交渉で命を救え!
電撃オンラインより
近未来の東京を舞台に、警視庁交渉準備室、通称"ゼロ課"に配属されたフリーの交渉人(ネゴシエイター)・鬼塚陽一の活躍を描くアドベンチャーゲーム。ストーリーをドラマの手法で魅せるノベルと、事件の犯人と1vs1で対峙する交渉が融合した、"本格交渉アドベンチャーノベル"だ。本作のキモとなる交渉では、リアルタイムで進行する会話の中、状況にあわせた対応を迫られる。返答する答えの選択の他、犯人の問いかけにわざと返答しなかったり、会話をさえぎるなど、会話の間(ま)もすべて交渉内容や結果に影響してくる。交渉結果によっては、謎の核心に迫るラストのエピソードが見られなくなってしまうことも……。適切な対応で交渉し、事件を解決に導いていこう。
読み物。リアリティのあるデザインのキャラクター達が事件に立ち向かう。
シナリオはなかなか秀逸で、ゲームの止め時がわからなくなるほど惹きつけられる。
そして何より、交渉人を操ることが本ゲームの醍醐味。
交渉パートの緊張感はなかなかのもので、立てこもり犯や人質交換など様々なシチュエーション、様々な人物を相手に交渉を行う。そこで重要なのが心理描写。十人十色な心理をどれだけ読み取りながら相手を懐柔するかという点がまた面白い。そのサポートとして、プロファイリングのパートもあり、犯人の人物像を推測することで「ウソをつくことだけはいけない」「話をさえぎってはいけない」といった注意点を予め分析できる仕組みだ。
その交渉パートはリアルタイムで進むため、いくらかの選択肢(選択せず無言もある)が時間的な分岐と合わせて出現し、犯人の反応や結末が大きく変化する。
ストーリーは章立てで進むが、全体として一つの話でまとまっている。つまり、『銃声とダイヤモンド』というタイトルのノベルと思っていい。
複雑に絡まる多数の登場人物の相関は相関図で補足され、いつでも(交渉パート時以外)参照できるので、話に追いつけなくなった時に便利である。
秀逸なサスペンスドラマ風味なシナリオは個人的にツボで、何より交渉パート外でも主人公である交渉人の仕事術が垣間見えることが格好良く、ハマってしまった。『ネゴシエーター』や『交渉人』のような映画やドラマを見ていなかった私だが、これを機に鑑賞を考えるほどだ。
交渉人のスマートな会話術に惚れ込んでしまう、そして人の命が自分の手にかかっているという緊張感が味わえる、そんな作品だ。
満足感はありますが、これはフィーリングで満点というよりは4点くらいかな、と。
詳しいゲームシステムについては割愛させていただきます。
評価:★★★★☆
「銃声とダイヤモンド」
[Sony PSP]
メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日:2009-06-18
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