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20代を無為に過ごしてしまう前に……


内容(「BOOK」データベースより)

あなたの幸せを決められるのは、あなただけです!目を覆いたくなるような、人生最大の失敗を恐れない。「キャンセル待ち」をしてでも、死ぬほどの恋をする。すべてを投げ出してもいいと思えるほどの、親友を持つ。「好き」「嫌い」の感情を研ぎ澄まし、才能のかたちを知る。人生をよりよい方向へ導いてくれる、メンターを探す。





自己啓発系のあるある系タイトルとも言える本書。立ち読みで章題だけ読んで、「む、よさそうだ」と思い購入に至る。

多くを語ると、内容全部が書かれそうなので、各章ごとの感想は控えさせていただく。
200ページほどだが、行間が広くボリュームはそんなに多くはない。サクッと読めて要点を掴んで書いていると言えば聞こえはよい。

1.人生最大の失敗をする
2.大好きなことを見つける
3.一流のものに触れる
4.人生を100パーセント楽しむ
5.死ぬほどの恋をする
6.一生つき合える親友を見つける
7.両親と和解する
8.自分のルーツを知る
9.才能のかたちを知る
10.専門分野を持つ
11.メンターを探す
12.人生が変わる本と出合う
13.質問力を鍛える
14.お金と時間の管理を学ぶ
15.没頭できる趣味を持つ
16.異文化に触れる旅に出る
17.運について学ぶ


章題だけ読んで満足する人もいるかも知れないが、各々の項にそれに関連したアドバイスが多く含まれているので、それを読む意味でも購入する価値はあると思う。うまく吸収できる人ならば、この上ない良書にさえなりうるのが自己啓発本である。
なかでも、『1.人生最大の失敗をする』『8.自分のルーツを知る』『11.メンターを探す』『12.人生が変わる本と出合う』『13.質問力を鍛える』は、個人的に読後の意識に影響された部分が多い。

また、「10代、30代、40代と違って、20代はこうだ」といった記述が多くあり、20代の私にとって非常に共感できる内容だった。20代だからこそ、考えるべきことがしっかり書かれており、これからの人生の見方を変えていこうという気になる本だ。
以前読了した『ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣』と違い、きちんと同じ文化圏(の国民)に充分理解している著者の意見であるという点が個人的には嬉しかったりする。

特に嫌悪するような記述もなく、よい方向に人生を変えてくれそうな感じがした。タイトルの通り、20代に読んでおいたらいいと思わせる内容で、そういう点で評価は満点でよいと思う。


評価:★★★★★


20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)
「20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)」
 [文庫]
 著者:本田 健
 出版:大和書房
 発売日:2010-04-09
 価格:¥ 600

 
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明日から見る世界が変わる!


ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
「お金の話なのに泣けた」「この本を読んだ日から人生が変わった」…アメリカ人の老富豪と日本人青年の出会いと成長の物語は、これからの人生を豊かに生きていくヒントに満ちあふれ、大きな反響を呼んでいる!「お金の法則を学ぶ」「失敗とうまくつき合う」「スピーチの天才になる」「人脈を使いこなす」「自分のビジネスをもつ」などなど、成功力がつく。




というのは言い過ぎかもしれないけれど、読者にその辺りはゆだねられる。

一時期のマーフィーの成功法則を彷彿とさせるような勢いで、書店を彩っていた本書。こういった成功の秘訣系は、内容が漠然的なイメージがあり食わず嫌い気味だったのだが、これだけ乱読家になったわけだしノリで読んでみた。
17の秘訣を章題にしている。私、ひねくれ者なこともあり、ちょっと批判的な眼で読み始めていたのだが、不覚にもいいことを書いていると思ってしまった。
金持ちになりたいという人は数え切れないほどいると思うが、そういった人達がこれを読むと、価値観や考え方の違いに気づくかもしれない。


●プロローグ『衝撃的な出会いと最初の試練』
読む前は「まぁそれはそれはよい成功者と出会って、ご教授いただいたんでしょうねぇ」と思っていたのだが、読後には「やばい、この老富豪の言ってること、リアルに俺の心に響く……」と思わせる内容だった。幸せな金持ちになるための方法論を教えることが出来ると思わせる人物だ。注意すべき点は、『幸せ』であること。

●第1の秘訣『社会の成り立ちを知る』
たしかに、このお金中心の社会を知るためには、成り立ちを知らねばならない。ここでは、自由人と不自由人という二つの種類に分け、それぞれどんな職業、生業が属するかと、その根拠を示している。その上で、幸せな金持ちの生き方を分析する。結局は、この世の中、金持ちだとしても不自由人だらけなのだが、自由人とはどんなものかを言及する。
現時点では、「無理だろ、できるなら皆やってる」と思えて仕方ない。

●第2の秘訣『自分を知り、大好きなことをやる』
もういろいろ図星過ぎて困ることばかり言ってくる。でも、「それで生きていけるほど……」と思ってしまう反面、自由人になりたい、自分の可能性を信じてみたいと思う自分もいるのだが。

●第3の秘訣『ものや人を見る目を養い、直観力を高める』
言っていることが抽象的すぎて、実践的ではない。「意識せよ」程度で受け止めるべきだ。ステップを踏むための下準備であると思うが、「これが秘訣!」として教えられたとしても、活かせるものだろうか。アドバイザーである老富豪に叱責を受けそうだが、結局は才能の問題だと思う。

●第4の秘訣『思考と感情の力を知る』
思考や感情による力が事実になる、ということだが、実際それが本当に真実だとしても、根から「俺は自分のやりたいことだけやって、生活して幸せになれる」だなんて、疑念を抱かず考え続けられるかと言われれば無理だと思う。そこまで行くともはや盲目な気もする。
精神面のレッスンはこれで終わり、と言ってあるだけに、要は精神論であり、成功しない者の訴えは「本当の意識がそう思っていないからだ」と言われ、水掛け論になるだけ。思い込みの力が世の中の見方や自分自身を変えることは重々承知だが、それで幸せな金持ちになれるかと言われると甚だ疑問。どうも好きになれない部分だ。

●第5の秘訣『セールスの達人になる』
老富豪が著者に課した『1000個の電球を売る』という試練。この試練の考え方は実に勉強になった。セールスでの成功のポイントはまさにこれだと言える。考え方を変えさせてくれるよい秘訣だった。

●第6の秘訣『スピーチの天才になる』
上手なスピーチの秘訣を教えてくれる。ページ数が少ないわりに、勉強になった。後半はスピーチと言うよりも話す内容という意味に微妙に変更されている。

●第7の秘訣『人脈を使いこなす』
章題では、なんだか人を利用するような悪質な印象を受けそうだが、これまでの流れを見てもわかるがもっとクリアな話。人付き合い、信頼できる人脈の素晴らしさを説いている。これを読んだあなたにはどの程度そんな人脈があるだろうか。私は、正直胸を張ることは出来ない。

●第8の秘訣『お金の法則を学ぶ』
おおむね同意であり、参考になり、勉強になったのだが、やはり精神論絡みでお金持ちになれたんだという点だけは納得いかない。それこそプラシーボ効果はあるかもしれないが、実際それで金持ちになれるかよ、と思えて仕方ない。また、『いい方向に金を使う』といった抽象的な言葉でごまかされている感じがしてならない
結局、何に使うべきで何に使わないべきかは自分が決めることで、そのセンスがなければ、この本でいう幸せな金持ちにはなれないということなのだろうか。

●第9の秘訣『自分のビジネスをもつ』
これまでに述べてきた秘訣と若干かぶる気もするが、ビジネスで成功する秘訣について述べている。至極真っ当なことで、儲け方で勘違いしがちな部分もしっかり書いているので、役に立つ人には役に立つ内容。ただ、そのビジネスを作られるのか、という点が一番難しいわけで。

●第10の秘訣『アラジンの魔法のランプの使い方をマスターする』
全面的に否定したい章。頭がお花畑で出来ているのだろうか。
未練たらたらのマイナス思考の時点で駄目な人間ということはわかるが、それでは誰でも出来ることを達成して満足する凡人しか生成されないとも思う。結局、この方法は、大半の人間が大したことも出来ないまま諦め続け、コンプレックスを抱き続けるとしか想像できない。それとも、ただ「身の程を知れ」ということだろうか、それならば納得がいく

●第11の秘訣『多くの人に気持ちよく助けてもらう』

良いことを書いている。ただ、この観点では、「もちろんこの老富豪の話(本書の内容)も真に受けてくださいね」ということだろうか。

●第12の秘訣『パートナーシップの力を知る』
わかっています。とてもよくわかっています。でも、僕には縁のない話です(泣)

●第13の秘訣『ミリオネア・メンタリティを身につける』
著者自身、このアドバイスには納得がいっていないんじゃないだろうか。からかわれているようにしか見えないし、「だから何?」という章だった。

●第14の秘訣『勇気をもって決断し、情熱的に行動すること』
非常にその通りだと思った。この主張は、羽生善治氏の『決断力』でも感じたことである。

●第15の秘訣『失敗とうまくつき合う』
自分なりに頑張ってみてるつもりで、「常々世の中うまく行かないなぁ」と嘆いている駄目な自分にとって、こういった成功本の最も読む気が起きるのは、『失敗』についてどう考えているか、だ。
そんな私にとっても納得のいく回答が載っているが、それ以上に『現在の自分に意識を向ける』ということが勉強になった。

●第16の秘訣『夢を見ること』
いい話だ。夢を見ることは重要だと感じさせるよい章だった。「自分はちっぽけな人間だけど、それでもこうありたい」という気持ちを起こさせるには充分なアドバイス。

●第17の秘訣『人生がもたらす、すべてを受け取る』
同じくよいアドバイスだ。だが、おおむね成功した後の想定の話なので、成功しないことには役に立たないとは言わないが、成功したときのイメージトレーニングと言い換えた方がよいか。

●エピローグ『最後の試練――ビジョン・クエスト』
最後に本書の秘訣を教えてくれた大富豪と著者との別れの時の話を書いている。


もっぱらユダヤ人大富豪の教えばかりで、著者のメッセージ性が無かったのだが、あとがきで少し書かれていたので、著者が今どう受け止めて、読者にどう伝えたいのかがわかってスッキリした。やはり、又聞きというのはどうもねぇ……。しかも、「本で読みました」程度で。

各々の項に感想の多くを記したので、個人的に頷ける部分と頷けない部分があることはおわかりいただけたと思う。本書に限ったことではないが、特に精神論の部分は「無意識で怖がっているんだ」とかいったごまかしがどうとでも効くので、あまり好きではない。悪魔の証明に近い。
おそらく、文化圏の違いによる拒否反応も含まれているだろう。

「お金の話なのに泣けた!」なんて売り文句を書いてる辺り、「胡散臭いなあ。話半分だろ」と考えていたが、その印象は少しは取り消される形になった。
たしかに、少しドラマティックに描きすぎている感じはあるが、そこはあとがきで断りを入れていた。やっぱりか、と(笑)
だが、サラリーマンとして生きてしまったがために、忘れている感覚、大事なことを思い起こさせてくれる本だった。とは言え、「別に今の平凡な人生に不満がない」「自分がたとえ不幸だとしてもそれに気づかないまま、また、慣れたままでいさせて欲しい」という人は読まない方がよい。ただの理想論としか思えないだろう。

理想論だ、と言い退ける事は簡単だが、本当に成功するためにはこうするしかないのだろう。現存、あるいは亡くなられた偉大な人物たちに当てはめると頷ける部分は枚挙にいとまが無い。
役立てるかどうかは読者次第。私は少なくともこの姿勢だけは忘れないよう心に留めておくことにした。それだけでも充分だろう。


評価:★★★☆☆

ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)
「ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)」
 [文庫]
 著者:本田 健
 出版:大和書房
 発売日:2006-02-09
 価格:¥ 680
 

 
さりげなく良書

嫌われない毒舌のすすめ (ベスト新書)

内容(「BOOK」データベースより)

上手な媚びへつらい&ヨイショをマスターすれば面倒な人付き合いが楽になる!上司や先輩に取り入り、後輩をたらし込んで転がす逆説的な処世術入門。






猿岩石として一世を風靡し、時の人となったもつかの間、転落。その後、毒舌タレントとして人気再復活を遂げた有吉弘行氏の処世術を綴った本。
毒舌タレント、芸人という立場からのアドバイスは非常にユニークだった。
章題は以下の通り。


●第一章『マイナス評価をプラスに変える「人たらし」の方法』
章題と言うよりも、毒舌の使い方や空気が凍ったり相手が怒っているときの有吉氏なりの対処法が多めに書かれている。一方、その章題のような嫌われている相手からの評価をプラスに変えるという処世術は「なるほど」と思った。さすが芸能界で苦労してきた方だ。

●第二章『確実に相手を「たらし込む」人付き合いの方法』
章題は少し誇大広告な気がするが、著者なりの人付き合いの方法論を述べている一般的な理想的付き合いとは真逆と言ってもいい割り切った内容で、すがすがしい。なかでも、『人付き合いは「そこそこ」の浅い関係がいい』の項はなかなか的を射ていて、参考になった。

●第三章『無駄なプライドを捨てて「クズ」として生きる方法』
面白い章題の通り、「クズ」として生きる方法を解説。要は、『身の程を知れば楽になれる』という諦観にも似た考え。成功者の語る理想論や「たまたま上手くいっただけだろ」と思わせる内容よりは好感が持てる。しかし、悲観的になることだ、と履き違えないよう注意したい。

●第四章『単純なヤツを使って自分の「株」を上げる方法』

どうすれば自分の株を上げるか、という点。
これは心理学の本などでもよく取り上げられている効果を実践している感じで、心理学をかじらず実践しているならなかなかのコミュニケーションセンスだなぁ、と思った。いや、大方「そうだなぁ」と思う程度のことだが。
しかしまぁ、ここで挙げられた有名芸能人は、章題から「単純なヤツで、取り入るのはこうすれば簡単」と堂々と書いているが、大丈夫なのだろうか(笑)

●第五章『上司・先輩・同期・後輩を上手に「転がす」方法』

「転がす」と書いてあるだけに、かなり痛烈卑劣な付き合い方を提案している。この内容が人間としてどうかは別として、自分の程度をわきまえた考え方はすばらしいと思う。

●第六章『苦手な相手を「小バカ」にして好感度を上げる方法』
苦手な相手、あまり意見の合わない相手に対して、どう接して好感度を上げるかを教授。これは「言うは易く行うは難し」としか言いようがない。いや、むしろ苦手な相手の好感度をそもそも上げたいと思うところから難しいのだが、上下関係利害関係などが絡むとやらざるを得ない。参考にしよう。


全体として味わえるのは、「自分は駄目なヤツ、むしろクズ。身の程を知って行動するべき」という価値観を念頭に置いている。
そこから、では、どうやってこの厳しい社会で人間関係を円滑にしていくのかを解説。自己啓発系ではなかなか類い稀なる本ではないだろうか。
もちろん、『今、~が危ない!』とかセンセーショナルに書きたいだけの薄っぺらな根拠で奇だけ衒った内容ではない。

少なくとも、「はいはい、理想論理想論」とは思わなかった。
「それができりゃ苦労しないわ」という点はさすがにあるが、やはり一般的な処世術とは違うアプローチがされているので、勉強に値する。
実践する分には他人にバレないように実践しなければならないほど悪質な立ち回りもあるので注意。


評価:★★★☆☆

嫌われない毒舌のすすめ (ベスト新書)
「嫌われない毒舌のすすめ (ベスト新書)」
 [新書]
 著者:有吉 弘行
 出版:ベストセラーズ
 発売日:2009-07-09
 価格:¥ 790
 
 

優柔不断でヘタレ、自分に自信がない


決断力 (角川oneテーマ21)
内容(「BOOK」データベースより)
天才棋士が初めて大公開!「決断力」「集中力」の極意!「勝つ頭脳」は、こうして決断する。







そんな貴方に。

誰であれ、業界でトップクラスの実力者が語ることは、何事にも代え難い独特の説得力を放つものだ。今回は将棋界で知らない人はいないであろう羽生善治氏の本を手に取ってみた。
テーマは決断力。人生、勝負所は何にでもつきものである。試験、就職、ビジネス、恋愛、etc。
その勝負所での集中力、決断力、メンタル面の重要性は、自分でも理解しているつもりで、本書は羽生氏の意見を拝聴するに適した本であると思った次第だ。
成功者の説教、自慢話なんじゃないの?なんて僻まず参考にすべし。

章立ては以下の通り。

●第一章『勝機は誰にもある』
章題に『勝機は誰にもある』ととあるが、あまりそういったまとまりではない気がする。勝負する力について言及していて、その力の出し方を教えてくれるといった感じか。
なかでも『経験には「いい結果」と「悪い結果」がある』という部分に強い共感を覚えた。経験することの悪い側面に怯えてしまう自分に活を入れたい。

●第二章『直感の七割は正しい』
直感のすばらしさを説く章ではあるが、個人的には、リスクを恐れて決断できないことや行動できないことに対する考え方が、とても勉強になった。『身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ』ということわざは初耳にして、ひどく感銘を受けてしまった。同時に、『自己責任』の言葉が渦巻く社会に対するアフォリズムには頭が下がる。

●第三章『勝負に生かす「集中力」』
集中力についての考え方を記している。『集中するために頭を空っぽにして、将棋については考えないようにする』という羽生氏の姿勢は、いろいろと考えすぎて雁字搦めになってしまいがちな人に対する実に的確なアドバイスだ

●第四章『「選ぶ」情報、「捨てる」情報』
コンピュータやインターネットの普及に伴い、情報だらけの社会になった。全てを拾っていくのは人間の頭ではもはや不可能と言える。賢い生き方、決断の仕方は、どれを選びどれを捨てるかだ。この章では、そういった事柄について書かれており、最先端の将棋や昔の将棋、コンピュータ将棋といった話も出てくるので興味深い

●第五章『才能とは、継続できる情熱である』
主張は章題の通りであるが、あまりにその通りすぎて人生論として確立すべき内容じゃないか、と思うほどだ。
本書にもあるとおり、努力は報われるわけではない、だがそんな中でモチベーションを保ち向上心を保ち続けることこそ才能なのだ。また、モチベーションの保ち方から、その点を踏まえた子どもの育て方まで書かれている。


将棋に対する見方が変わったというのが感想。将棋の中には様々な考察、心理、決断があり、それを取捨選択している。プロでさえ、それは網羅できず、曖昧模糊とした部分とも戦わなければならない。定跡だけが将棋ではないし、経験を積んだ年配だから強いというわけでもない。そんな将棋の魅力が本書からは伝わってくる

将棋は、ただのお遊戯ではないということは理解しているつもりだ。
私は囲碁や将棋こそ触れていないが、流行の対戦型格闘ゲームなどはプレイしている。一見、ただのお遊びに見えるそういったゲームでも深く研究すればするほど、対戦すればするほど、似たようなものを感じる。全国で名を馳せるプレイヤーの対戦を見ていても、緊張感やそれぞれの意志が伝わってくることだってままある。
歴史やゲーム性(戦略性)の深さについてはさすがに将棋に軍配が上がるが、勝負事という点では同じであり、様々な要素が絡んで人間の意志がゲームを動かすということについても全く同じだ。非常に共感できる。

こういった勝負事に限らずとも、勝機を掴むこと、決断すること、そこまでの過程に対する考え方は人生の何事にも応用できる。
本書は、『決断力』というタイトルだけに、決断することの重要性はもちろん、決断することの恐怖や葛藤、他の選択肢を切る勇気など様々な要素を語っている

新書サイズでこれだけ感想が書けるということは、それほど中身が濃く、共感できたという証拠だろう。私が購入したとき、40万部突破と帯に書かれていたが、この人気は伊達じゃない。


評価:★★★★☆

決断力 (角川oneテーマ21)
「決断力 (角川oneテーマ21)」
 [新書]
 著者:羽生 善治
 出版:角川書店
 発売日:2005-07
 価格:¥ 720
 
 
会話スキルが欲しいんだよ!


内容(「BOOK」データベースより)
私たちアナウンサーが、発声や言葉に対してどのようなトレーニングをしているのか。状況に応じてどのように話し方を変えているのか。また、会話を盛り上げるためのヒント、緊張のほぐし方など、日常会話でも応用でき、生活の中で役に立つ「ちょっとした会話術」を取り上げました。



という人は本書で鍛えるべし。

テレビ朝日アナウンス部が伝える会話術についての本。
アナウンサーの修行法、アピール力、伝達力について言及しながら、営業や日常会話に対するヒントを与えるといった具合の内容。アナウンサーを目指す方もそうでない方も、また、アナウンサーという職業に興味のある方にもオススメできる本だ。

章立てと主な内容は以下の通り。

●序章『「会話」で変わる人生とビジネス』
序章で、アナウンサーを目指すための本というわけではなく、コミュニケーションを大切にしたい人に対する本だと言うことを主張。声や言葉、人の観点で簡単に記している。

●第一章『まず、読んでみましょう』
ここでは、天気予報やニュースの原稿を例として出し、それを読者が読んでみよう、という章。正しく滑舌良く読むのはもちろんのこと、どうすれば視聴者(聞き手)に上手く伝わるか、単調にならないか、という点も言及。
また、アナウンサーや声優といった声を使う仕事ではお決まりのトレーニング原稿『外郎売』も収録しており、素人とプロの違いを軽く教えられると共に、トレーニング法も書いている。

●第二章『正しく伝わるからこそ、楽しめるのが「会話」』
本書の大部分を占める章。以下の7つの節で大きく分けられている。
『一、言葉の癖をなくして、ボキャブラリーを増やす』
『二、「大きな声で話すのが鉄則」は大間違い?』
『三、「ホメ言葉」と「敬語」の使い方に注意する』
『四、立場とキャラクターに合った話し方を身につける』
『五、人と話せる「話題作り」と「情報収集術」』
『六、初対面の人に対する「自己紹介」で差をつける』
『七、失言してしまったその時、どうするか……』
どの節も、アナウンサーの努力や苦労がわかる内容であり、かつ日常会話でも軽視できない要素を含んだコミュニケーション技術だと言える。具体例が多く、なかなか内容は濃いので、読み応えがある。
全体として、特にどのようなことに気をつけて喋っているか、ということを集約している印象。

●第三章『[保存版]「間違えやすい日本語」と「言ってはいけない言葉」』
ここでは、『相殺』『他人事』『過渡期』といった読み方を間違いやすい言葉や『役不足』『天地無用』『小春日和』といった意味を間違いやすい言葉、『藁にも縋る思い』『海千山千』といった謙遜や相手を立てるつもりでいった言葉が真逆になったりする言葉を始め、さりげなく言ってしまう失言や若者言葉の使い方や使ってはいけない若者言葉といった具合に、表題通りの内容が簡潔にまとめられている。
保存版と言うだけあり、なかなか使い方が自分で怪しくなってきたな、と思ったり、忘れたりした時に読み返したい内容である。

●第四章『[参考資料]アナウンサーが「注意する日本語」』

『明日』『最高値』『日本』『博士』など読み方の区別が必要な言葉や一方の読み方で統一する言葉、『祭日』『法案が成立する』などのアナウンサーが使ってはいけない日本語、『一番最初』や『炎天下の下』『犯罪を犯す』といった注意すべき重複表現を載せている。アナウンサーを目指す人なら暗記は必須だが、雑学や正しい日本語として知っておいてもいい章だ。

●第五章『アナウンサーの「日常」と、会話の達人になる方法』
ここでは、アナウンサーに求められる人物像やアナウンサーの日常について触れている。アナウンサーという職業に興味を持っている人、就職を考えている人はにやりとする内容かもしれない。


総観。
「言葉使いとか言葉選びなんて大ざっぱでいいよ」という人には神経質な内容かもしれないけれど、日常会話をもっと改善していきたいという人や、仕事などで人前で話す機会が多い人には、もってこいな本と言える。
それに、いくら大ざっぱな言葉使いでもいいと思っていても、知らず知らずのうちに失言をしていたり、反感を買う言葉を使ったり、笑われてしまうような誤用を平然と使ってしまうのは、いい大人になってからは恥ずかしいものだ。知っておくという意味でも、本書は保存版として持っておいてよい。

なかなか要所をおさえた仕上がりで、読み手の興味を満たすいい内容だったというのが私感。
正しい日本語学習をしたい人の門出にオススメしたい。


評価:★★★★☆

アナウンサーの話し方教室 (角川oneテーマ21)
「アナウンサーの話し方教室 (角川oneテーマ21)」
 [単行本]
 著者:テレビ朝日アナウンス部
 出版:角川書店
 発売日:2003-07
 価格:¥ 720
 by ええもん屋.com
 
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