パリと言えば・・・!
内容(「BOOK」データベースより)
お盆休みにパリ旅行を計画した凛田莉子を波照間島の両親が突然訪ねてきた。天然キャラで劣等生だった教え子を心配した高校時代の恩師・喜屋武先生が旅に同行するというのだ!さらにフランスで2人を出迎えたのは、かつて莉子がデートした同級生の楚辺だった。一流レストランに勤める彼は2人を招待するが、そこでは不可解な事件が起きていた。莉子は友のためにパリを駆け、真相を追う。書き下ろし「Qシリーズ」第5弾。
表紙から察せられるように、今回の舞台はパリ。芸術関連の鑑定になるのかな、と思いながらまたトリビアの勉強がてら本書を読むことにした。
序盤。
いつの間にやら大盛況となった主人公凜田の店で、これ見よがしに披露される鑑定眼。普通の題材の小説ならば、知識自慢の嫌みたらしさになるが、万能鑑定士ともなれば、その博識に頭を下げるしかない。
その後、ひょんなことからパリ旅行へ出かけることにした凜田。それを聞いて現れたるは、故郷の父母と高校時代の恩師。彼らは学生時代の凜田の鈍くささを心配し、今では鑑定士として活躍していることも知らずに、上京してきたのだ。彼らの沖縄人特有(?)の穏やかでマイペースな人柄は思わず微笑んでしまう。
今回は、その恩師との二人旅となる今回のパリ旅行。その旅先で、事件に巻き込まれる、というお話だ。
パリの文化、町並みなどの描写は、旅雑誌を読んでいるように思い浮かび、雑学気分を味わえる。
パリといっても芸術の点での話ではなく、今回はフォアグラを巡る話。食文化についての記述が多く、いろいろな知識がつくのが本巻である。
しかしまぁ、ミステリーの面白さとしてはピンとこなかったかなぁ。残念な意味でやはりキャラクター小説。とはいえ、終わらせ方が気に入ったので、評価はこんな感じ。
評価:★★★☆☆
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