なんなんだ、このスケールのでかさ……。
内容(「BOOK」データベースより)
神に抗う―“エンブリオン”のサーフらが得たのは異形への変身能力と引き換えに、人間の血肉を欲する悪魔の力アートマだった。ヒトがヒトを喰らう非情な戦いに、ジャンクヤードの戦況は一変する。“教会”の支配に不信を抱いたサーフは、アートマの暴走を抑える血を持つセラを守ることを決意。生存をかけ、ジナーナ率いる“メリーベル”と共闘、“ソリッド”を攻略する。だがその直後、意外な人物が現われ…急転の第2巻。
これで2巻めか……。
と、SFものの壮大な舞台にのめり込んだ2巻。
さて、1巻に続き、戦いが続く一方で、明らかに『掟』が崩れ、世界になにが起きているのか分からない状況に陥る主人公たち。
その異常事態の中、
自らが何なのか、この世界は何なのか、なぜ戦い続けるのか、といった疑問が沸き続ける。
壮大すぎて伏線回収が大丈夫なのか?と心配になるが、これだけ読んできても、まだ5巻中2巻目。これから先なにが待っているのか気になって仕方がない。
細部になるが、
戦いなどのアクション描写や世界の様相の描写はかなり丁寧で、作者の筆力が窺える。バトルものを書くための教科書にでもなりそうだ。だが、ゲームをやっているわけでもないので、そこまで戦闘シーンに凝らなくてもいいかなあ、という気もした。
強敵と戦うとなると、苦戦を強いられ時間が長くなるのはわかるのだが、ちょっと斜め読みしてしまった。
悪魔と化して戦うため、醜さがつきまとい、RPG的な属性関連の攻撃をいちいち想像するのが苦痛なのもあるかもしれない。
とは言え、壮大なスケールのシナリオを見届けたいという気持ちは読めば読むほど募る。
ただ、「いまいち魅力が無いキャラクターが多い」というのが個人的な感想で、紋切り型で没個性気味な人物が多い。
無感情の状態から、悪魔の力を手にしてから芽生え始めた『感情』を描いているので、そこまで苦痛ではないのだが……。
評価:★★★★☆
五代ゆう
早川書房
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