楽してお金を『作り』たい
内容(「BOOK」データベースより)
月に1度「引落とし」、年に1度「確認」するしくみを作るだけ。給与振込口座から掛金を自動的に引き落とし、しくみが投資信託を買い付けることで、投資にはほとんど時間をかけずにストレスなく投資が続けられるようになる画期的な投資手法。
お金を儲けたいのでなく、今後のために仕込んでおきたいという人に向けた本と思われる。
現在30~50代の方の老後に向けた資産運用といったところだろう。早ければ早いほど期待値が上がるので20代でももちろん良い。
今後の日本を考えると、年金なんか当てにならないという人がほとんどだと思うが、そう思うならば本書に目を通すことをオススメする。
●第一章『投資はビジネスマンに必須のスキル』
投資と身構えると必要以上に難しく考える日本人を指摘。投資に関する著者の価値観と日本人の典型的な価値観を述べているのが印象的で、まさに日本人はまさにその通りだと言える。
その投資に対する価値観の改めを促すのが本章。
懐疑的になれば、胡散臭い説明かもしれないし、その辺は何とも言えないが、お金を転がさずにほぼ0金利な定期預金に徹底するよりは、私は投資をしたい。
●第二章『なぜ、積立て投資なのか?』
リタイア後を視野に入れた積立て投資。
老後の年金問題、税金や社会保険料、マイホーム購入時のローン、などなど、FPらしさが冴えるリスクとリターンの解釈を述べ、積立て投資を行う妥当性を説く。
●第三章『みらい資産の作り方』
ここでは、その
未来に向けた資産を託す投資信託の選び方や投資戦術についての解説がされている。と言われると、少しややこしそうではあるが、中身は至って単純で、忙しいビジネスマンでも続けられるという本書の主張通りである。
●第四章『毎月5万で7000万円をつくるしくみを実行する』
問題の7000万円を作る方法について。しかし、本当にこれで行けるのか?という思いはする。下落さえも歓迎されるリスクマネジメントの観点ではよい投資法だが、決算しようとする老後を目前に暴落したらどうなるのだろう。その点は、次の章で述べられるのだろうが、どうも「上手く行けば」というだけの話のような気がしてならない。
●第五章『プライベート年金の引き出し方』
では、
そうやって積み立てた老後のための資金をどのように引き出すか、と言う点について述べている。こういうのは自分の寿命や子に残す遺産との関係もあるだろうなあ。
●第六章『ここが知りたい積立て投資Q&A』
「教育費が必要だけど……」「ファンド販売会社が倒産したらどうなるの?」そういったありがちな質問に対して回答がされている。
積立型の投資信託というのは初耳だったが、
本書に書かれているように利点が多そうだ。
『一度受け取らずに振り込むため、元から無かったお金で投資している気分になる→ストレス軽減』
『ドルコスト平均法の要領なので、購入価格の心配にさいなまれない』
『時間が取られず、プロに任せられる』
『保有ファンドとその比率を調整さえしていけば、リスクはかなり回避される』
といった具合。
以前読了した、『
投資信託にだまされるな![新版]』にも紹介されていた方法でもあり、なかなか信頼できそうだ。
毎月の給料を普通預金にだぶつかせている状態なので、私もこれを機に始めてみようか、と思わせる本だった。
しかし、リスク面があまり感じられなかったのが逆に怖い。あと、手数料や信託報酬といったコスト面の言及がもう少し欲しかったかな、という印象だが、この辺りは別に気にしなくてもいいのだろう。
これで本当に7000万円作られるというのならば、評価は満点だが、やはり少し不安なので満点は控えます。まぁ、そんなうまい話はそうそう無いと覚悟していれば、問題ない。
とりあえず現時点の個人年金よりは期待できそうだ。あくまで現時点。先行きの不確定性は当然のリスクである。
評価:★★★★☆
PR