超厚いんですけど。。。
内容(「BOOK」データベースより)
秋葉原の地を舞台に、狂気のマッドサイエンティスト「鳳凰院凶真」…を自称する厨二病大学生、岡部倫太郎の時空を超えた物語が始まる。過去に送信できる「Dメール」が引き起こす、原作ゲームと似て非なる世界線の目撃者となれ!―ああ、すべては「運命石の扉」の選択のままに。―エル・プサイ・コングルゥ ―。発売以来、絶賛と熱狂をもって迎えられた想定科学ADV『STEINS;GATE』が小説として再臨。
2巻完結もの。Xbox360やPCなどで発売されている
原作 『STEINS;GATE』のノベライズ。
原作をプレイして、寝る間も惜しむほど没頭してしまった私だが、ネットで評判が良さそうだったので小説版も購入。
なにより、
原作と基本的にほぼ同じようだが、少し違った展開を見せるらしい。
1,2巻まとめての感想を述べさせていただきます。
それにしても、1巻はともかく、2巻は特に厚い。2巻だけで900ページほど。
ボリュームが半端無いです。
読み始めて原作との相違に気づいた点は、まず、くどい表現を省いているという点。サクッと読めるという点はよいが、序盤のタイムトラベル理論の講義は原作では煙たかったが、小説では省きすぎていて、もっと聞きたかったなあ、という印象。
原作側は映像効果もあり、設定の理解しやすさは原作の方が上になるだろう。
それに、原作をやらずに本書から読む人にはいまいち伝わらない部分も多そうだ。具体的には、主人公達がなぜここでこうしようとしていたのか、といった部分は端折って簡潔に済まされている分、
展開の早さに重きを置いた構成だと思われる。
といっても、原作をプレイした側にとってはありがたいことではある。
そしてそれだけではなく、
原作とわざと違った展開を用意し、原作プレイ済みの読者を楽しませる工夫が見える。
全体として、ラノベらしさ輝く痛々しい表現があるのが嫌だったが、別にかみつくほどの問題点ではないので、スルーしよう。ただ、原作に増して酷い。
さて、その具体的な内容について原作プレイ済みの立場として感想を述べる。
原作と違ったオリジナル展開を見せる部分では「お! ここ違うな。ちょっとどういう事か気になる」という点があるが、
結果的にはちょっと原作より(世界線を)変化させてみました、というくらいのファンサービス程度。大きく展開が変わって「やばい!気になって読むのが止まらない!」とまで思わせるほどの魅力はない。
また、展開の早さを選択した結果なのか、重要そうな部分や個人的にどういう事になっているのかな?という部分を端折られてしまった感じもある。
総観。
少し読み返してみたいという思いもあって購入したのだが、
なかなか読み応えがあり、原作にも引けを取らないというか、原作を劣化させない出来であることは間違いないかもしれない。
ただ、小説という点で、音楽や映像といった惹きつける要素を削っているので、その点ではさすがに厳しい。とは言え、挿絵の入れ方は効果的で、ラストに関しては原作よりもこちらの方がより具体的な締め方だった。まぁ、好きかどうかはともかくとして。
オリジナル展開については、原作を傷つけない配慮もあってか、大胆には変動させていない。読み手によっては充分だろ、と言われるかもしれないが、個人的には残念だった。
評価:★★★★☆
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