この著者、頭良すぎる
内容(「BOOK」データベースより)
ルックス?学歴?年収?…そんなもの関係ない。男達が求め続けた答えがここにある!封印を解く「イメージボックス」―彼女はあなたの中の「自分」に恋します。
悪知恵でも知略謀略でもなく、人間と向き合って人間の無意識に語りかける、それがまさに催眠術ということか。しかしまぁ、対人関係の心理学をかじってきた自分にも、まだまだ驚きの理論や手法が眠っているというのだから、知的探究はやめられない。
そこで次に手を出したるは、催眠誘導の貴公子である著者の本であった。
●第一章『恋愛心理にもっとも役立つ催眠の理論と手法』
心理誘導の取っ付きの部分でもある、相手との信頼関係を形成するための理論と手法を主に、女性とのコミュニケーションがスムーズになる会話の持っていき方、上手な誘い方といった部分まで書かれており、心理誘導の基礎がわかる章。
●第二章『恋愛上手になるための大原則』
相手の気を引く、好意を抱かせる、といった手法が書かれている。相手に気づかれずに、相手の選択肢を絞って誘いかける心理誘導の片鱗も味わえる。
●第三章『恋愛を支配する恐るべきイメージ・ボックス』
ここでは、イメージ・ボックスという目から鱗が落ちるような人間の心理を提唱している。日々どういったことを期待して、どのように生きているのか、というその人の大まかな人生観さえ俯瞰できそうなこの理論は、恋愛はもちろんのこと、仕事や友人関係で大いに役に立つはずだ。わかりやすく、イメージしやすく、聞いただけで日常で実践しやすい内容だけに、この章は本書の中でも強く推したい。
●第四章『セックスへのいざない』
催眠誘導を利用したセックスへの誘い方をレクチャーする恋愛講座の章。女性の気持ちを盛り上げる方法や、逆にOKだった気持ちを覚めさせる原因など、ありがちな心の動きを把握できる。かなりそれっぽい内容で、書かれている状況が容易に想像できるが、ただ、やはり人それぞれなので過信は禁物。
●第五章『性的本能を呼び起こすセックスinトランス』
いざ、セックスとなった時に、相手を絶頂へ導く方法を、催眠誘導の見地から教えてくれる。まずは、トランスという言葉の説明から入り、トランス誘導のやり方に繋ぐ。実際のセックスは意識せずとも少なからずこのトランス状態になっているはずである。セックスマニュアルみたいなものと思ってよい。
●第六章『モテる男になるための志』
名の通り、モテる男になるためにはどういう気持ちでいればいいか、といったことを書いている。しゃべり方、心構え、お金の使い方や気配りといった点に触れている。比較的、催眠の要素は薄いが、意識レベルではなく無意識に感じられる部分について記述する点は催眠術師としてのアドバイスだろう。
本書の見所は、BOOKデータベースにもある第三章のイメージ・ボックスという概念ではないだろうか。
これを意識して生活すれば、周囲の人との信頼関係を築く一助となるに違いない。
その他の点では、男性を対象にした恋愛マニュアルという性格もあって、女心についての解説と攻略法を多々記述している、男性向けの本である。
女性やフェミニストが読むと少し反感を買うのでは、という記述はあるが、全てとても事実無根とは思えないし、身近な女性に当てはまる部分は多い。
ただ、こんな本を読んでいる男性についてどう思われるか、という点は自分で考えるしかない。
評価:★★★★☆
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