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本、音楽、ゲームなどの書評、感想をネタバレしない程度に書いていきます。詳しくは『このブログについて』をご覧下さい。 貴方のインドアライフに役立てば幸いです。
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疲れた。

九月が永遠に続けば (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか―。人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。





女性作家ということもあってか、主人公女性が主観。生活感漂う雰囲気はそれだけで何となく斬新だった。
そんな彼女に訪れる災厄の連鎖。息子の失踪、愛人の事故、別れた夫の娘の自殺など……。いったいなにが起こっているのか、という点でのサスペンス。
母親の愛情、恋愛を含めた人間関係のドロドロ具合、とかなりよく表現されていて入り込める。

長編らしいといえば長編らしいのだが、同じような内容での引き延ばし感がする。というのも、前述した、息子がいなくなった母親の気持ちが頻繁に表現される。それだけ想っているということなのだが、全体の半分は占めているのではと思うほどにくどい。
そういうところが全体的に重重しい内容という点で、ホラーテイストなのかもしれないが、私には受け入れられなかった。読んでいてストレスが溜まるばかりである。

そして、問題はそのストレスがカタルシスとして浄化されるほどの展開、結末が待っていなかったことだ。私としてはこれだけ引き延ばしておいて「え、それだけ?」と思ってしまった。
恋愛サスペンスという点で、ドロドロの痴情のもつれや人間関係が惨劇を生んだといった体裁にしたかった様子だが、少し失敗しているように思える。
愛情の描き方は秀逸だと思えるが、登場人物の扱いや展開が雑な印象で、扱い的には「どんだけ性欲(ストライクゾーン)が強いの……」という突っ込みを入れたくなり、展開は前述したように行方不明の息子を捜す母の心情ばかりで、気が滅入る。(作中の人物の様に気が滅入っているというのは成功かもしれないけれども)

肝心の事件面は尻つぼみだったかな、と。見所は、作者の筆致、表現力、描写力、内容的には情事のもつれの恐ろしさといったところか。

俗な感想を言わせてもらうが、長くて重々しくて疲れた。という感想。作者の文章力は文句がないのだが、展開の効果的な緩急、あるいは話そのものが面白ければ、と言う実に個人的な不満が連なる作品だった。


評価:★☆☆☆☆

九月が永遠に続けば (新潮文庫)
沼田 まほかる
新潮社
売り上げランキング: 18634
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またやってくれました


神様ゲーム (講談社ノベルス)

内容(「BOOK」データベースより)
芳雄の住む神降市で、猫の殺害事件が連続して発生!芳雄は同級生と探偵団を結成し犯人捜しを始めることに。そんなとき、転校したばかりのクラスメイト鈴木君に「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ」と告げられる。嘘つき?それとも何かのゲーム?数日後、探偵団は、本部と称して使っていた古い屋敷で死体を発見する!猫殺し犯がついに殺人を!?芳雄は「神様」に真実を教えてほしい、と頼むのだが、その答えは!?―。





PSPゲームの『TRICK×LOGIC』から好きになったこの作者、今まで自分が触れた作品は毎度読者を驚かせてやろうという意志が強く見えるものばかり。今回も例に漏れず、やってくれました。

まず、同級生に神様という何でも真実を知っていて教えてくれるという存在がいるという、奇抜な設定から始まる。猫殺しの犯人を教えてくれるというところから、神様という存在を証明する。そこから、猫殺しではなく、人殺し事件が起こったところ、その真相に度肝を抜くというお話。

本作をネタバレせずに感想を書けといわれると、難しい。
ちょっとした不満点もネタバレになるし、面白い!と思った点を書こうとしてもネタバレになってしまう。
上記の通り、度肝を抜かれたということを強調する他ない。

ちょっとネタバレさせてもらうと……

猫殺し事件の話の扱いがちょっと残念ということ。
犯人こそ分かるが、真相は明白には記述されていない。おそらくこうだろう、と思いながら終わる。ただ、東野圭吾氏の『どちらかが彼女を殺した』のように、本格派かつ難易度が高いというほどのものではない。読後はモヤモヤするが、読者側なりに冷静に考えて「あぁそういうこと!」と思わせる作品だ。

読後に、いろいろ考えてみると、『神様ゲーム』というタイトルは読者に対する挑戦のような感じもする点で、何ともミステリーな作品。
こういう癖の強さは好きだが、個人的にボリュームと値段を見比べて不満がある。


評価:★★★☆☆

神様ゲーム (講談社ノベルス)
麻耶 雄嵩
講談社
売り上げランキング: 70311
年内100冊ペースに届きそうだったが、定期的にやってくる読書モチベーションの低下時期が来てしまいました。

当サイト、しばらくあまり更新できそうもなさそうです。
モチベーションが戻り次第、再び平常運転します故、ブックマークされているGOD of 訪問者な人は是非ともお気に入りから外すことなく待機していただけますと助かります。

積ん読は山ほどありますが、更新再開の意思表明も兼ねて、更新再開したときのレビューするであろう書籍をざっと羅列しておきます。

『ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」』 小池 義孝 (著), さわたり しげお (イラスト) 小池 義孝 (著), さわたり しげお (イラスト)
『アカイイト』PS2ソフト
ROBOTICS;NOTESPS3ソフト
『九月が永遠に続けば』 沼田 まほかる
『震災トラウマ』 和田 秀樹
『神様ゲーム』 麻耶 雄嵩
『万能鑑定士Qの推理劇Ⅰ』 松岡 圭祐

etc...

まぁ、このレビューで更新再開をするか保証はできませんが、しばらくサイトの更新を停止(頻度の低下)します。
離婚するための共闘劇


さよならのためだけに【徳間文庫】

内容(「BOOK」データベースより)
「だめだ、別れよう」「明日必ずね」ハネムーンから戻った夜、水元と妻の月はたちまち離婚を決めた。しかし、少子晩婚化に悩む先進諸国は結婚仲介業PM社を国策事業化していた。PMの画期的相性判定で結ばれた男女に、離婚はありえない。巨大な敵の執拗な妨害に対し、二人はついに“別れるための共闘”をするはめに―。孤立無援の闘いの行方、そしてPMの恐るべき真の目的とは。





ゲームも入れたら四作目か。
まだまだ読了作品は少ないが、個人的に当たり外れが激しいという印象。今回はどうか。

BOOKデータベースにもあるように、結婚仲介業のPM社が開発した遺伝子による相性判定が国民的に普及し、中でもトップクラスの相性と判定された男女があまりの不仲に離婚を考えるというお話。
しかし、少子化に歯止めをかけることにもなったPM社の画期的相性判定は国策にもなっており、トップクラスの判定が出た二人は統計上は離婚率0%という数字がある。相性判定の信憑性、社の信頼を崩す、彼らの離婚話をPM社は決して許さない。そして、彼らの別れるための闘いが始まる、といったところ。

なかなか斬新な設定の恋愛ミステリーで、我孫子武丸氏らしい少しコメディなタッチの会話のやり取りにクスッとする

読み終えて。
恋愛ミステリーとのことだが、あまり真相に驚かない、ラストが読む前から想像したとおり、といろいろ残念。ミステリーというよりサスペンスという方がしっくり来るが、ハラハラドキドキな部分も個人的にはあまり無かった。
ユニークな設定とコミカル色が著者らしさだが、それだけかなあ、と。
少子晩婚化の国の行く末を感じる点では読む価値はあるかな、程度だった。


評価:★★☆☆☆

さよならのためだけに【徳間文庫】
我孫子武丸
徳間書店 (2012-05-02)
売り上げランキング: 162093
嫌いじゃないです


遠まわりする雛 (角川文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
省エネをモットーとする折木奉太郎は“古典部”部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。十二単をまとった「生き雛」が町を練り歩くという祭りだが、連絡の手違いで開催が危ぶまれる事態に。千反田の機転で祭事は無事に執り行われたが、その「手違い」が気になる彼女は奉太郎とともに真相を推理する―。あざやかな謎と春に揺れる心がまぶしい表題作ほか“古典部”を過ぎゆく1年を描いた全7編。






けど、好きとも言い切れない感じ。

さてさて、古典部シリーズ、第4弾。
今回は短編集ということで、各短編ごとにいつものごとく折木奉太郎が謎を解く形だ。
少ない謎から推理し、真実を見抜く本作の趣向。何となくつまらない話だったり、少し飛躍した推理がそのまま答えだったり、と不満点はあるが、青春ミステリーの形としてライトに描くならこんな感じでいいと思う。


タイトルとそれぞれの感想は以下の通り。


●『やるべきことなら手短に』
入部当時の、古典部に所属してしまった折木の心象を表すお話。いまいちパッとしなかったかな、と。

●『大罪を犯す』
ちょっとした謎を、少ない手がかりで真相に辿り着く古典部シリーズの基本に忠実な話。「……で?」という感想。

●『正体見たり』
ちょっとした謎を、少ない手がかりで真相に辿り着く古典部シリーズの基本に忠実な話その2。なんかアニメやライトノベルならサービス回かなぁ、という印象が残っただけで、ミステリー面の感動は薄い。

●『心あたりのある者は』
同じく、ちょっとした謎を、少ない手がかりで真相に辿り着く古典部シリーズの基本に忠実な話……なのだが、いつになく推理の飛躍がひどい。まぁ、『瓢箪から駒が出る』がお題だと思うので、こんなものかと。

●『あきましておめでとう』
折木と千反田が某所に閉じ込められ、脱出を懸命に試みるというちょっとエンタメ性が増した話。お二人の仲は……!と思いながら読むも……。

●『手作りチョコレート事件』
伊原がなぜ里志を好きになったのかはともかく、里志がなぜはぐらかすのかというのはそろそろ教えて欲しいところに、この話でようやく回収が入る。
感想を述べるならば、「ウゼえ……」と。古典部シリーズ全般に言える、妙にシャレた回りくどい台詞で煙に巻かれるウザさである。
高校生の人生の葛藤と言えば、聞こえはいいかもしれないが、ただの自分の哲学に酔っているナルシストにしか見えない。
例のごとく、サクッとしたミステリー要素がある。というか、今まで里志が伊原の求愛を拒んでいたのが謎にしたミステリー。
ついでに言うと、ゲームの話は縮めて欲しい。

●『遠回りする雛』
表題作。暖かい……。暖かい終わりだなぁ。なんかもうこれで最終話って感触がしてしまうほど。ミステリー云々無しで読んでおくべき。


前作の『クドリャフカの順番』で、残念だったところが完治して元に戻った感じがする。イメージとしては、シリーズ第1弾の『氷菓』前半のようなテイストだ。
全体の感想としては、まぁ特筆して面白いところはないかなあ。というところ。
良くも悪くも青春小説。ミステリー要素はおまけといった感じ。キャラクターに魅力を感じているなら読める、そうでなければ苦痛。というところ。

個人的には、そこまで魅力あふれる作品ではないかなぁと。だが、『愚者のエンドロール』が良作なだけに、どうも捨てきれない。そんな感じである。


評価:★★☆☆☆

遠まわりする雛 (角川文庫)
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング) (2010-07-24)
売り上げランキング: 351
 
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