またやってくれました
内容(「BOOK」データベースより)
芳雄の住む神降市で、猫の殺害事件が連続して発生!芳雄は同級生と探偵団を結成し犯人捜しを始めることに。そんなとき、転校したばかりのクラスメイト鈴木君に「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ」と告げられる。嘘つき?それとも何かのゲーム?数日後、探偵団は、本部と称して使っていた古い屋敷で死体を発見する!猫殺し犯がついに殺人を!?芳雄は「神様」に真実を教えてほしい、と頼むのだが、その答えは!?―。
PSPゲームの
『TRICK×LOGIC』から好きになったこの作者、今まで自分が触れた作品は毎度読者を驚かせてやろうという意志が強く見えるものばかり。
今回も例に漏れず、やってくれました。
まず、同級生に神様という何でも真実を知っていて教えてくれるという存在がいるという、奇抜な設定から始まる。猫殺しの犯人を教えてくれるというところから、神様という存在を証明する。そこから、猫殺しではなく、人殺し事件が起こったところ、その真相に度肝を抜くというお話。
本作をネタバレせずに感想を書けといわれると、難しい。
ちょっとした不満点もネタバレになるし、面白い!と思った点を書こうとしてもネタバレになってしまう。
上記の通り、
度肝を抜かれたということを強調する他ない。
ちょっとネタバレさせてもらうと……
猫殺し事件の話の扱いがちょっと残念ということ。
犯人こそ分かるが、真相は明白には記述されていない。おそらくこうだろう、と思いながら終わる。ただ、東野圭吾氏の
『どちらかが彼女を殺した』のように、本格派かつ難易度が高いというほどのものではない。
読後はモヤモヤするが、読者側なりに冷静に考えて「あぁそういうこと!」と思わせる作品だ。
読後に、いろいろ考えてみると、
『神様ゲーム』というタイトルは読者に対する挑戦のような感じもする点で、何ともミステリーな作品。
こういう癖の強さは好きだが、個人的にボリュームと値段を見比べて不満がある。
評価:★★★☆☆
麻耶 雄嵩
講談社
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