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これはガッカリ・・・・・・。


ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件
内容紹介
「死体が見たいから、刑事になったに決まってるでしょ!」
『死亡フラグが立ちました!』の著者、待望のユーモア・ミステリ!
静岡県浜松市で、生きたまま次々と焼き殺されるという残虐な連続放火殺人事件が起こる。中部警察の代官山脩介らは、事件解決に奔走するが、その捜査本部に県警から一人の女がやってきた。黒井マヤ、25歳、すこぶる美人。一瞬見ほれる脩介だったが、マヤは一筋縄ではいかないどんでもない女刑事だった!サディスティックでワガママ放題なマヤは、相棒になった修介を罵倒しまくり、殺人現場では「死体に萌える」ばかりで、本気で真犯人を見つけようとしない。さらに、事件の被害者は、元ヤクザ、詐欺師、OL、主婦、歯科医など様々で、何の共通点もなく、捜査は難航する。そんな中、脩介はマヤの奇行に振り回されながらも、被害者の間で受け渡される「悪意のバトン」の存在に気づくのだが――。傑作ユーモア・ミステリ!



『死亡フラグが立ちました!』
でデビューしたことで有名(?)な七尾与史氏の新作。前作『失踪トロピカル』よりはコミカルなイメージを受ける。シリーズ化を狙った雰囲気で、作者のヒット作誕生への模索を感じる。
舞台は浜松。作者の出身地ということもあり、取材するまでもない詳しい土地鑑を感じる一方、ちょっとした宣伝ぽいフレーズが何度かある。地元を愛する気持ちもあって、この舞台で書いたのかもしれない。

『ドS刑事』というタイトルなこともあり、ドSな美人刑事に焦点が当たるキャラクター小説のような出来。ということもあって、結局物語の面白さに不可欠なのはキャラクターの魅力となる。サディスティックで自己中心的な刺々しい発言が目立つ彼女にイマイチ魅力を感じないなぁ、どうせ最後にデレデレしていわゆるツンデレとかだったらありきたりすぎるよなあ・・・・・・と要らぬ心配をしながら読み進める。

今作も今までのこの作者の作品同様、伏線をちりばめて、はっとさせる結末に持っていくパターンではなく、展開重視のエンタテイメント小説。どんどんぐいぐいスピーディにサラッと読める。副題のように、『風が吹く』から『桶屋が儲かる』という例えの通り進行していく作品だ。
その一方、先述したキャラクターの魅力が個人的には残念。ただの口の悪いお嬢様気質の刑事にしか見えず、ただ者じゃないと思わせるオーラどころか、人並み外れた慧眼を持ち合わせている様子もあまり見受けられない。その割、笑い方が気持ち悪い、かわいげがないというキャラクター一辺倒なため特別ウラを感じるところもない、といった読者の期待を悪い意味で裏切っているというか、期待すること自体間違いだったというか。とにかく私には受け付けられなかった。
そもそも、ドS刑事に焦点がイマイチ当たりきっていないような、モヤモヤした進みだった。

また、ストーリーも単調気味。連続殺人事件というものは、大方犯行が謎めいているものだが、今回は容疑者が謎なだけ。『前回の事件と同じような手口』というくらいで済まされる単調な事件概要の表現も相俟ってか、事件自体に興味が沸かなかった。数を重ねるごとに、少しずつ事件がわかってくるような材料も乏しい(もちろん全くないわけではない)ため、『殺人→警察が困る→また殺人→また警察が頭を抱える→また殺人→(略)』という構図になっている。ドS刑事黒井マヤと代官山脩介のホームズ役もワトソン役も手がかりをつかむ様子もなく、名推理や捜査の勘を仄めかすこともなく、新たな謎が広がったりする様子もなく、正直つまらない単調具合。
真相面でのサプライズも乏しく、読み終えてもなおキャラクターの魅力を感じることはなかった。作風もコミカルでもシリアスでもないような中途半端な印象で、ラストも無理矢理王道展開に持っていった感じがして、そこまでの過程が疎かなため説得力に乏しいと思う。
犯行の動機や必要性、犯人の心理描写もイマイチな印象で、某エフェクト言いたいだけなんちゃうかと・・・・・・。

次回作が出ても買わないだろうという失望感があったので容赦なく評価は低いです。値段も酷い・・・。


評価:★☆☆☆☆

ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件
「ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件」
 [単行本]
 著者:七尾 与史
 出版:幻冬舎
 発売日:2011-08-04
 価格:¥ 1,575

 
 
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疾走感あふれる失踪


失踪トロピカル (徳間文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
迷子の親探しにいったまま、奈美が戻ってこない―誘拐か?旅行先で国分は青ざめた。空港や観光街で撮ったビデオに映る、奈美に視線を這わす男。予感は確信に変わった!国分は奈美の兄マモル、探偵の蓮見と手分けして探し始めた。事件の糸口を掴んだ蓮見は二人に連絡を取ろうとするが…。蓮見の行方、マモルの決意、国分に迫る影、奈美の生死は?息つく間もないシーンの連続。





なんちゃって。

『ノンストップジェットコースター・スリラー』とあるように、止まらないドキドキのサスペンスに仕上がっている本作
タイの町並みや文化をよく表現していて、その良いところ悪いところの特徴を活かす舞台設定はなかなか惹きつけられる。なかでも、問題となるのは主に裏社会方面。
バンコクのバの字も知らない私には、「こんな危険なことが都市伝説とは言え囁かれているというのか?」という恐怖が植え付けられる。(まぁ、タイに限った事じゃないが)

主人公やその知り合いたちは、誘拐された恋人の奈美を探しているうちに、この危険な社会の闇に飛び込まざるを得なくなったというストレートな展開だが、これがまた面白い。
前作『死亡フラグが立ちました!』もそうだが、ハードボイルドで都市伝説的な風味を混ぜるサスペンスが著者の好みなのかもしれない。前作のコミカルな感じを一切排除し、グロテスクな描写も遠慮無く使う緊張感あふれる作りは、「こんな感じの小説も書きたかったんだぜ」という著者のアピールを感じる。

話はスリリングではあるが、だいたい予想できてしまい、残念……と書こうとしたが、案外そうでもない。終盤の展開は少し斜め上を行っていて、真正直に誘拐問題を解決して終わるだけではない様子になる。その工夫は賞賛したい。こうでなければ、スリリングな展開も予測可能なマンネリになって、スリルを感じなくなるというものだ。

だが、ノンストップジェットコースター・スリラーの売り文句こそ裏切らないが、なんというかスッキリさっぱりしない終わり方だなあ、と。著者はきっとこういう余韻を残した終わり方が好きなのだろうが、もう少し綺麗に締めくくっても欲しかったりする。
読者にとって想像を駆り立てられる終わらせ方にしたようだが、結局「こういうことなんだな」と思うしかないんじゃないかなあ。私の想像力が欠如しているのかもしれないが、1パターンしか考えられない。
そんなこともあって、結末部(第十章)は、この視点よりも、純粋に第九章と同じ視点で含ませずに進めた方が私は好きだったかな、なんて。それに、この展開だと「無理だからやめとけ」ってなりますし(笑

とまぁ、読んでない方にはさっぱりな感想を晒しましたが、
ハラハラドキドキするわりにカタルシスに乏しいスッキリしなさがあった、というのが総観。

生意気言わせてもらいましたが、面白かったのは確かです。
グロテスクが苦手な方は読まない方がよさそう


評価:★★★☆☆


失踪トロピカル (徳間文庫)
「失踪トロピカル (徳間文庫)」
 [文庫]
 著者:七尾 与史
 出版:徳間書店
 発売日:2011-02-04
 価格:¥ 600
 

 
ザ・B級コメディ。だが、それがいい!


内容(「BOOK」データベースより)

“「死神」と呼ばれる殺し屋のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺される”。特ダネを追うライター・陣内は、ある組長の死が、実は死神によるものだと聞く。事故として処理された彼の死を追ううちに、陣内は破天荒な天才投資家・本宮や、組長の仇討ちを誓うヤクザとともに、死神の正体に迫っていく。一方で、退官間近の窓際警部と新人刑事もまた、独自に死神を追い始めていた…。第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。

【死亡フラグ】とは、漫画などで登場人物の死を予感させる伏線のこと。キャラクターがそれらの言動をとることを「死亡フラグが立つ」という。



上手いなあ。と思う。
死亡フラグというスラングのわりに、市民権を得つつある言葉をタイトルに盛り込む点はもちろん、凶器がバナナの皮?といったミステリー史上稀に見る(?)謎のトリック
着眼点と惹きつけ方がしっかりしていて、いい意味で媚びている。
私にとって、これは発売前からチェックせざるを得ない作品だった。

表紙のデザインからも読み取れるが、なかなかコミカルな仕上がりと言える。
しかも、B級コメディ。これも間違いなく狙ってやっている。

死亡フラグという、言うなれば『あるあるネタ』を小説に昇華させただけに、ところどころに面白いくらいの死亡フラグがちりばめられている。
その一方、死ぬ原因は、バナナの皮?なんて言う謎の事故死のようなもの。
しかも、『死神』という都市伝説級の胡散臭さあふれる犯人を追うところがまた真相が気になって気になってつい読みふけってしまう。


本書は、このミスの隠し玉として刊行されたわけだが、応募段階よりも半分くらいの原稿量になっているらしい。
そのかいあってか、間延び感はなく、サクサクと読めるライトな仕上がりである。
しかし、ラストはちょっと駆け足過ぎじゃないかなあ、とも思った。
まぁ、こんなラストの投げやり気味なB級感もなかなか笑えるところだ。
「くだらねえ~」と言うのも誉め言葉になりそうな。


この狙ったくだらなさは、間違いなくウリであり、ハマる人は間違いなくハマる。
なかなかオリジナリティを確立できているので、またファンも付きやすいんじゃないかなあと思う。
実際、この作品には、作品だけでなく、著者の魅力も感じられる気がする。
もし、七尾与史氏の新作が出るとなれば、即手を出す気でいるあたり、私もすでにファンなのかもしれない。


余談だが、著者はこの作品が刊行される前、作品を応募する前、プロットを立てるあたりから、ブログで進捗状況などを書いている。
興味がある方は是非ご覧ください。


死亡フラグが立つ日記by77044
http://blog.goo.ne.jp/sigmarion3_user


評価:★★★★☆

死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)
「死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)」
 [文庫]
 著者:七尾 与史
 出版:宝島社
 発売日:2010-07-06
 価格:¥ 580
 by ええもん屋.com
 
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