人生とは何か
内容(「BOOK」データベースより)
福本ワールドから現実社会へ、禁断のメッセージ。
ギャンブル漫画の巨匠、福本伸行氏の作品内で語られる魂のこもった名言を、丁寧な解説とともに書き連ねられているこの本。
どういった状況で、その台詞を吐いたのか、といった原作を読んでない人にも分かるような配慮もなされている。ただ、その部分は特に読まなくても伝わる内容とも思う。
映画化されたカイジを意識したのか、このタイトルはちょっとダサい、というか陳腐な印象を受ける。
その内容は、下手な自己啓発本よりも魂に響く内容。
将棋やスポーツなどでの印象的な出来事、現在活躍中の有名人や歴史的著名人の名言、故事などを引用した説得力ある解説文が舌を鳴らさせる。
「漫画という空想、ギャンブルというくだらないもの、で語られることなど聞く価値も無い」
などと、宣う頑固な方は是非考えを改めて欲しい。
ギャンブルに身を投じたことのある人間なら、共感できる点は非常に多いと思う。
『自分の決めたルールを守れるかどうかが全てだ』といった風に。
また、人生がつまらない、自分は駄目だ、などと人生に行き詰まった人は読んでみてほしい。
明日、いや今日この時から自分がやるべき事の方向性くらいは見つけられるかもしれないし、自分の治すべき点も見あたるかもしれない。
私自身、この本を読み、
『若いうちから失敗を恐れて行動に移さないことの馬鹿馬鹿しさ』を強く実感した。
本当に駄目なのは失敗ではなく、失敗を恐れて何もしないことだろう。
本書に書かれているとおり、失敗を恐れるのは、家族など守るべきものがある老後にでもすればいいのだと思う。
ボリュームもそれなり。ただ、インパクトの薄いもの、他の台詞と内容が重複気味なものもある気がした。
最後には、漫画内ではなく、著者のインタビュー内容から取り上げられた直言もある。
常人の並べるきれい事でもなければ、偽悪的、奇抜なことを言って惹こうとする言葉でもない。
妄信的な感想になったかもしれないが、これは歴とした啓蒙書であると思う。
評価:★★★★☆