忍者ブログ
本、音楽、ゲームなどの書評、感想をネタバレしない程度に書いていきます。詳しくは『このブログについて』をご覧下さい。 貴方のインドアライフに役立てば幸いです。
プロフィール
HN:
エリシオ
性別:
男性
自己紹介:
読書とゲームと投資に明け暮れる、インドア特化型なしがない社会人
カテゴリー
リンク集
当ブログは、リンクフリーです。 相互リンク大歓迎です。 相互リンクを希望の際は helissio5963(アットマーク)gmail.com まで。アットマークは手動入力してくださいな。
ランキング
気に入ったらPlease Click!
人気ブログランキングへ
最新CM
[08/16 エリシオ]
[08/13 古宮昇]
[08/01 エリシオ]
[08/01 秋津学]
[11/22 エリシオ]
最新TB
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

わけがわからない読者を助ける過去編

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅢ (ハヤカワ文庫JA)

内容(「BOOK」データベースより)
神に問う―太陽光を浴びると身体が結晶化し、やがて死に至る奇病・キュヴィエ症候群が猛威を振るう近未来の地球。精神技術者の穂村一幾は、今は亡き恋人・螢の双子の兄である水無瀬眞に呼びよせられ、“EGG”なる研究施設を訪れる。そこで彼を待っていたのは、“神”と交信するという黒髪の少女セラだった。一幾はその共感能力を使ってセラと“神”との対話を分析するよう依頼されるが…すべての発端を描く第3巻。






いわゆる過去編。だいたい過去の回想ものは「今更いいです」と思う作品ばかりを見てきたのだが、この作品に関しては気になって仕方がない。と言うのも、1,2巻での伏線が圧倒的で、もはやわけがわからないからだ。

そんなわけで、伏線回収も兼ねての過去回想の巻。
ただ、読み終えた後でも、まだわけがわからない!セラの生い立ち、ホムラやシンや大佐などの意味。それらは少なくとも何となく分かる内容ではあったが、それでもしっくりこない部分が多々ある。
もちろん、そのあたりは4巻以降でってことになる。

ファンタジー色の強かった2巻から一転して、世界の終わりを描くような壮絶なSF的ドラマになってしまった3巻。
個人的にはあまりに設定の話が多すぎて、もう少し展開を早くしてほしいところだった。


評価:★★★☆☆

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅢ (ハヤカワ文庫JA)
五代ゆう
早川書房
売り上げランキング: 18842
PR
なんなんだ、このスケールのでかさ……。


クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅡ (ハヤカワ文庫JA)

内容(「BOOK」データベースより)
神に抗う―“エンブリオン”のサーフらが得たのは異形への変身能力と引き換えに、人間の血肉を欲する悪魔の力アートマだった。ヒトがヒトを喰らう非情な戦いに、ジャンクヤードの戦況は一変する。“教会”の支配に不信を抱いたサーフは、アートマの暴走を抑える血を持つセラを守ることを決意。生存をかけ、ジナーナ率いる“メリーベル”と共闘、“ソリッド”を攻略する。だがその直後、意外な人物が現われ…急転の第2巻。




これで2巻めか……。
と、SFものの壮大な舞台にのめり込んだ2巻。

さて、1巻に続き、戦いが続く一方で、明らかに『掟』が崩れ、世界になにが起きているのか分からない状況に陥る主人公たち。
その異常事態の中、自らが何なのか、この世界は何なのか、なぜ戦い続けるのか、といった疑問が沸き続ける。

壮大すぎて伏線回収が大丈夫なのか?と心配になるが、これだけ読んできても、まだ5巻中2巻目。これから先なにが待っているのか気になって仕方がない。

細部になるが、戦いなどのアクション描写や世界の様相の描写はかなり丁寧で、作者の筆力が窺える。バトルものを書くための教科書にでもなりそうだ。だが、ゲームをやっているわけでもないので、そこまで戦闘シーンに凝らなくてもいいかなあ、という気もした。
強敵と戦うとなると、苦戦を強いられ時間が長くなるのはわかるのだが、ちょっと斜め読みしてしまった。
悪魔と化して戦うため、醜さがつきまとい、RPG的な属性関連の攻撃をいちいち想像するのが苦痛なのもあるかもしれない。

とは言え、壮大なスケールのシナリオを見届けたいという気持ちは読めば読むほど募る。
ただ、「いまいち魅力が無いキャラクターが多い」というのが個人的な感想で、紋切り型で没個性気味な人物が多い。
無感情の状態から、悪魔の力を手にしてから芽生え始めた『感情』を描いているので、そこまで苦痛ではないのだが……。


評価:★★★★☆

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅡ (ハヤカワ文庫JA)
五代ゆう
早川書房
売り上げランキング: 15455
まさかの復活!


クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅠ (ハヤカワ文庫JA)
内容(「BOOK」データベースより)
神 に乱る―荒廃の地ジャンクヤードでは、勝利者を楽園へ迎え入れると説く“カルマ教会”の支配の下、6つのトライブがいつ果てるとも知れぬ戦いを続けてい た。しかし、そんなトライブのひとつ“エンブリオン”のサーフらが交戦中、謎の蕾と黒髪の少女セラに遭遇した刹那、世界の掟は根本から覆される。彼らは状 況を探るべく交戦相手の本拠地を訪ねるが、そこで悪魔の力が発動し…神への漸近を描く本格SF大作開幕篇。

   



プレイステーション2のRPG『デジタルデビルサーガ』に、2011年にまさかの小説版が発売。ゲーム版はプレイしたことはあるが、あまりに難解かつ深遠な設定が理解しきれなかったこともあり、購入。あとがきにもあるが、ノベライズではなく原案小説であり、ゲーム版では存在しない展開などもある、ざっと400ページほどが5冊分のボリューム。

1,2巻は煉獄編。3巻は辺土編。4,5巻は楽園編。と、分かれている。

1巻は専門用語のバーゲンセールで始まる。ゲーム版未プレイの人にはイメージに苦しみ、厳しいかもしれないが、だんだん分かってくるはず……。SFものである一方で、青春要素も兼ねている?少し怪しい。
先に述べたように、かなり凝った設定であり、世界観はかなり固い。文章もそれに合わせてなかなか無機質に硬派に書かれている。

内容はBOOKデータベースにもあるが、ジャンクヤードという地で6つのトライブという軍事勢力のようなものが戦い合い、勝利した者が導かれる楽園をめざすという設定。だが、そんな世界にイレギュラーが起きる。といった具合。
そのイレギュラーによって無機質に淡々と行われていた戦争に異変が起きる。
各々が醜い悪魔に変身する能力を手に入れるとともに、耐えがたい飢餓が襲いかかり、仲間だった人間をも喰らいたくなるというイレギュラーが、その地にいる無感情に戦いと勝利を求める人間たちに『感情』が芽生えるといったところか。

その世界の設定、悪魔化というイレギュラーは後の巻で回収される伏線。ただの戦いを描くファンタジーものというわけではない壮大な物語であることは約束したい。

ゲーム未プレイの方には厳しいかもしれないが、設定に惹かれたなら購入を勧めてもいい出来。いろいろと謎が多く、2巻にもすぐ食指が動くはず。
問題はキャラの魅力……かなぁ、と。好みの問題かもしれないが。

シリーズものというわけではないが、5巻もあるのでカテゴライズしておきます。


評価:★★★★☆

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅠ (ハヤカワ文庫JA)
五代ゆう
早川書房
売り上げランキング: 26833
カツ丼から始まる青春


六百六十円の事情 (メディアワークス文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。爺ちゃんと婆ちゃん。世の中には、いろんな人たちがいる。そこには、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、ありふれているけど、でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。そんな彼らがある日、ひとつの“糸”で結ばれる。とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」という一言をきっかけに。日常系青春群像ストーリー。






読んだ作品こそ少ないが、おそらく好きなジャンルであろう青春群像を読みたいと思い、手に取ったこの本。作者の入間人間氏はライトノベル畑の身で、なかなかの人気を博している。
ライトノベルこそ追いかけるのがしんどいが、最近アスキーメディアワークスは本書のような対象年齢を大人向けにしたようなライトな小説を出版しているようで、一冊完結型なのが個人的にはありがたい。

構成は連作短編。あらすじにあるように、「カツ丼作れますか?」という掲示板の書き込みをきっかけに始まる様々な人物の日常を描いた青春群像というわけだ。

●『プロローグⅠ』
●第1章『While my guitar gently weeps』

ギターの弾き語りを下手の横好き(?)でやっている夢を追いかけるダメ人間の女性と、同棲しているしっかり者の男性の物語。あぁ、青春。これぞ青春。こんな大人がいてもいい、こんな関係があってもいいじゃないと思う。

●第2章『生きてるだけで、恋。』
家業の食堂で手伝いをしている女子高生と、万引きを犯している男子高生の物語。ザ・青春。こんな高校生活を送りたかったという言葉を代弁してくれるような暖かい絆だ。万引きはよくないけどね。

●第3章『パタパタパタ』
家出を目論む小学生男女の話。取っつきは良かったけれど、短い話で、何とも言えないですね……。小学生とかこんなモノって感じなのかと。

●第4章『愛とか祈りとか』
二十代で同棲しているニートの男女の話。これまた短いが、暖かいお話になっている。

●『プロローグⅡ』
●第5章『老人と家』

妻を亡くしたとある老人のお話。今までに登場したとある人物と関わることで物語が始まる。一人称視点の地の文が懐古的なのはよいが、いまいち老人らしさを出し切れていない感じがした。

●第6章『Q.これはオフ会ですか? A.いいえ、カツ丼です』
これまでのストーリーを包括してオチとして締めくくる。

●エピローグ『What a Day』


なんともくどい言い回し、表現がライトノベル作家という感じで、苦手な人は苦手だろうなあ、と思う。この文章表現がかえって青春群像の登場人物とマッチしていていると感じた部分もあるが、やはり過剰表現が少し鼻に付く。

青春群像の基本と言うべきか、それぞれ一人称視点で進み、独特の価値観や哲学に則って、いろいろあれこれと考えながら生活している様子が窺える。また、群像ものなので、ところどころ、関係のない別の登場人物の様子を見たり、その人の影響を受けたりといったことも見られるので面白い。

日常系ということもあり、大きな山場こそ無いが、一つの街を舞台にした様々な人物の生き様などをうまく描きあげ、しっかりとした結末にジーンと来る場面も多々ある。完成度は高い。
青春群像を求めるならば読んでいて損はないはず。

評価:★★★★☆
 
六百六十円の事情 (メディアワークス文庫)
入間 人間
アスキーメディアワークス
売り上げランキング: 30350
幸せを求めるのではなく、今が幸せだと思え


今の幸せに満足できるたった1つの法則 (ロング新書)
内容(「BOOK」データベースより)
「足るを知る」を知ればいいことがたくさん起こってくる。








欲をかけばきりがない。今の人生が幸せだということに気付くことが幸せの第一歩的な内容だろう、と思いながら手に取ったこの本。たしかに、病気の時に健康のありがたみを実感するように、幸せなことに鈍感になっている節があるのは否めないなあ、と我ながら思う。
実になんとなくそういった共感もあって手に取った本である。

章題は以下の通り。


●第1章『ちょうどいいバランスで生きていく』
昔話、説話などから例を挙げ、『足るを知る』という幸せの原則について説く。正直、『足るを知る』の意味を知れば、あとは同じような内容ばかりであり、とにかく謙虚であること、という事に近い。少しくどい。つまるところ、欲を捨てて聖人になれば幸せであるといわんばかりである。「無欲であれ」というわけではなく、「分をわきまえろ」といった見解が多いが、その自分相応を模索するチャレンジ精神、欲を満たす為に自分の可能性を試している人は不幸であるというくくりでよいのだろうか。
『自分の身分に合わないプレゼントは断るのもよい』というようなことも書かれているが、その人が詐欺師でもない限り、受け取らなかったことに後悔し不幸を感じる人の方が普通ではないだろうか。
あまりに極論じみていて、私は聖人でもないので同調できない。

●第2章『欲張り過ぎると、すべてを失う』
「欲張らず前向きに生きる」といった具合の内容か。楽観的に生きることが幸せの道という点は同意するが、やはり同調できない部分は多い。
『押し付けられた欲と自分本来の欲』の項で、前の章で欲に関して反感を抱いた部分はやや払拭はされるも、結局、自分本来の欲とは押し付けられて生み出された欲と共通していたりするので「じゃあかいてよい欲とは何?」という気分になる。心理的に「他人からよく見られたい」というのは人間として当たり前のことであるゆえに上記の項は結局納得に至らない。
『自分の能力以上の頼まれごとを断る』という点も、自分の能力がわからないのが普通だ。また、「ストレスは自分では気づきにくい」「ここで断ればどうなるか不安」という点も考慮するならば、「自分の能力以上の頼まれごとである」と思って何でも断って幸せというわけではないはずだ。逆に、この言葉に甘えて断りすぎていては、社会人として仕事も勤まらないだろう。
一方、『欲張らない』というよりは『自分に正直になって行動する』というアプローチを示しているような項は同意したい。人間、無理は禁物で、いつか溜まった疲労、ストレスや鬱憤が爆発してしまうことは重々承知である。また、前述した前向きに楽観的に考えることで幸せを感じるという点は全面的に同意である。

●第3章『目の前にある幸せを大切にする』
ここでこれまた『欲をなくすのではなく、欲を少なくする』といった上記の私の意見に対する反駁めいたことが書かれてはいるが、一体何がいい欲なのかという点が決め付けられているような気がしていい気がしない。
また、他人と比較してしまう人に対するアドバイスに『自分の持っているものを大切にする』というものもある。たしかに、自分には何も無いと自虐している人以外には大方通用する幸福論であり、こちらは納得できる。

●第4章『人にやさしくすると救われる』
『情けは人の為ならず』ということわざがあるが、本章に書かれているのはもっと聖人向けだろう。東洋思想に詳しい著者ならでは提唱だが、物語や逸話を布教しないでほしいというのが本音である。「稼いで余ったお金は寄付しろ?さすれば救われる?」現実にそんな物語に出てくるような人の助け合いが存在するというのは信じがたいし、それをモットーに人生を楽しむことはそれこそ宗教に入信でもしない限り、生活に対する不安などで押しつぶされると思えて仕方ない。
私の想像ではあるが、寄付の話は一部の富豪でかつ本書に書かれているような思想の持ち主であって、普通の生活を送っている人物にはまったく縁もなければ、寄付すればするほど生活を圧迫し、精神的余裕を失うにちがいない。
『無財の七施』という思想については素晴らしいとは思うが、それ以前の問題として『自分のことばかり考える』ということがそれほど悪いこととは私は思わない。たしかに、自己中心的で自分本位であるという意味ではよくないが、自分の幸せや自分で自分を愛すること、自分の所有物とその価値について考えていくことは決して悪いことではないはず。それをできずして、「他人にお布施をして私は幸せだ」などと思うのは大幅な改宗が必要だ。

●第5章『求めすぎないから求められる』
求めすぎないことの薦め。欲とはまた別に、何かを求めるということをやりすぎると身を滅ぼしかねないということが書かれている。この章については賛成できる部分が多い。どちらかというと、自分の欠点に気づかせる部分や自分のやっていることに疑問を抱かせる部分、自分を無理に動かしているやめるべきことを、教えてくれるような内容。
自分がやりたいようにやっているから幸せなんだという人は、本章は不要とは思うが、そういう人はそもそも本書を購入していないだろう。

●第6章『欲で人を見ると関係は生まれない』
まさに自分のような人間のために書かれていると思うほど薬になった章。他人に求めすぎてストレスを溜めていないか、他人に何かを強要していないか、自分が思う相手の在り方、認識はこうあるべきであるといったことについて書いている。友人や恋人など仲の良い人に対し、イライラすることのある人にはこの章は心に残るだろう。

●第7章『ものの価値より心の豊かさ』
お金やその使い道などお金と贅沢について述べている。大方いいことが書かれているが、一つ気になる点があった。
というのも、『宵越しの金を持たない』という項のことだ。「現代人には無理かもしれません」と著者は言っているが、普通に考えて無理です。そもそも日ごとに給料をもらうこと自体稀有な例。豪勢な生活を求めるのではなく、今の生活に満足するという点では幸福論として賛成だが、他の項とやや矛盾している感じもあり、こういう不純物を混ぜられると読者としては混乱し、本書に対する信頼性を失ってしまう。

●第8章『笑いで心も体も健康』
『笑う門には福来る』という言葉があるように、本章では笑うことで心や体の健康を保つと説く。また、『足るを知る』の精神で心身の安らぎを与えるという点で、今までの内容をまとめるような項がある。全面的に賛成だ。


『足るを知る』という価値観で幸せを感じようという主旨の本である。賛同できる部分はあるにはあるが、特に前半部の東洋思想や昔話などの押し売りは個人的にかなりマイナス。いい話と現代社会の日本における現実を一緒くたにして考えて欲しくない。いわば、理想論を一般論のように語る感触がした。

しかし、後半はなかなか的を射ていて、骨身に沁みる内容。古典から引用している部分の方がかえって説得力を無くしている感じがあった。できれば、著者の言葉で敷衍した内容だけで充分だったように思える。


評価:★★★☆☆

今の幸せに満足できるたった1つの法則 (ロング新書)
「今の幸せに満足できるたった1つの法則 (ロング新書)」
 [単行本]
 著者:植西 聰
 出版:ロングセラーズ
 発売日:2011-09-25
 価格:¥ 840

 
 
Copyright © めざせインドアマスター All Rights Reserved
Powered by ニンジャブログ  Designed by ピンキー・ローン・ピッグ
忍者ブログ / [PR]