忍者ブログ
本、音楽、ゲームなどの書評、感想をネタバレしない程度に書いていきます。詳しくは『このブログについて』をご覧下さい。 貴方のインドアライフに役立てば幸いです。
プロフィール
HN:
エリシオ
性別:
男性
自己紹介:
読書とゲームと投資に明け暮れる、インドア特化型なしがない社会人
カテゴリー
リンク集
当ブログは、リンクフリーです。 相互リンク大歓迎です。 相互リンクを希望の際は helissio5963(アットマーク)gmail.com まで。アットマークは手動入力してくださいな。
ランキング
気に入ったらPlease Click!
人気ブログランキングへ
最新CM
[08/16 エリシオ]
[08/13 古宮昇]
[08/01 エリシオ]
[08/01 秋津学]
[11/22 エリシオ]
最新TB
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

未来を読み、資産運用の失敗を防げ


サブプライム後の新世界経済~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~


内容(「BOOK」データベースより)
『日経マネー』など、マネー誌を中心に各メディアで「最も予測が当たる」と評価されるカリスマFPが教える!著者の予測が当たる理由。当たらないエコノミストの予測は、もういらない。



カリスマFPと呼ばれる所以が分かった気がした前書『サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践』を読み、一層この著者の資産運用に対する意見を聞きたくなり購入。

お金は大事。「金こそすべて」とまでは言いたくないが、それほどお金(税金等も含め)の使い道は考えられて然るべきものだ。
資産運用は一生の付き合い。それだけに、失敗は一生の失敗になる。
そう考えると、どんどん勉強したくなってしまったというのが私の現状。

章題は以下の通り。


●第1章『サブプライム問題を総括する』
サブプライム問題による資産運用の変化、特にアメリカ人の資産運用の分析と今後の方向性について述べている。

●第2章『これからの世界経済はどうなるのか?』
リーマンショック以後の世界経済の行く末を、サブプライム問題による波及効果の予想などを交えながら推測している。著者の考える対策はなかなか大胆ではあるが、結局世界全体が消費面で萎縮する元凶を絶った後は、自分たちのお金で元の状態に戻すよう手助けするしかないのだろう。
また、GDP(国内総生産)に加えてGDH(国内総幸福)といった新しい指標を設けるべき、という主張はなかなか面白い。

●第3章『なぜ、エコノミストの予測は当たらないのか?』
エコノミストの分析には、ほとほと呆れかえるばかりという人は多いだろう。私自身、エコノミストの言っていることのむしろ逆の方が当たるとか、エコノミストとか所詮後付けで理論を述べてるだけ、といった印象は捨てられない。著者なりに、なぜエコノミストの予測がこんなにも駄目なのかを解説している。

●第4章『経済予測力の磨き方』
ここでは、章題の通り、経済の大局観を養うためにどうすればよいかを述べている。基本的に、著者の培ってきた3つの学問、歴史学、心理学、哲学の観点で教授する。なんか自分がその力でリーマンショックを当てたんだ、という少し盲目的自己顕示にも捉えられる気がする。

●第5章『資産運用に失敗しない金融機関の選び方』
ここでは、金融機関の現状を示し、読者に警鐘を打つ。
実際問題、この章に書かれている内容で損をしている人間が大半だというのは容易に想像できる。預貯金・投資信託など、著者が考える資産運用の正しいあり方を示すとともに、オススメの金融機関を記した重要な章である。
また、以前読んだ同著者の『サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践』におけるFXに対する表記の補足がされており、私が当サイトで指摘した疑問は払拭された。きっと多くの読者から同じ指摘を受けたのだろう。

●終章『日本経済復活への政策』
年金、国債、雇用、絶望的な経済状況の日本が復活するにはどうするべきかを著者なりに説く。自分(の生きている時代)がいかに不幸で、政府がいかに駄目で、自分でできることがどれだけたかが知れてるか分かってしまうだけにこういった内容は敢えて耳にしたくない。


経済予測力を磨くという点では微妙な印象があった。たしかに金融工学や経済学、金融機関を妄信しているのが駄目だという点は勉強になったが、歴史学、心理学、哲学に邁進して、総合的に判断せよ、と言われても「それってどうなの?」という気分になる。
ただ、それよりも著者の的を射ている様々な意見や嗅覚には驚くばかりだ。

投資信託関連の書籍を読了した自分としては、本書の内容は少し困ってしまう。
著者はこれらの本の主張をどう捉えているのだろうか。
たしかに、手数料・信託報酬は問題ではあるが、それだけ運用をする手間・時間・考えるストレスを節約しているという計算を考えれば理に適ったリターンな気もする。もちろん、儲かると決まっているわけではないのだが。


評価:★★★★☆

サブプライム後の新世界経済~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~
「サブプライム後の新世界経済~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~」
 [単行本]
 著者:中原 圭介
 出版:フォレスト出版
 発売日:2009-03-05
 価格:¥ 1,575
 
 
PR
超厚いんですけど。。。


STEINS;GATE─シュタインズゲート─  円環連鎖のウロボロス(1) (富士見ドラゴン・ブック)
STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐  円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)



内容(「BOOK」データベースより)

秋葉原の地を舞台に、狂気のマッドサイエンティスト「鳳凰院凶真」…を自称する厨二病大学生、岡部倫太郎の時空を超えた物語が始まる。過去に送信できる「Dメール」が引き起こす、原作ゲームと似て非なる世界線の目撃者となれ!―ああ、すべては「運命石の扉」の選択のままに。―エル・プサイ・コングルゥ ―。発売以来、絶賛と熱狂をもって迎えられた想定科学ADV『STEINS;GATE』が小説として再臨。








2巻完結もの。Xbox360やPCなどで発売されている原作 『STEINS;GATE』のノベライズ

原作をプレイして、寝る間も惜しむほど没頭してしまった私だが、ネットで評判が良さそうだったので小説版も購入。
なにより、原作と基本的にほぼ同じようだが、少し違った展開を見せるらしい。
1,2巻まとめての感想を述べさせていただきます。

それにしても、1巻はともかく、2巻は特に厚い。2巻だけで900ページほど。ボリュームが半端無いです。


読み始めて原作との相違に気づいた点は、まず、くどい表現を省いているという点。サクッと読めるという点はよいが、序盤のタイムトラベル理論の講義は原作では煙たかったが、小説では省きすぎていて、もっと聞きたかったなあ、という印象。原作側は映像効果もあり、設定の理解しやすさは原作の方が上になるだろう。

それに、原作をやらずに本書から読む人にはいまいち伝わらない部分も多そうだ。具体的には、主人公達がなぜここでこうしようとしていたのか、といった部分は端折って簡潔に済まされている分、展開の早さに重きを置いた構成だと思われる
といっても、原作をプレイした側にとってはありがたいことではある。
そしてそれだけではなく、原作とわざと違った展開を用意し、原作プレイ済みの読者を楽しませる工夫が見える。
全体として、ラノベらしさ輝く痛々しい表現があるのが嫌だったが、別にかみつくほどの問題点ではないので、スルーしよう。ただ、原作に増して酷い。

さて、その具体的な内容について原作プレイ済みの立場として感想を述べる。
原作と違ったオリジナル展開を見せる部分では「お! ここ違うな。ちょっとどういう事か気になる」という点があるが、結果的にはちょっと原作より(世界線を)変化させてみました、というくらいのファンサービス程度。大きく展開が変わって「やばい!気になって読むのが止まらない!」とまで思わせるほどの魅力はない。
また、展開の早さを選択した結果なのか、重要そうな部分や個人的にどういう事になっているのかな?という部分を端折られてしまった感じもある。

総観。
少し読み返してみたいという思いもあって購入したのだが、なかなか読み応えがあり、原作にも引けを取らないというか、原作を劣化させない出来であることは間違いないかもしれない。
ただ、小説という点で、音楽や映像といった惹きつける要素を削っているので、その点ではさすがに厳しい。とは言え、挿絵の入れ方は効果的で、ラストに関しては原作よりもこちらの方がより具体的な締め方だった。まぁ、好きかどうかはともかくとして。
オリジナル展開については、原作を傷つけない配慮もあってか、大胆には変動させていない。読み手によっては充分だろ、と言われるかもしれないが、個人的には残念だった。


評価:★★★★☆

STEINS;GATE─シュタインズゲート─  円環連鎖のウロボロス(1) (富士見ドラゴン・ブック)
「STEINS;GATE─シュタインズゲート─ 円環連鎖のウロボロス(1) (富士見ドラゴン・ブック)」
 [文庫]
 著者:海羽 超史郎
 出版:富士見書房
 発売日:2010-08-20
 価格:¥ 819

 
STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐  円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)
「STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐ 円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)」
 [文庫]
 著者:海羽 超史郎
 出版:富士見書房
 発売日:2011-03-19
 価格:¥ 1,029
 
20代を無為に過ごしてしまう前に……


内容(「BOOK」データベースより)

あなたの幸せを決められるのは、あなただけです!目を覆いたくなるような、人生最大の失敗を恐れない。「キャンセル待ち」をしてでも、死ぬほどの恋をする。すべてを投げ出してもいいと思えるほどの、親友を持つ。「好き」「嫌い」の感情を研ぎ澄まし、才能のかたちを知る。人生をよりよい方向へ導いてくれる、メンターを探す。





自己啓発系のあるある系タイトルとも言える本書。立ち読みで章題だけ読んで、「む、よさそうだ」と思い購入に至る。

多くを語ると、内容全部が書かれそうなので、各章ごとの感想は控えさせていただく。
200ページほどだが、行間が広くボリュームはそんなに多くはない。サクッと読めて要点を掴んで書いていると言えば聞こえはよい。

1.人生最大の失敗をする
2.大好きなことを見つける
3.一流のものに触れる
4.人生を100パーセント楽しむ
5.死ぬほどの恋をする
6.一生つき合える親友を見つける
7.両親と和解する
8.自分のルーツを知る
9.才能のかたちを知る
10.専門分野を持つ
11.メンターを探す
12.人生が変わる本と出合う
13.質問力を鍛える
14.お金と時間の管理を学ぶ
15.没頭できる趣味を持つ
16.異文化に触れる旅に出る
17.運について学ぶ


章題だけ読んで満足する人もいるかも知れないが、各々の項にそれに関連したアドバイスが多く含まれているので、それを読む意味でも購入する価値はあると思う。うまく吸収できる人ならば、この上ない良書にさえなりうるのが自己啓発本である。
なかでも、『1.人生最大の失敗をする』『8.自分のルーツを知る』『11.メンターを探す』『12.人生が変わる本と出合う』『13.質問力を鍛える』は、個人的に読後の意識に影響された部分が多い。

また、「10代、30代、40代と違って、20代はこうだ」といった記述が多くあり、20代の私にとって非常に共感できる内容だった。20代だからこそ、考えるべきことがしっかり書かれており、これからの人生の見方を変えていこうという気になる本だ。
以前読了した『ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣』と違い、きちんと同じ文化圏(の国民)に充分理解している著者の意見であるという点が個人的には嬉しかったりする。

特に嫌悪するような記述もなく、よい方向に人生を変えてくれそうな感じがした。タイトルの通り、20代に読んでおいたらいいと思わせる内容で、そういう点で評価は満点でよいと思う。


評価:★★★★★


20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)
「20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)」
 [文庫]
 著者:本田 健
 出版:大和書房
 発売日:2010-04-09
 価格:¥ 600

 
量子論をかじってみて、ワクワクしよう


「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! (PHP文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
相対性理論とともに、現代物理学のもう一つの柱といえる「量子論」。人間の構造・進化から宇宙のはじまりまで、あらゆる現象を解明するとされるこの物理法則は、我々に未知の世界を垣間見せてくれる。本書は、難解とされる量子論のポイントが一目で理解できるよう図やイラストを多数使って初心者向けにわかりやすく解説。最先端物理学の世界が手軽に味わえる画期的な入門書。




なんだかすごい世界に踏み込んだ気になれる学術入門書だ。

さて、理系学問も触ってみるか。と、本書を手に取る。
しかし、門外漢にもわかるようかみ砕いてくれているのはわかるが、それでも頭が痛くなる部分は多い。
その点を踏まえ、著者は『計算式とか専門的なものとかあるけど、わからなくていいよ。太字のところが重要だから、そこは見てて。章末に重点もまとめたから』と割り切った風に書いてある。
凡人に理解されない研究者の性を垣間見た気がして少し悲しくなる。これこそが理系学問か。

章題は以下の通り。
内容や感想を見ても、「わけわからねえよ」と思うだろうが、結局それでいいのだ。「なんだかそういうのがあるらしい」というくらいの理解は出来るし、凡人にはその程度で十分だと思われる。


●序章『量子論の世界へようこそ』

量子論について簡単に知ってもらうために、量子論を築いたボーア氏と相対性理論を築いたアインシュタイン氏、そしてシュレーディンガーの猫の三者による対談を実現させている。なかなか面白く書き記しており、アインシュタインとボーアのそれぞれの主張や思想が簡潔に理解できる。
また、素人の私には同じような扱いだった『量子論』と『量子力学』はまた違う話らしく、本書では『量子論』を扱う。

●第1章『量子の誕生』

「そもそも量子とは何か」というところからスタートする章。根幹となる「そもそも『光』が粒なのか(光の粒子説)波なのか(光の波動説)」といった議論から入り、光の媒質やその特徴を知るための実験について述べていき、どうやって量子というものにたどり着いたのかを説明している。

●第2章『原子の中の世界へ』
ここでは原子の構造の話となる。ラザフォードの原子模型から、ボーアの原子模型。それについて語る前に踏襲すべきバルマー系列、など。この章で紹介された部分は、前期量子論という欠陥の多い理論のようで、これが後に大成するらしい。

●第3章『見ようとすると見えない波』
原子を取り巻く電子、これが粒か波か、といった部分での考察の歴史を語り、シュレーディンガーの提唱した理論や波動関数の確率解釈といった部分を分かりやすく説明。最終的にコペンハーゲン解釈へ繋ぐ。机上の空論や思考実験をそのまま理論化したような、学問としてはまだまだ雲をつかむような話が続く。その点の解明は第4章以降で語られる。

●第4章『自然の本当の姿を求めて』
結局、本当の姿とはなんぞな?というのを解明する章。前章に出てきた『私たちが見ようとすると見えない波』という胡散臭い構造もここで説明される。なるほど、計算式等はともかく、大方の内容はなんとなく理解できる。

●第5章『枝分かれしていく世界』

ここでは、ご存知、シュレーディンガーの猫の思考実験から始まり、コペンハーゲン解釈や多世界解釈の考え方といった風に、SFチックなテイストになる。もはやロマンに近い。

●第6章『究極の理論へ向けて』
最終的に、量子論はどのような理論へ発展し、日常的にどういった部分で役に立っているのかを説明している部分。様々な分野で活躍しているものを短い文量でおさめたせいか、正直わけの分からない部分が多かった。第5章までは何とか付いて来られたのだが…。


量子論というだけに、理系でもない私はちんぷんかんぷんなことばかりだろうと思っていたが、案外そうでもない。著者がほどよくかみ砕き、例えや図を用いてわかりやすく説明してくれるので、頭を抱える部分こそあったが、何となく分かった気がした。
「量子論を研究する人でさえ、はっきりを量子論を理解している人はいない」といったことが本書に書かれているだけに、私みたいな素人でもこんなものでいいのだろう。


門外漢なだけに評価は困りますが、さっぱり知らない読者に対する配慮を考えるなら満点でよいかと。


評価:★★★★★

明日から見る世界が変わる!


ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
「お金の話なのに泣けた」「この本を読んだ日から人生が変わった」…アメリカ人の老富豪と日本人青年の出会いと成長の物語は、これからの人生を豊かに生きていくヒントに満ちあふれ、大きな反響を呼んでいる!「お金の法則を学ぶ」「失敗とうまくつき合う」「スピーチの天才になる」「人脈を使いこなす」「自分のビジネスをもつ」などなど、成功力がつく。




というのは言い過ぎかもしれないけれど、読者にその辺りはゆだねられる。

一時期のマーフィーの成功法則を彷彿とさせるような勢いで、書店を彩っていた本書。こういった成功の秘訣系は、内容が漠然的なイメージがあり食わず嫌い気味だったのだが、これだけ乱読家になったわけだしノリで読んでみた。
17の秘訣を章題にしている。私、ひねくれ者なこともあり、ちょっと批判的な眼で読み始めていたのだが、不覚にもいいことを書いていると思ってしまった。
金持ちになりたいという人は数え切れないほどいると思うが、そういった人達がこれを読むと、価値観や考え方の違いに気づくかもしれない。


●プロローグ『衝撃的な出会いと最初の試練』
読む前は「まぁそれはそれはよい成功者と出会って、ご教授いただいたんでしょうねぇ」と思っていたのだが、読後には「やばい、この老富豪の言ってること、リアルに俺の心に響く……」と思わせる内容だった。幸せな金持ちになるための方法論を教えることが出来ると思わせる人物だ。注意すべき点は、『幸せ』であること。

●第1の秘訣『社会の成り立ちを知る』
たしかに、このお金中心の社会を知るためには、成り立ちを知らねばならない。ここでは、自由人と不自由人という二つの種類に分け、それぞれどんな職業、生業が属するかと、その根拠を示している。その上で、幸せな金持ちの生き方を分析する。結局は、この世の中、金持ちだとしても不自由人だらけなのだが、自由人とはどんなものかを言及する。
現時点では、「無理だろ、できるなら皆やってる」と思えて仕方ない。

●第2の秘訣『自分を知り、大好きなことをやる』
もういろいろ図星過ぎて困ることばかり言ってくる。でも、「それで生きていけるほど……」と思ってしまう反面、自由人になりたい、自分の可能性を信じてみたいと思う自分もいるのだが。

●第3の秘訣『ものや人を見る目を養い、直観力を高める』
言っていることが抽象的すぎて、実践的ではない。「意識せよ」程度で受け止めるべきだ。ステップを踏むための下準備であると思うが、「これが秘訣!」として教えられたとしても、活かせるものだろうか。アドバイザーである老富豪に叱責を受けそうだが、結局は才能の問題だと思う。

●第4の秘訣『思考と感情の力を知る』
思考や感情による力が事実になる、ということだが、実際それが本当に真実だとしても、根から「俺は自分のやりたいことだけやって、生活して幸せになれる」だなんて、疑念を抱かず考え続けられるかと言われれば無理だと思う。そこまで行くともはや盲目な気もする。
精神面のレッスンはこれで終わり、と言ってあるだけに、要は精神論であり、成功しない者の訴えは「本当の意識がそう思っていないからだ」と言われ、水掛け論になるだけ。思い込みの力が世の中の見方や自分自身を変えることは重々承知だが、それで幸せな金持ちになれるかと言われると甚だ疑問。どうも好きになれない部分だ。

●第5の秘訣『セールスの達人になる』
老富豪が著者に課した『1000個の電球を売る』という試練。この試練の考え方は実に勉強になった。セールスでの成功のポイントはまさにこれだと言える。考え方を変えさせてくれるよい秘訣だった。

●第6の秘訣『スピーチの天才になる』
上手なスピーチの秘訣を教えてくれる。ページ数が少ないわりに、勉強になった。後半はスピーチと言うよりも話す内容という意味に微妙に変更されている。

●第7の秘訣『人脈を使いこなす』
章題では、なんだか人を利用するような悪質な印象を受けそうだが、これまでの流れを見てもわかるがもっとクリアな話。人付き合い、信頼できる人脈の素晴らしさを説いている。これを読んだあなたにはどの程度そんな人脈があるだろうか。私は、正直胸を張ることは出来ない。

●第8の秘訣『お金の法則を学ぶ』
おおむね同意であり、参考になり、勉強になったのだが、やはり精神論絡みでお金持ちになれたんだという点だけは納得いかない。それこそプラシーボ効果はあるかもしれないが、実際それで金持ちになれるかよ、と思えて仕方ない。また、『いい方向に金を使う』といった抽象的な言葉でごまかされている感じがしてならない
結局、何に使うべきで何に使わないべきかは自分が決めることで、そのセンスがなければ、この本でいう幸せな金持ちにはなれないということなのだろうか。

●第9の秘訣『自分のビジネスをもつ』
これまでに述べてきた秘訣と若干かぶる気もするが、ビジネスで成功する秘訣について述べている。至極真っ当なことで、儲け方で勘違いしがちな部分もしっかり書いているので、役に立つ人には役に立つ内容。ただ、そのビジネスを作られるのか、という点が一番難しいわけで。

●第10の秘訣『アラジンの魔法のランプの使い方をマスターする』
全面的に否定したい章。頭がお花畑で出来ているのだろうか。
未練たらたらのマイナス思考の時点で駄目な人間ということはわかるが、それでは誰でも出来ることを達成して満足する凡人しか生成されないとも思う。結局、この方法は、大半の人間が大したことも出来ないまま諦め続け、コンプレックスを抱き続けるとしか想像できない。それとも、ただ「身の程を知れ」ということだろうか、それならば納得がいく

●第11の秘訣『多くの人に気持ちよく助けてもらう』

良いことを書いている。ただ、この観点では、「もちろんこの老富豪の話(本書の内容)も真に受けてくださいね」ということだろうか。

●第12の秘訣『パートナーシップの力を知る』
わかっています。とてもよくわかっています。でも、僕には縁のない話です(泣)

●第13の秘訣『ミリオネア・メンタリティを身につける』
著者自身、このアドバイスには納得がいっていないんじゃないだろうか。からかわれているようにしか見えないし、「だから何?」という章だった。

●第14の秘訣『勇気をもって決断し、情熱的に行動すること』
非常にその通りだと思った。この主張は、羽生善治氏の『決断力』でも感じたことである。

●第15の秘訣『失敗とうまくつき合う』
自分なりに頑張ってみてるつもりで、「常々世の中うまく行かないなぁ」と嘆いている駄目な自分にとって、こういった成功本の最も読む気が起きるのは、『失敗』についてどう考えているか、だ。
そんな私にとっても納得のいく回答が載っているが、それ以上に『現在の自分に意識を向ける』ということが勉強になった。

●第16の秘訣『夢を見ること』
いい話だ。夢を見ることは重要だと感じさせるよい章だった。「自分はちっぽけな人間だけど、それでもこうありたい」という気持ちを起こさせるには充分なアドバイス。

●第17の秘訣『人生がもたらす、すべてを受け取る』
同じくよいアドバイスだ。だが、おおむね成功した後の想定の話なので、成功しないことには役に立たないとは言わないが、成功したときのイメージトレーニングと言い換えた方がよいか。

●エピローグ『最後の試練――ビジョン・クエスト』
最後に本書の秘訣を教えてくれた大富豪と著者との別れの時の話を書いている。


もっぱらユダヤ人大富豪の教えばかりで、著者のメッセージ性が無かったのだが、あとがきで少し書かれていたので、著者が今どう受け止めて、読者にどう伝えたいのかがわかってスッキリした。やはり、又聞きというのはどうもねぇ……。しかも、「本で読みました」程度で。

各々の項に感想の多くを記したので、個人的に頷ける部分と頷けない部分があることはおわかりいただけたと思う。本書に限ったことではないが、特に精神論の部分は「無意識で怖がっているんだ」とかいったごまかしがどうとでも効くので、あまり好きではない。悪魔の証明に近い。
おそらく、文化圏の違いによる拒否反応も含まれているだろう。

「お金の話なのに泣けた!」なんて売り文句を書いてる辺り、「胡散臭いなあ。話半分だろ」と考えていたが、その印象は少しは取り消される形になった。
たしかに、少しドラマティックに描きすぎている感じはあるが、そこはあとがきで断りを入れていた。やっぱりか、と(笑)
だが、サラリーマンとして生きてしまったがために、忘れている感覚、大事なことを思い起こさせてくれる本だった。とは言え、「別に今の平凡な人生に不満がない」「自分がたとえ不幸だとしてもそれに気づかないまま、また、慣れたままでいさせて欲しい」という人は読まない方がよい。ただの理想論としか思えないだろう。

理想論だ、と言い退ける事は簡単だが、本当に成功するためにはこうするしかないのだろう。現存、あるいは亡くなられた偉大な人物たちに当てはめると頷ける部分は枚挙にいとまが無い。
役立てるかどうかは読者次第。私は少なくともこの姿勢だけは忘れないよう心に留めておくことにした。それだけでも充分だろう。


評価:★★★☆☆

ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)
「ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)」
 [文庫]
 著者:本田 健
 出版:大和書房
 発売日:2006-02-09
 価格:¥ 680
 

 
Copyright © めざせインドアマスター All Rights Reserved
Powered by ニンジャブログ  Designed by ピンキー・ローン・ピッグ
忍者ブログ / [PR]