板に付いてきた
内容(「BOOK」データベースより)
8月31日。一方通行はその日、路地裏で不思議な少女と出会った。そいつは、どこかで見た顔で―。御坂美琴はその日、学生寮の前で男子生徒からデートに誘われた。そいつは超さわやかなヤツで―。上条当麻はその日、自宅で不幸な一日の始まりを感じた。なぜなら、夏休みの宿題を全くやっていないことに気づいて ―。8月31日。学園都市の夏休み最終日。それぞれの物語が幕を開けた―!鎌池×灰村コンビが放つ大人気学園アクション第五弾登場。
さて、人気未完結ラノベは刊行が続くので、読書に費やす時間の関係上どうしても積む形になりますが。久々にこのシリーズを読み進めました。
正直、表紙の絵を見ただけで吹くんですけどw
本5巻は短編集の形。 今回は主観が主人公であろう上条当麻に限られない。その点、今までとは違ったテイストを味わえる。
前巻からまた一つ創作の腕が上がった気がする。これまでのストレートに書き綴られていた、重複気味な表現よりも文章を使った演出に目がいく。
内容はと言うと、主観が変わったことで、おきまりの展開を脱却した点もあり、読んでいて味が出てきた。
また、以前登場した一方通行(アクセラレータ)が主観視点となるものでは、3巻では明かされなかった事実や彼の心境が描かれ、ストーリーに深みが増した。また、彼にはカリスマ性を感じたので、読み進めることに苦にはならなかった。
『甘さ』と『優しさ』、人を救うことなどの倫理観と心情の描写、葛藤が丁寧に描かれている。
専門用語の応酬にはついていけないところがあるが、この巻まで読んできたならば大方理解できるだろう。
短編をならべたのはよいが、その並べた順序がいささか不自然。
小休止に一つの短編が置かれているような、ぶったぎった構成をしていると思う。
各短編は時間軸がほぼ同じで、一方通行がこうしていた時上条当麻はこうしていた、といった構成だったのだろうが、ザッピング形式というわけでもなく、互いの行動が影響して交差するストーリーというほど関わる部分はあまりなかったので、この構成にした利点は薄いのではないだろうか。
うん、普通のラノベ、かな。
評価:★★☆☆☆