莉子の鑑定士デビュー当時は……
内容(「BOOK」データベースより)
凛田莉子は3年前のことを思い出していた。「万能鑑定士Q」を開業したものの、人を疑わない天然の莉子は騙されてばかり。身につけた知識を活かせず、経営も惨憺たる有様だった。見かねた恩人・瀬戸内陸は、門外不出の思考法を莉子に授ける。それは莉子の知性を飛躍的に高め、比類なき推理力を獲得させる重要なキーだった。莉子はなぜ、難事件を解決できるほど賢くなったのか。いま全貌があきらかになる。書き下ろし「Qシリーズ」第10弾。
懐かしき一・二巻の少し前、
莉子が万能鑑定士としてデビューしたての時の話である。いわゆる過去編。
デビューしたてで、かつ天然のドジな性格だった莉子がどのように現在に至るかといったところが見所。
久しぶりに読んだが、
やはり出来がいい。莉子の慧眼はもちろんのこと、精密な鑑定を要求されるようなトリック、そして、過去編ということでの莉子の成長といった部分、いろいろな部分で魅せてくれる。
非の打ち所が無いようだが、
莉子が師から教わった門外不出の思考法とやらは正直微妙。論理学らしき雰囲気だが、それを教わっただけで天然の彼女がここまで開眼するとは想像しがたい。才能と言えば、それまでではあるが。
しかしまぁ、そういった細かな批判はナンセンスと思わせる内容であり、莉子だけでなく読者側にもかなり勉強になる一冊。知恵と雑学の宝庫である。
評価:★★★★★
松岡 圭祐
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-06-23)
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