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良質ミステリー


ふたりの距離の概算 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
春を迎え高校2年生となった奉太郎たちの“古典部”に新入生・大日向友子が仮入部する。千反田えるたちともすぐに馴染んだ大日向だが、ある日、謎の言葉を残し、入部はしないと告げる。部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得できない。あいつは他人を傷つけるような性格ではない―。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、心変わりの真相を推理する!“古典部”シリーズ第5弾。






古典部シリーズ第五弾。第二弾の『愚者のエンドロール』以来、個人的には不発気味だったが、今回は満足。
 
話としては古典部に入部しようとしていた新入生が、突然原因不明の入部拒否をした謎を解く。それまではとても仲良しなムードだったのに何故!?と。
 
学校行事マラソン大会中に折木がその疑問を解決するのだが、なかなか素晴らしかった。一見なんでもないことから数々のヒントを察知し、推理する。伏線だらけの作品。
サクッと読めて納得の良質ミステリーだった。


評価:★★★★☆

ふたりの距離の概算 (角川文庫)
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-06-22)
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嫌いじゃないです


遠まわりする雛 (角川文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
省エネをモットーとする折木奉太郎は“古典部”部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。十二単をまとった「生き雛」が町を練り歩くという祭りだが、連絡の手違いで開催が危ぶまれる事態に。千反田の機転で祭事は無事に執り行われたが、その「手違い」が気になる彼女は奉太郎とともに真相を推理する―。あざやかな謎と春に揺れる心がまぶしい表題作ほか“古典部”を過ぎゆく1年を描いた全7編。






けど、好きとも言い切れない感じ。

さてさて、古典部シリーズ、第4弾。
今回は短編集ということで、各短編ごとにいつものごとく折木奉太郎が謎を解く形だ。
少ない謎から推理し、真実を見抜く本作の趣向。何となくつまらない話だったり、少し飛躍した推理がそのまま答えだったり、と不満点はあるが、青春ミステリーの形としてライトに描くならこんな感じでいいと思う。


タイトルとそれぞれの感想は以下の通り。


●『やるべきことなら手短に』
入部当時の、古典部に所属してしまった折木の心象を表すお話。いまいちパッとしなかったかな、と。

●『大罪を犯す』
ちょっとした謎を、少ない手がかりで真相に辿り着く古典部シリーズの基本に忠実な話。「……で?」という感想。

●『正体見たり』
ちょっとした謎を、少ない手がかりで真相に辿り着く古典部シリーズの基本に忠実な話その2。なんかアニメやライトノベルならサービス回かなぁ、という印象が残っただけで、ミステリー面の感動は薄い。

●『心あたりのある者は』
同じく、ちょっとした謎を、少ない手がかりで真相に辿り着く古典部シリーズの基本に忠実な話……なのだが、いつになく推理の飛躍がひどい。まぁ、『瓢箪から駒が出る』がお題だと思うので、こんなものかと。

●『あきましておめでとう』
折木と千反田が某所に閉じ込められ、脱出を懸命に試みるというちょっとエンタメ性が増した話。お二人の仲は……!と思いながら読むも……。

●『手作りチョコレート事件』
伊原がなぜ里志を好きになったのかはともかく、里志がなぜはぐらかすのかというのはそろそろ教えて欲しいところに、この話でようやく回収が入る。
感想を述べるならば、「ウゼえ……」と。古典部シリーズ全般に言える、妙にシャレた回りくどい台詞で煙に巻かれるウザさである。
高校生の人生の葛藤と言えば、聞こえはいいかもしれないが、ただの自分の哲学に酔っているナルシストにしか見えない。
例のごとく、サクッとしたミステリー要素がある。というか、今まで里志が伊原の求愛を拒んでいたのが謎にしたミステリー。
ついでに言うと、ゲームの話は縮めて欲しい。

●『遠回りする雛』
表題作。暖かい……。暖かい終わりだなぁ。なんかもうこれで最終話って感触がしてしまうほど。ミステリー云々無しで読んでおくべき。


前作の『クドリャフカの順番』で、残念だったところが完治して元に戻った感じがする。イメージとしては、シリーズ第1弾の『氷菓』前半のようなテイストだ。
全体の感想としては、まぁ特筆して面白いところはないかなあ。というところ。
良くも悪くも青春小説。ミステリー要素はおまけといった感じ。キャラクターに魅力を感じているなら読める、そうでなければ苦痛。というところ。

個人的には、そこまで魅力あふれる作品ではないかなぁと。だが、『愚者のエンドロール』が良作なだけに、どうも捨てきれない。そんな感じである。


評価:★★☆☆☆

遠まわりする雛 (角川文庫)
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング) (2010-07-24)
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文化祭を楽しむ。


クドリャフカの順番 (角川文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷菓」を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。盗まれたものは碁石、タロットカード、水鉄砲―。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は事件の謎に挑むはめに…。大人気“古典部”シリーズ第3弾。






それだけの作品。

本作は、主観が古典部の四人で入れ替わる群像的構成になる。
個人的には前作までの折木視点に満足していたので、伏線などの具体的な理由がなければ要らないかなあ、というのが正直なところ。まぁ、ただの思い付きで変えるわけもないであろう。

しかしまぁ、前半。文化祭を楽しむ古典部四人の姿が表現されているのは素晴らしいが、ミステリー要素がとても薄い。ほぼ無い。
青春ミステリーから青春群像へと転換したのではないかと思うくらいだ。ミステリーらしい謎解き事件は前半からも垣間見えるが、本格的に解決に向かって古典部が乗り出すのは後半から。
文化祭の楽しみをとても上手く表現できているが、ミステリー部分を期待していた自分としてはスタートが遅すぎた。前作『愚者のエンドロール』にあるようないろいろな推理の検討もない。
とにもかくにも、ミステリー要素が薄く、高校生の生活を描いた青春群像の要素が強い。もとからこういう毛色を目指していたのかは不明だが、前作を読んでいると、少し残念だ。

最後まで読んだ感想。

残念。群像構成の理由も折木奉太郎が動かないため、という点が強く、あえて今までの構成から変えるほどの面白い話が待っていたわけではなかった。この構成にしたことで、たしかに各キャラの心情が如実に表れているにはいるが、それだけ。
事件についても、結末に悪い意味で唖然。キーとなるのは犯行の意図だが、この事件を起こす理由としては弱いし、学校が注目したからいいものの、注目しなかったらと思うと目も当てられない。
ミステリー要素を期待して読む人は間違いなくガッカリする作品だろう。
かと言って、青春ものとして読むにはドラマが足りないかと。文化祭の盛り上がりはとても上手く表現できていたとは思うが、それだけではつまらないというのが感想。


評価:★☆☆☆☆

クドリャフカの順番 (角川文庫)
米澤 穂信
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GOD作品!

愚者のエンドロール (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作。





『氷菓』
に始まる古典部シリーズの二作目。
今回は、文化祭用に制作された、途中で終わってしまった尻切れトンボのミステリー系映画のラストを推理する内容
我孫子武丸氏の『探偵映画』にそっくりだが、評判のよい本作はどのように楽しませてくれるのか、ワクワクしながら読んでみた。

前作、『氷菓』と違い、終始一貫して、この尻切れトンボ映画の結末の解明に尽力する長編の仕上がり。ライトな雰囲気は相変わらずで、そのくせ、『氷菓』の時以上に、読者としては推理したくなり、結末が気になる内容だった。

そして、その結末はしっかりしていて、スカッとしている。道中、読者が感じるモヤモヤとした気持ちも計算してしっかり寛解させる考えつくされたシナリオ。
トリック面は期待しすぎるのはよくない程度。「やられた!」とまではいかなかった。勘のいい人は読みながら分かるかもしれない。賛否分かれると思うが、推理が二転三転したり、伏線すべてが一つに収束する感触は完璧。
読みやすさもあり、非の打ち所が無いと思う。


評価:★★★★★

愚者のエンドロール (角川文庫)
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『氷菓』の意味を知れ!

氷菓 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。





米澤穂信氏の古典部シリーズ。以前から気になってはいたが、最近アニメ化ということもあり、どうせなら小説からかな、と読んでみた。

さて、古典部シリーズの第一作目である本作。学校内で起こるちょっとした出来事、疑問点、不思議な現象などを
折木奉太郎率いる(?)古典部が謎を解くといったストーリー。
ショートショートのような短めの区切りで、ちょっとした疑問を解き明かしていく感じはサクッと読めて心地好い。無気力というわけではなく、省エネをモットーに生きているすかした感じの主人公を筆頭に、キャラクターの個性はそこそこ立っている。

古典部とは名ばかりの日常的ミステリーな話かと思ったが、しっかり昔(古典と言うほどではないかもしれないが)の文献を交えた話も出てくる。また、ショートショートのような構成は前半だけであって、後半はしっかり一つの大きな謎を解明しよう、という流れになっていた。

読みやすく、結末も清々しい、「こんな学校生活いいなぁ」と思ってしまうちょっとしたカタルシス、と、誉めちぎりたくなる青春ミステリー。達観したような登場人物(男性陣)の性格や口調などに嫌悪感を抱く人もいるかもしれないが、そこが苦痛でないならオススメできる。
謎の解明やオチで度胆を抜くような作品ではないが、安心して読める雰囲気の良作だ。


評価:★★★★☆

氷菓 (角川文庫)
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