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『氷菓』の意味を知れ!

氷菓 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。





米澤穂信氏の古典部シリーズ。以前から気になってはいたが、最近アニメ化ということもあり、どうせなら小説からかな、と読んでみた。

さて、古典部シリーズの第一作目である本作。学校内で起こるちょっとした出来事、疑問点、不思議な現象などを
折木奉太郎率いる(?)古典部が謎を解くといったストーリー。
ショートショートのような短めの区切りで、ちょっとした疑問を解き明かしていく感じはサクッと読めて心地好い。無気力というわけではなく、省エネをモットーに生きているすかした感じの主人公を筆頭に、キャラクターの個性はそこそこ立っている。

古典部とは名ばかりの日常的ミステリーな話かと思ったが、しっかり昔(古典と言うほどではないかもしれないが)の文献を交えた話も出てくる。また、ショートショートのような構成は前半だけであって、後半はしっかり一つの大きな謎を解明しよう、という流れになっていた。

読みやすく、結末も清々しい、「こんな学校生活いいなぁ」と思ってしまうちょっとしたカタルシス、と、誉めちぎりたくなる青春ミステリー。達観したような登場人物(男性陣)の性格や口調などに嫌悪感を抱く人もいるかもしれないが、そこが苦痛でないならオススメできる。
謎の解明やオチで度胆を抜くような作品ではないが、安心して読める雰囲気の良作だ。


評価:★★★★☆

氷菓 (角川文庫)
氷菓 (角川文庫)
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米澤 穂信
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多重人格とエンパス


十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、彼女は身も凍る思いがした。第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。




さて、貴志祐介ファンと言っておきながら、デビュー作である本作に触れていない私。そして、ようやく読了。
心理学に長けた著者ならではといった、多重人格障害を扱う作品。
主人公は他人の感情を読み取ることができる能力者、エンパス。それを活用して、阪神大震災の被災者に対するメンタルケアのボランティアをしていた。そんななか、出会った多重人格障害の少女と対面し、彼女の中に潜む恐ろしい人格に直面する、といった話。

まだ統合失調症ではなく精神分裂病と呼ばれていた頃の作品であり、現代ほど鬱などの精神病に理解のない時代背景と思われる。13の多重人格はそこまで覚えずとも分かる内容であり、名前から直感的にどんな人格かわかるように書かれているのはありがたい。

この本の見所は、多重人格を題材に展開する恐ろしい事態である。
特に、ISOLAが何者かについてはなかなか想像の斜め上を行き、ゾッとした。

著者の他の作品に比べると、恐ろしさや面白さにおいて個人的に見劣りしていたが、ストーリーの入りやすさは変わらず。
心理学の豊富な知識の交え方も相変わらずである。

悪くない、といった評価。


評価:★★★☆☆

十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)
貴志 祐介
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ついにクライマックス!


万能鑑定士Qの事件簿XII (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「『太陽の塔』を鑑定してください!」万能鑑定士Qに前代未聞の依頼が持ちこまれた。クライアントを追って大阪・吹田署の警部補が店に飛びこみ、牛込署の葉山も姿を現す。解明の急がれる重大な謎―『太陽の塔』に秘密の抜け穴は存在するのか。万博公園に赴いた凛田莉子を待っていたのは、正体不明の人物による鑑定能力への挑戦だった。知性のシンデレラ・ストーリー、いまここにクライマックスを迎える。Qの事件簿シリーズ第12弾。





『万能鑑定士Qの事件簿』の最終巻。続編の『万能鑑定士Qの推理劇』もすでに発売されているのだが、ようやく読了。
それもこれも、オリジナリティあるシナリオとたびたび勉強になる知性の披露宴のような作品であるおかげだ。

さて、そのクライマックスにあたる当巻だが、個人的には微妙だった。
大規模な鑑定と一筋縄ではないかない事件、伏線と整合性もしっかりしていて、過去に登場した某人物の協力を得たりと、最終巻らしい文句のない出来なのだが、なんともお粗末なトリックに拍子抜けしてしまった。

おまけと言わんばかりに、最後に本筋とは関係のない事件が起こり、その犯人を読者に推理させるという構成。正直わからない。

表紙から察するに結婚してハッピーエンド!てことになっているのかは、読んでみてのお楽しみ。


評価:★★★☆☆

万能鑑定士Qの事件簿XII (角川文庫)
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莉子ちゃんはかわいいなぁ!


万能鑑定士Qの事件簿 XI (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
わずか5年で京都随一の有名スポットになった音隠寺。そこは、あらゆる願いがかなう儀式で知られていた。京都に赴いた凛田莉子は、住職・水無施瞬によるトリックをほぼ見抜くが、決定的証拠を握れずにいた。止められない瞬は、次の話題づくりに安倍晴明の式盤を狙う。所在不明の式盤を密かに探し、盗むつもりだ。「国宝」にたどりつくのは莉子か瞬か?かつてない敵を相手に、究極の頭脳戦が始まる。書き下ろし「Qシリーズ」第11弾。






表紙絵的にも。


それはさておき、借金まみれの寂れた状態からわずか五年で京都の人気スポットと化した寺の住職、キレるアタマを使い、なんでも願いが叶うという儀式にはどんなトリックがあるのか。といったストーリー。
例のごとく、万能鑑定士こと莉子の観察眼、知識量をふんだんに盛り込んだストーリーなのだが、特筆すべき点は……ついにデレた!
ま、どうでもいいところかなぁと思うんで、ネタバレしたわけだが、小笠原と莉子の二人の今後にも注目したい。

道中はアタマのキレる相手に苦戦こそしないが、あと一歩及ばない歯がゆさがあり、面白かったのだが、終盤になって某謎解きあたりから少し置いてけぼりというか、どうでもいい気分になってしまった。
身勝手な感想ではあるが、そこまで技巧を凝らしても読者としてはついていけない気持ちが勝った。


評価:★★★☆☆

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莉子の鑑定士デビュー当時は……


万能鑑定士Qの事件簿X (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
凛田莉子は3年前のことを思い出していた。「万能鑑定士Q」を開業したものの、人を疑わない天然の莉子は騙されてばかり。身につけた知識を活かせず、経営も惨憺たる有様だった。見かねた恩人・瀬戸内陸は、門外不出の思考法を莉子に授ける。それは莉子の知性を飛躍的に高め、比類なき推理力を獲得させる重要なキーだった。莉子はなぜ、難事件を解決できるほど賢くなったのか。いま全貌があきらかになる。書き下ろし「Qシリーズ」第10弾。




懐かしき一・二巻の少し前、莉子が万能鑑定士としてデビューしたての時の話である。いわゆる過去編。
デビューしたてで、かつ天然のドジな性格だった莉子がどのように現在に至るかといったところが見所。

久しぶりに読んだが、やはり出来がいい。莉子の慧眼はもちろんのこと、精密な鑑定を要求されるようなトリック、そして、過去編ということでの莉子の成長といった部分、いろいろな部分で魅せてくれる。
非の打ち所が無いようだが、莉子が師から教わった門外不出の思考法とやらは正直微妙。論理学らしき雰囲気だが、それを教わっただけで天然の彼女がここまで開眼するとは想像しがたい。才能と言えば、それまでではあるが。
しかしまぁ、そういった細かな批判はナンセンスと思わせる内容であり、莉子だけでなく読者側にもかなり勉強になる一冊。知恵と雑学の宝庫である。


評価:★★★★★

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