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医療は、いいことばかりではない!


大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)

内容(「BOOK」データベースより)
3人に1人はがんで死ぬといわれているが、医者の手にかからずに死ねる人はごくわずか。中でもがんは治療をしなければ痛まないのに医者や家族に治療を勧められ、拷問のような苦しみを味わった挙句、やっと息を引きとれる人が大半だ。現役医師である著者の持論は、「死ぬのはがんに限る」。実際に最後まで点滴注射も酸素吸入もいっさいしない数百例の「自然死」を見届けてきた。なぜ子孫を残す役目を終えたら、「がん死」がお勧めなのか。自分の死に時を自分で決めることを提案した、画期的な書。




話題の本として、最近耳にする本書。
何でも、タイトルにあるように、医療と関わると楽には死ねない、といった既存の価値観に疑問を投げかける内容と言える。

章立ては以下の通り。

●第1章『医療が"穏やかな死"を邪魔している』
まずは、医療に対する思い込みを無くしてもらうのが本章。日本人は医者を信頼しすぎており、薬やリハビリに対しても依存傾向にあるようだ。本当は医療など信頼できない、自然治癒力を侮るな、といったような認識を読者に与えてくれる。次章で詳しく語られるところかもしれないが、医療現場や介護、家族の価値観によって、穏やかな死を受け入れにくい体制になっているようだ。

●第2章『「できるだけ手を尽くす」は「できる限り苦しめる」』
主張は章題の通り。できる限り手を尽くす現在の医療は、苦しめるだけの延命措置であることが多い(それしかない?)ようだ。本書にもあるが、自然死とは餓死であって、餓死には苦しみは無い(なぜ苦しみが無いかは本書を見てほしい)。この餓死を妨げることは苦痛しか残さない。本章にある『食べないから死ぬのではなく、死に時が来たから食べない』という表現がまさに的を射ている。

●第3章『がんは完全放置すれば痛まない』
ガン検診や抗ガン剤によって現代では対抗策の増えてきたガンだが、ガンを退治することが果たして正解かどうかを考えさせてくれる。ガンによる痛みはないのか、三割の人が痛まないのか、いまいちハッキリしなかったが、手遅れとわかって苦悩するくらいなら手遅れを知らない方が幸せなのは納得できる。

●第4章『自分の死について考えると、生き方が変わる』
著者が主宰した、『自分の死を考える集い』の活動を振り返りながら、死生観を考える章。ここまで行くと、ちょっとやりすぎて引いてしまうのが個人的な感想であり、一般的な反応だろう。著者自身もその点を自覚しているが、死やその話題を極端に忌避する現代社会にも疑問があるのは私も同意見である。
また、自分の死について考え、生き方を変えるという章だが、死の準備的な意味合いが強い。遺書や意思表示不能時のための事前指示書などはともかく、棺桶に入ってみるとか一般的には縁起の悪そうなことが多い。自分の死後、あるいは要介護状態になったときに、家族に極力迷惑をかけないよう準備する姿勢は見習うべきだろう。

●第5章『「健康」には振り回されず、「死」には妙にあらがわず、医療は限定利用を心がける』
章題にもあるとおり、死を抗い、健康であることに執着する現代人に対して意見を述べている。生活習慣病の考え方、検診と健診など、納得できる点は多いが、不健康を素直に受け入れ、医療を望まないのはなかなか難しそうだ。

●終章『私の生前葬ショー』
著者の生前葬という具体的な内容を使い、自分史で人生を振り返り、事前準備として事前指示書を書く、など読者に見本を見せている。


全体的に思うのは、私には読むのが早かったかなぁ、と。健康意識や医療による延命などを含む死生観は勉強になったが、生前葬や著者の活動については読んでいてついていけない部分があった。理解はできるが、一つの宗教観のような印象を受けてしまったあたり、私もまだ死に対してタブー視しているのかもしれない。

著者の死生観がもろに出ているので、それに反発してしまう人には読んでいて苦しい本だ。だが、現代医療や健康意識に一石を投ずる、センセーショナルな内容である。


評価:★★★☆☆

大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)
中村 仁一
幻冬舎
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