暖かい。
内容(「BOOK」データベースより)
一九八一年三月。大学の合格発表のため遠く離れた西の田舎町から東京に来た「僕」。その長旅には同級生の裕子という相棒がいて、彼女は、東京暮らしの相棒にもなるはずだった―。ロング・バケイション、ふぞろいの林檎たち、ボートハウス、見栄講座…。「’80年代」と現代を行き来しつつ描く、一人の上京組大学生が経験する出会いと別れ。
タイトルからは想像しがたい
暖かい青春小説。
短編集の構成で、
一九八〇年代の上京した学生の出会いと別れを描いている。
各短編は友情や恋愛、生き様など、人生について考えさせられる。
そして、暖かい!の一言に尽きる。
全体的に作者の筆力を感じる読みやすさと、よいまとまりで、サクサク読めた。東京のような都会で一人暮しをしている人ならより感情移入できるのではないだろうか。
個人的には、同年代の女の絡みがとても癒された。
好みの問題だが、男女関係の話をもっと前面に押してくれたら最高の作品だったかもしれない。
作者の私小説かと思うような舞台と設定だが、さすがにこれほど劇的なことはなく、違うらしい。
評価:★★★★☆
重松 清
光文社 (2011-04-12)
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