ぶっ飛んだデビュー作だなぁ
内容(「BOOK」データベースより)
愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。第29回小説推理新人賞受賞。
大ざっぱに言うならば、娘をクラスの生徒に殺された担任教師の復讐。
総じて感じた陰鬱な雰囲気だった。
事件に関わった様々な人間の、厭み、憎しみ、怒り、戸惑いを帯びた独白で構成された作品。
人によっては嫌悪感で胸焼けを起こすかと思いますが、私は、この空気は大好きです。
全体の雰囲気も印象的だが、驚いたのは読みやすさ。
こんなに、あっという間に読み終えた小説は久しぶり。
内容が面白く、ぐいぐい引きつけられたのもあるが、文章の作り、告白形式のなかでも、読者に伝わりやすい構成を作っていることが伺える。
告白を通して真相を知っていく上での衝撃。
この先何が待っているのかわからないスリル。
登場人物に感情移入することで一層高まる恐怖、憎悪、不安といった様々な思い。
詰まっている。詰まっているわりに、読みやすい。
それぞれの登場人物の裏側、思想、行動理念、の作り込みと表現力。
それを物語上で操る力は、鳥肌もの。
告白形式で進むストーリーは、斬新ではないだろうか。
ミステリーというよりも、私としてはひとつの悲劇として読ませていただきました。
気になった人は是非読んで欲しい。
評価:★★★★☆
「告白」
[単行本]
著者:湊 かなえ
出版:双葉社
発売日:2008-08-05
価格:¥ 1,470
by ええもん屋.com
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