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深い


内容(「BOOK」データベースより)

最後の貴族である母。私生児の母になり、古い道徳とたたかって生きようとするかず子。麻薬中毒によって破滅する直治。飲酒にふけるデカダン作家の上原。4 人の宿命的な生きざまが夕陽のような輝きを放つ太宰文学の集大成。



描写が深い。
初めの方の蛇の話を読んだだけで、やはり文才に恵まれた方は違うな、と実感する。
また、その表現力で描かれた、母を思うかず子の姿がとても印象的で、感情移入してしまう。

携帯メールによる短文での交信が主流の現代社会だが、この作品に出てくるような手書きの長い手紙を送ったりすることも趣深いな、と思ったり。いつでも気軽に送るわけではないし、一度送れば返事をまたしばらく待つことになる手紙という通信手段では、メッセージに込める思いや、こういう事を書こうという意思が強く表れるなぁ、とか。
そんなことをしみじみと思ってしまった場面もある。

一方、当時の感覚なのか、一文一文が長い。のは、わかりやすいので問題ないのだが、場面転換が急で困ることがある。
私の読解力が悪いのだが、何となく読んでいると、いつの間にか話が脱線していて、本筋を忘れてしまいそうになる。
言葉遣いや知らない文化(索引が付いている)などの感覚もあるが、少し現代作品との差を感じずにいられない。もちろん減点対象ではないが。


内容。
斜陽というタイトルが暗示する言葉の意味を深く刻んだ作品だな、というのが読み終えての感想。
登場人物の破滅や凋落、だけに留まらず、斜陽の鮮やかなコントラストを思わせる人生の顛末が見事に表現されている。
名著として名高い素晴らしい作品。
自伝色が強かった『人間失格』に比べ、しっかり物語で『斜陽』を見せる表現力豊かな本作はまさに名作。


評価:★★★★☆

斜陽 (新潮文庫)
「斜陽 (新潮文庫)」
 [文庫]
 著者:太宰 治
 出版:新潮社
 発売日:2003-05
 価格:¥ 340
 by ええもん屋.com
 
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作者の心痛が伝わる作品


内容(「BOOK」データベースより)
「恥の多い生涯を送ってきました」3枚の奇怪な写真と共に渡された睡眠薬中毒者の手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていました。無邪気さを装って周囲をあざむいた少年時代。次々と女性に関わり、自殺未遂をくり返しながら薬物におぼれていくその姿。「人間失格」はまさに太宰治の自伝であり遺書であった。作品完成の1か月後、彼は自らの命を断つ。



作者なりに苦しんだ結果、遺書としてこの作品を残したとしか考えられない。
主人公と作者を重ね合わせて読むと、一層悲愴感が漂う。

彼の考えていることは、私たち人間全員にも少なからず当てはまる。
人間は皆、少なからず道化ているだろうし、少なからず自分の嫌な部分を持っていて、それを見ぬ振りをしたり、妥協したりするのではないだろうか。

作者はきっとそれが許せなかった。そんな自分が許せなかったのだろう。
考えれば考えるほど、突き詰めれば突き詰めるほど、自分を追い詰める結果になるのはわかる。
自分にもそういった経験があるからだ。

作者の心中を理解すると共に、この小説がただの小説ではない作品であることを実感する内容でした。


センチメンタルな内容だけに、私的感想もこんなになりました。

雑感としては一世代前の作品の割に読みやすいし、理解しやすい。名著として扱われているのも頷ける。
太宰は十代に読め、とか聞きますが、たしかに思春期に読めば一層心に残る作品ではないか、とも思う。

小説と言うより、自伝の色が強いので、その辺が好みの分かれどころか。


評価:★★★☆☆

人間失格 (集英社文庫)
「人間失格 (集英社文庫)」
 [文庫]
 著者:太宰 治
 出版:集英社
 発売日:1990-11
 価格:¥ 270
 by ええもん屋.com
 
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