物がいることで、感情移入に拍車を掛ける効果があるかもしれない。実際に私も心を動かされる場面が何度かあった。
多彩なカンニング方法と、教師側の対策が見所のコンゲーム小説ですが、その一方、
いまいち姉の死にまつわるキャラクターの心情が伝わりづらい部分はあった。いや、伝わりはするのだが、「だからってそんな行動を感情の捌け口にするのだろうか」という疑問が。もっとスマートな原因究明、真相解明の方法があるだろう、とか思ったりしたのだが、その辺は机上の空論というか身も蓋もない話か。
結論としては、さらっと読んでさらっと感動。そんなところです。
評価:★★☆☆☆
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