可愛かったので、つい……
内容(「BOOK」データベースより)
古式ゆかしき装束を身にまとい、美少女探偵・御陵みかげ降臨!因習深き寒村で発生した連続殺人。名探偵だった母の跡を継ぎ、みかげは事件の捜査に乗り出した―。
買ってしまいました。
昨年の『このミステリーがすごい!』でも高評価を獲得していたという点も強い。
隻眼の少女。ううむ、実に胡散臭いファンタスティックな名探偵だ。
表紙の美少女モデルの采配は、グッジョブ! と言いたい。
非常に分厚い本で、小さめの文字。これは、
値段相応のなかなかのボリュームだ。と読み始める。
いきなり、隻眼の少女にまつわる家系の話やら、活躍の話に始まり、取っ付きから設定の説明かと思うのもつかの間、すぐに事件が起き、物語に引き込まれる。
伝承と因習渦巻く寒村での一件は、金田一を彷彿とさせる探偵小説の王道と思われる。登場人物が多く、物語を把握できるかどうか不安だったが、本格的に推理しながら読んでいくつもりもないので、楽しむ分には何の問題もなかった。
しかし、そんな探偵小説の王道かと思われた本書。第一部『一九八五年・冬』と第二部『二〇〇三年・冬』に分かれているのだが、
第一部はごくごく普通の探偵小説。第二部に入ると、「お? どうなるの?」という展開を見せる。
そして、結末は素晴らしい。「そういうことか!」と思わせる展開。
意外性、整合性を納得させる結末で、「普通の探偵小説だな」という気分のまま終わらせてくれない良い小説だ。
だが、意外性、整合性は納得できても、妥当性で納得できるかは別問題。
「なんでそんなことするの?」という思いは少なからずあるので、そこが欠点か。
伝承と因習あふれる村での典型的な連続殺人事件の裏にはいったい何があるのか。この小説は一見の価値ありだ。
なにより、表紙のイメージモデルの女の子がいいっすね。ドラマ化の際には是非(笑)
評価:★★★★☆