忍者ブログ
本、音楽、ゲームなどの書評、感想をネタバレしない程度に書いていきます。詳しくは『このブログについて』をご覧下さい。 貴方のインドアライフに役立てば幸いです。
プロフィール
HN:
エリシオ
性別:
男性
自己紹介:
読書とゲームと投資に明け暮れる、インドア特化型なしがない社会人
カテゴリー
リンク集
当ブログは、リンクフリーです。 相互リンク大歓迎です。 相互リンクを希望の際は helissio5963(アットマーク)gmail.com まで。アットマークは手動入力してくださいな。
ランキング
気に入ったらPlease Click!
人気ブログランキングへ
最新CM
[08/16 エリシオ]
[08/13 古宮昇]
[08/01 エリシオ]
[08/01 秋津学]
[11/22 エリシオ]
最新TB
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ロマンを求める学問


タイムマシンがみるみるわかる本[愛蔵版]
内容紹介
宇宙の果てや時間の流れに思いを馳せると、日常の些事を忘れさせてくれる。知的レクリエーションを愉しむために、本書は大まじめに科学的な観点から「タイムマシン」について考えてみた。相対性理論をはじめ、ワームホール、宇宙ひも、ブレーン宇宙モデルといったキーワードを駆使して過去や未来について思索する。
では、なぜ2008年にタイムマシンなのか。子どもに大人気のあの「ドラえもん」の中の設定では、実は2008年がタイムマシンが発明された記念すべき年とされているからだ。それだけではない。ロシアの数学者たちが2008年のうちにタイムマシンが完成すると発表しているのだ。
真偽のほどは本文に譲るとして、われわれが新幹線に乗って東京から博多まで旅行したとすれば、そこはもう未来の世界だという。タイムマシンは、物理や科学に関心をもつための入口として、子どもから大人までがアレコレ考える材料を提供してくれる。



タイムマシンは誰もが夢見る発明品の一つと言えるくらいのロマン溢れるアイテム。それについて大の大人、研究者達が真剣に考えていることを教えてくれるのがこの本だ。
豊富な図説、対話形式といった読者に易しい感触の構成。また、対話形式とは言っても、要点を捉えたQ&A方式と言うべきか。非常にわかりやすく、読者の頭の整理を促す形で進行してくれる。

章題は以下の通り。


第1章『意外にカンタン!未来へのタイムトラベル』

未来へのタイムトラベルは実は誰にでもできるのだ、という主張から始まる。ここで説明される時間や時空(時間と空間)については、自分には知らないどころか想像もしなかった部分が多く、とても興味深かった。なかでもカーナビの精緻な時間を計算するシステムについては目から鱗。
一方、未来から過去へループするという話は、さっぱり論拠が掴めなかった。さぞ講述しがたい相対性理論を用いた難しい理論なのだろう。

第2章『過去へのタイムトラベルとタイムパラドックス』

過去へのタイムトラベルができるかどうか、またタイムパラドックスという問題点をどう処理するか、という点を大まじめに研究した現在までの結果をまとめてくれている。タイムマシンの作り方の様々な説、親殺しのパラドックス、時間順序保護仮説、多世界解釈など充実した内容で、本書の一番の見所。

第3章『時間の流れる方向と時間の始まりについての謎』
ここでは、時間によって区別できない物理法則の特徴、可逆現象・非可逆現象といったところから始まり、時間の区別ができる分野、熱力学、エントロピー・マクスウェルの悪魔などから時間の流れる方向についてを考察し、ビッグバン宇宙論などから始まりと終わりについてを考察する。ブレーンだの、バルクだの、十一次元だの、といった部分はもはや理解できず置いてけぼりだった。

第4章『人間にとっての時間の意味』
章題の通り、我々人間にとっての時間とはどういったものなのかを、生物学や哲学の意見を通してまとめている。タイムマシンとは話が脱線している感じもするが、なかなか面白い。


本書のタイトルを見て「読みたい」と思った人は、おそらく第1章と第2章あたりがオススメで、それ以降は時間そのものについての考えに帰着するものであって、少しタイムマシンからずれている。

なかなか読み応えがあり、タイムマシンについてもそれなりに満足できる内容だった。この値段でこのボリュームと分かりやすさは充分である。最後の締め方はちょっと無理矢理かなぁ、と思うけれども。


評価:★★★★☆

タイムマシンがみるみるわかる本[愛蔵版]
「タイムマシンがみるみるわかる本[愛蔵版]」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:佐藤 勝彦
 出版:PHP研究所
 発売日:2008-05-24
 価格:¥ 500
 

 
PR
宇宙はどうなっているのだ……


インフレーション宇宙論 (ブルーバックス)
内容(「BOOK」データベースより)
宇宙は火の玉から始まったとするビッグバン理論では、特異点すなわち「神の一撃」を認めざるをえない。物理学の言葉だけで宇宙創生を記述したい、という著者の願いがインフレーション理論を生み、現在では宇宙創生の標準理論として認知された。その内容を万人が理解できるよう書かれた、最も平明なインフレーション理論の入門書。





宇宙は考えれば考えるほどわけが分からなくなる。私も中学生の頃、世界の構造を疑問に思ったことがあり、なかでも宇宙の人知を遙かに上回る広大さには、ロマンを感じるものがあった。皆も一度は宇宙の構造に思いを馳せたことはあるだろう。

本書は『「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! 』でお世話になった平易な言葉でまとめられた著者の本。
今回も万人向けに書かれているようで、例に洩れず、数式や難しい専門用語が盛り込まれるのは仕方がないことだが、そこは理解できなくてもよいというスタンス。そんなわけで、著者の考えた『インフレーション宇宙論』を是非とも本書で理解したいものだ。

宇宙とは、星とは、銀河とは、その始まりとは、その疑問に答えてくれる本だ。

さて、章題は以下の通り。

第1章『インフレーション理論以前の宇宙像』
ハーシェルの島宇宙から、ハッブルの銀河宇宙、アインシュタインの一般相対性理論が元となる宇宙論、ガモフの火の玉理論、ビッグバン理論といった具合に宇宙像の歴史を辿る。

第2章『インフレーション理論の誕生』
さて、本題にかかりつつある。インフレーション理論の誕生までの考察の過程を説明
一読しただけで何となくは分かるのだが、ビッグバン理論とインフレーション理論の違いを説明しているにもかかわらず、なぜビッグバン理論の説明しきれない部分がインフレーション理論でできるのか、わからなかったりする。
「なぜ宇宙が平坦であると言われたんだっけ?」「いや、そもそも平坦って?」といった第1章の根本部分さえ既に忘れてしまう。素人だけに仕方ない。何度も読み返せ、ということか。

第3章『観測が示したインフレーションの証拠と新たな謎』

おおまかな宇宙の構造は第2章で説明されたことで、さて今度は宇宙を観測をしてみたら、どんなことが分かってきてどんな謎が出てきたか、という『論より証拠』な章。現実の観測結果を書いているので第2章よりいろいろイメージしやすい。

第4章『インフレーションが予測する宇宙の未来』
あまりに遠い未来のことのため、科学的に証明(確認)できないために論文にならない、宇宙の未来についての予測を述べている。もう10の30乗年後、とか話がぶっ飛びすぎていて笑えてくる反面、予測だけとはいえよくできるなぁと科学の力に驚いてしまう。

第5章『インフレーションが予言するマルチバース』
宇宙はユニバースというが、それとは別に現在ではマルチバースという考え方が定着しているようだ。つまり、宇宙は1つではないということ。そのマルチバースの考え方について様々な説を記した章。第4章と同じで、証明ができないため、お話程度である。

第6章『「人間原理」という考え方』
宇宙に人間という知的生命体が存在していることについての考察、「人間原理」の考え方について述べている。こんなに住みよい環境があるのはどういうことだ、という疑問である。宇宙規模でなら天文学的確率で今の環境ができたと片付けても良さそうな気がするのだが、実際には宇宙が現在のように膨張していること、平坦であることを考えると、今の環境があることは奇跡的と言えるのだろう。


また、章末にコラムがあり、そこでQ&A方式の簡単な回答を用意している。これで章の内容を少し復習し、頭の整理もできるといった構成。
量子論の時もそうだが、物理学というのは結構適当というか、いい加減な部分が多いのだな、という感想。まぁ扱うものが人間にはおこがましいほどのスケールだけに仕方ない。現在でもまだまだ研究が続いているという点も頷ける。

ともあれ、あとがきにもあるように、『宇宙について知りたいけれど、専門書は難しすぎて手が出せない』という人には持って来いの一冊。現時点での宇宙論をざっと知ることができる良書である。


評価:★★★★★


インフレーション宇宙論 (ブルーバックス)
「インフレーション宇宙論 (ブルーバックス)」
 [新書]
 著者:佐藤 勝彦
 出版:講談社
 発売日:2010-09-22
 価格:¥ 840
 
 
量子論をかじってみて、ワクワクしよう


「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! (PHP文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
相対性理論とともに、現代物理学のもう一つの柱といえる「量子論」。人間の構造・進化から宇宙のはじまりまで、あらゆる現象を解明するとされるこの物理法則は、我々に未知の世界を垣間見せてくれる。本書は、難解とされる量子論のポイントが一目で理解できるよう図やイラストを多数使って初心者向けにわかりやすく解説。最先端物理学の世界が手軽に味わえる画期的な入門書。




なんだかすごい世界に踏み込んだ気になれる学術入門書だ。

さて、理系学問も触ってみるか。と、本書を手に取る。
しかし、門外漢にもわかるようかみ砕いてくれているのはわかるが、それでも頭が痛くなる部分は多い。
その点を踏まえ、著者は『計算式とか専門的なものとかあるけど、わからなくていいよ。太字のところが重要だから、そこは見てて。章末に重点もまとめたから』と割り切った風に書いてある。
凡人に理解されない研究者の性を垣間見た気がして少し悲しくなる。これこそが理系学問か。

章題は以下の通り。
内容や感想を見ても、「わけわからねえよ」と思うだろうが、結局それでいいのだ。「なんだかそういうのがあるらしい」というくらいの理解は出来るし、凡人にはその程度で十分だと思われる。


●序章『量子論の世界へようこそ』

量子論について簡単に知ってもらうために、量子論を築いたボーア氏と相対性理論を築いたアインシュタイン氏、そしてシュレーディンガーの猫の三者による対談を実現させている。なかなか面白く書き記しており、アインシュタインとボーアのそれぞれの主張や思想が簡潔に理解できる。
また、素人の私には同じような扱いだった『量子論』と『量子力学』はまた違う話らしく、本書では『量子論』を扱う。

●第1章『量子の誕生』

「そもそも量子とは何か」というところからスタートする章。根幹となる「そもそも『光』が粒なのか(光の粒子説)波なのか(光の波動説)」といった議論から入り、光の媒質やその特徴を知るための実験について述べていき、どうやって量子というものにたどり着いたのかを説明している。

●第2章『原子の中の世界へ』
ここでは原子の構造の話となる。ラザフォードの原子模型から、ボーアの原子模型。それについて語る前に踏襲すべきバルマー系列、など。この章で紹介された部分は、前期量子論という欠陥の多い理論のようで、これが後に大成するらしい。

●第3章『見ようとすると見えない波』
原子を取り巻く電子、これが粒か波か、といった部分での考察の歴史を語り、シュレーディンガーの提唱した理論や波動関数の確率解釈といった部分を分かりやすく説明。最終的にコペンハーゲン解釈へ繋ぐ。机上の空論や思考実験をそのまま理論化したような、学問としてはまだまだ雲をつかむような話が続く。その点の解明は第4章以降で語られる。

●第4章『自然の本当の姿を求めて』
結局、本当の姿とはなんぞな?というのを解明する章。前章に出てきた『私たちが見ようとすると見えない波』という胡散臭い構造もここで説明される。なるほど、計算式等はともかく、大方の内容はなんとなく理解できる。

●第5章『枝分かれしていく世界』

ここでは、ご存知、シュレーディンガーの猫の思考実験から始まり、コペンハーゲン解釈や多世界解釈の考え方といった風に、SFチックなテイストになる。もはやロマンに近い。

●第6章『究極の理論へ向けて』
最終的に、量子論はどのような理論へ発展し、日常的にどういった部分で役に立っているのかを説明している部分。様々な分野で活躍しているものを短い文量でおさめたせいか、正直わけの分からない部分が多かった。第5章までは何とか付いて来られたのだが…。


量子論というだけに、理系でもない私はちんぷんかんぷんなことばかりだろうと思っていたが、案外そうでもない。著者がほどよくかみ砕き、例えや図を用いてわかりやすく説明してくれるので、頭を抱える部分こそあったが、何となく分かった気がした。
「量子論を研究する人でさえ、はっきりを量子論を理解している人はいない」といったことが本書に書かれているだけに、私みたいな素人でもこんなものでいいのだろう。


門外漢なだけに評価は困りますが、さっぱり知らない読者に対する配慮を考えるなら満点でよいかと。


評価:★★★★★

Copyright © めざせインドアマスター All Rights Reserved
Powered by ニンジャブログ  Designed by ピンキー・ローン・ピッグ
忍者ブログ / [PR]