音楽で始める宇宙遊泳
大嶋啓之の音楽に魅入られて、数年。今でも聞き続け、色あせない名盤がこれ。
SFをテーマに、宇宙を駆け巡るような曲が収録されている。
アルバム名に"phase2"とあるように、ORBITAL MANEUVERは三部作となっている。
三枚ともテーマは同じではあるが、ヴォーカルも違い、それぞれ表現される世界は三者三様。
なかでも、私が好きなのはこの一枚。
ヴォーカルは茶太さん。定評のあるウィスパーボイスがスムーズにリスナーの脳内を彩る。
ミニアルバムのボリュームということもあり、曲数は主に3曲、リミックスが2曲、ノーボーカルが3曲。
気に入った曲は以下。
1. anemotaxis
宇宙を駆けていくような疾走感のある曲。メロディーは切なく、馳せる思いを描いた叙情的な曲にして、
そこを駆け抜ける気持ちよさも香る心地よい曲でもある。
ボーカルの魅力もさることながら、打ち込みのバックがツボ。このアルバムの世界へと誘う。
2. 風タチヌ
anemotaxisが疾走感ならば、こちらは浮遊感。切なげなメロディーには、安眠効果にさえなりかねない安心感がある。何処までも続く宇宙を漂うような小さな自分の存在を感じさせる曲。
私的には、街の夜景を眺めながら、詩的な情景に耽溺するような自浄作用があったりする。
評価:★★★★★