忍者ブログ
本、音楽、ゲームなどの書評、感想をネタバレしない程度に書いていきます。詳しくは『このブログについて』をご覧下さい。 貴方のインドアライフに役立てば幸いです。
プロフィール
HN:
エリシオ
性別:
男性
自己紹介:
読書とゲームと投資に明け暮れる、インドア特化型なしがない社会人
カテゴリー
リンク集
当ブログは、リンクフリーです。 相互リンク大歓迎です。 相互リンクを希望の際は helissio5963(アットマーク)gmail.com まで。アットマークは手動入力してくださいな。
ランキング
気に入ったらPlease Click!
人気ブログランキングへ
最新CM
[08/16 エリシオ]
[08/13 古宮昇]
[08/01 エリシオ]
[08/01 秋津学]
[11/22 エリシオ]
最新TB
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

聖女の救済だってぇ!!


聖女の救済 (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが…。驚愕のトリックで世界を揺るがせた、東野ミステリー屈指の傑作。






私も救済して欲しいところです。いや、特に深い意味はないけど……。

久しぶりに読む東野圭吾作品。ガリレオシリーズである。
開始30ページほどで殺人が起きるテンポの良さは相変わらず。動機は言わずもがなな容疑者には完全なアリバイがある、という状況だが、開始早々殺人のこのペースで、約400ページもある本作にどのような展開が待っているのか、不謹慎ながらわくわくである。

ただの殺人事件とその解決と言うだけでなく、捜査の障害たるものが本書には存在する。
それは、刑事草薙が、十分な動機をもちうる妻に恋をしていることだ。彼女には鉄壁のアリバイがあるので、犯人ではないと信じたい草薙の贔屓目が捜査を妨げるということで、ガリレオこと湯川学の登場である。

推理小説の定跡的に、これで妻が犯人じゃないなんてことは、叙述トリック的なものじゃないとありえないだろ、と考えながら、漠然と推理しつつ読み進めていった本作。
最近私は、ミステリーといってもライトな雰囲気のものばかり読んでいたので、東野圭吾氏の本格推理系は別の面白みがあり、入り込んでしまった。

そして、結末。
ややネタバレかもしれないが、恋する草薙と冷徹なガリレオのそれぞれ違った観点からの捜査が事件解決に意外な形でつながる。
トリックは意外とまではいかなかったか。ごり押しな感触。読んでいる途中で、正確にとまではいかずとも何となく勘付いた説が正解だったので。
ただ、人間の心の描き方や理論派の探偵ガリレオの思考法は「さすが!」と言いたい
そして、やはり読後にタイトルに帰結する感触は、完成度の高さを物語る

『容疑者Xの献身』と比べると、見劣りする。というのが私的な感想である。


評価:★★★☆☆

聖女の救済 (文春文庫)
聖女の救済 (文春文庫)
posted with amazlet at 12.05.28
東野 圭吾
文藝春秋 (2012-04-10)
売り上げランキング: 107
PR
人情味あふれるドラマ


内容(「BOOK」データベースより)

日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が…」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。



東野圭吾の刑事加賀恭一郎シリーズだが、今回は章ごとにオチがある仕上がりをまとめて、一つの事件全体を捉える形式になっている、いわゆる短編集。それぞれの短編ごとに舞台となる日本橋の町中で様々な人物を聴取するのだが、うたい文句にもあるように『人情』という名の謎が立ちはだかる。それを物の見事に解いてみせる加賀の観察力や捜査力、賢さが本書の見所である。

雰囲気はまさに江戸を舞台とした時代ものを思わせるテイスト。時代こそ現代だが、人と人との繋がりは深く、人情が加賀の捜査を攪乱する。とは言え、捜査が難航するというだけの話ではなく、それぞれに人と人との深い繋がりや思いやりを感じ、その人情に思わず目が潤む場面もある。その点も評価されてのドラマ化なのだろうか。ただの事件捜査の刑事物というわけではないのが今作の特長であろう。

ただ、事件解決の謎解き的なものを期待して読んでいると、事件とは関係の薄い人物の話を聞くという点でやきもきするかもしれない。読みながら、次の短編の登場人物の性格や背景を覚えたところで、使い捨てなんだろうなぁ、と思ってしまう。
とりあえず一期一会の思いを持って読んでいくと後々楽しめることにはなる。

本格推理小説やサスペンス、ミステリーと思って読むとがっかりするかもしれないが、柔軟に「どんなジャンルでも面白ければOK!」と言える人は読んでみるべし。心暖まる内容が待っているはずだ。

しかしまぁ個人的には中途半端な感じがしてならない。
人情味にあふれるストーリーを期待するならば、短編集であることが足かせとなってか、後半もそういう展開なんだろう、という予測が出来、最後の章でものすごい山場と感動が待っているわけでもなかった。
ミステリー、推理ものを期待して読むならば、刑事の捜査が地味な積み重ねであるというリアリティがもっさりした展開になっていて、事件の解決や捜査の進展を楽しむにしては展開が遅い。かと言って、技巧を凝らして伏線を張っているというほど驚く内容でもなかった。


結論は、小説を読むよりドラマを見た方がよかったんじゃないかなあ、と。(私はドラマを視聴していないが)
ドラマ向きな話というのもあるが、私の好みではないという点が大きいかもしれない。

ただ、加賀刑事シリーズのファンとしては、加賀刑事の慧眼を拝むに持って来いの作品だと付記しておこう。


評価:★★☆☆☆

新参者
「新参者」
 [単行本]
 著者:東野 圭吾
 出版:講談社
 発売日:2009-09-18
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com
 
わからねえよ!


内容(「BOOK」データベースより)
婚約中の男性の自宅に突然現れた一人の女性。男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺をはかった。男は自分との関わりを隠そうとする。醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。事件の鍵は女が残した毒入りカプセルの数とその行方。加賀刑事が探りあてた真相に、読者のあなたはどこまで迫れるか。



とりあえず殺人が起こる前まで。
殺される男が周りから恨まれるクズ人間であることの説得力がありすぎて困る。
周りの誰に殺されても文句は言えないほどの、まさに四面楚歌の状況でついに命を落とす。
ここまでで3分の1ほどの文量だが、これほどまでにクズな人間を上手く表現できたなあ、とそこに尊敬してしまう。

そして、それからは推理タイムが始まる。

複数の容疑者側の視点で話が進み、犯人の視点では上手く事実を隠している。言うまでもなく、地の文で嘘をついていたりはしていないフェアーな推理小説である。

しかしまぁ、難しい。自分には到底真相にたどり着けない。
今回も以前読んだ『どちらかが彼女を殺した』同様、犯人は明記されていない。
巻末の推理の手引き(袋とじ)を開いても、結局誰?という推理能力がない私。
今更ながら、書評と言うにはおこがましく、ただの読書感想サイトだなぁ、と我ながら思ってしまう。

犯人の推理もさることながら、登場人物の愛憎の形もろくに把握できていない気がする。
たとえば、美和子(服毒自殺を図った女)が、なぜ殺される男のようなクズと結婚する気になったのか、など。

しかし、ネタバレサイトを覗かせていただいて犯人を確認するも、どうもすっきりしない点がある。
文庫版で犯人を変えたことが原因なのだろうか。
とにもかくにも、自分の読解能力では評価を下すのはおこがましい作品だなぁ、と。


評価:★★★☆☆

私が彼を殺した (講談社文庫)
「私が彼を殺した (講談社文庫)」
 [文庫]
 著者:東野 圭吾
 出版:講談社
 発売日:2002-03-15
 価格:¥ 730
 by ええもん屋.com
 
二者択一の本格推理小説


内容(「BOOK」データベースより)
最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の“現場検証”の結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。



そういえば、ミステリー好きな癖に東野圭吾氏の作品は『容疑者Xの献身』しか読んでいないな、と思って、手に取ったこの本。まぁ、タイトルで見事にやられた。
もう初めから、容疑者は二人に絞られていて、それを推理してみろ、という挑戦的な内容。
自分で推理するような生粋の推理小説好きではないのだが、このシンプルな感じに惹かれ読んでみた。


先に、結論。
犯人は最後まで明かされません。
しかし、文庫版には推理に手引き袋とじが付いているので、推理なんて無理っす!犯人を知りたい!という人にも、ぴったり。
ただ、その袋とじにも犯人は明記されていません。
正直、袋とじがないと、あまりに難易度が高い……。


さて、内容。
ストーリー面のネタバレは、もはやネタバレと言えないほどシンプル。いや、本の裏表紙に書かれているあらすじ(上記bookデータベース)だけで、ストーリーは全てと言ってもいいくらい。
読んでいるうちに、「これ、結局共犯というか、動機や方法が割れてるから、どっちが犯人でも大差ないよなあ。つまらないんじゃないかな?」なんて血迷ったこともありますが、種明かしの段階でその考えは吹き飛びました。

複雑に絡む証拠合戦に、もう少しで二人のうちどちらが犯人か分かるというところまではいくが、決定的な証拠がなくて決められない。そんなもどかしさにページをめくり続けてしまう。

推理好きなら名作と言えるのではないだろうか。無駄な要素を省いて推理に焦点を当てた名作だ。

自分で推理してやる!という意欲がない自分には、もう一つ「あぁ!そんなことが!」っていうような決定的な見落としみたいな証拠が欲しかったかなあ、なんて。


評価:★★★★☆

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)
「どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)」
 [文庫]
 著者:東野 圭吾
 出版:講談社
 発売日:1999-05-14
 価格:¥ 620
 by ええもん屋.com
 
よくこんなの思いつくなぁ


内容(「BOOK」データベースより)
天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを 知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初 の長篇、直木賞受賞作。



数学にしか興味の無かった男が隣人に恋をした。
そんな中、その隣人は元夫を殺してしまった。
その相手をかばうために、事件の隠蔽、完全犯罪を目論む。



東野作品に一冊も触れていなかった私に、友人が勧めてくれた一冊。
正直、感謝ものです。


スピード感がすごい。読んでいてスラスラと。逆をいえば、心理描写などが薄いかもしれないけれど、不足している、と気になるほどではない。

数学好きの男が主体なのだが、数学とストーリーとの絡め方もすばらしい。
こじつけ感がないことはもちろん、男の心理面、行動原理にきっちり結びついている作り込み。

結論もすごい。読者が推理できる仕様じゃない、などと批判もあるようだけど、
推理しよう、と思って読む人間ではない私には「うおお・・・マジか・・・」と普通に感激してしまった。


傑作じゃね? と思う。

評価:★★★★★

容疑者Xの献身 (文春文庫)
「容疑者Xの献身 (文春文庫)」
 [文庫]
 著者:東野 圭吾
 出版:文藝春秋
 発売日:2008-08-05
 価格:¥ 660
 by ええもん屋.com
 
Copyright © めざせインドアマスター All Rights Reserved
Powered by ニンジャブログ  Designed by ピンキー・ローン・ピッグ
忍者ブログ / [PR]