どうしてこうなった……
内容紹介
今後5年、世界経済の減速は止まらない!
・NYの株高は米国経済の回復を意味するのか?
・シェールガスは米国の救世主となれるか?
・ギリシャ後の欧州経済はどうなるか?
・長期投資、国際分散投資は今後も通用するか?
・20~30代にとって最も有効な投資とは何か?
人気エコノミストが説き明かす最新の経済予測
毎度おなじみ私がお世話になっている中原圭介氏の新著。後で述べるが、やや残念である。
章立ては以下の通り。
●第1章『米国経済はこれから5年が正念場』
著者が分析する米国経済の現状と今後を述べる。これから5年が正念場と主張する理由や、リーマンショック以降の経済の流れ、2012年11月の大統領選の考え方などをGDPや住宅価格などの数値を交えながら分析している。
また、明るい話として、シェールガスの発見についても触れている。
●第2章『欧州経済は「大停滞の時代」に突入する』
次は欧州経済について。前著を読んでいる身としては、各国大統領の考え、政策面の動き以外は特に真新しいものは無かったように思えた。日本の消費税増税に対する考え方も述べられている。増税は悪とは説かない著者だが、先行きはとてもじゃないが暗そうだ。
●第3章『なぜわたしたちはお金に縛られるのか?~資本主義の本質を知る』
章タイトルの通り、お金に縛られる現代人について、資本主義の本質を分析して述べていく。資本主義の限界に達しつつある現状を語り、問題提起に対する回答を後の章で述べる。
●第4章『お金の奴隷にならず豊かに生きる方法とは?~資産運用よりも自己投資を』
章タイトルの通り、どういう生き方がいいのか、特に若者向けに書かれている。この手の本を手にする人は「資産運用よりも自己投資」と言われるとギクッとする人も多いのではないだろうか。当の私のその一人だが、本章では投資も経済を見極める意味で自己投資と解釈するのもアリだとも書かれている。何がよろしくなくて、どうするのがよいかといった部分を知りたければ是非とも読んでもらいたい。
●第5章『これから20年、お金に困らない生き方と考え方』
ここも章タイトルの通り。ファイナンシャルプランナーのようなアドバイスが多い一方で、著者の所感を述べているだけと言えばそれだけ。教育、住宅、仕事、保険などの現実的な話題で占められている。
前半は今までの著者の本のマイナーアップデート。第3章以降は、経済面を考慮した一般的な自己啓発本という内容。若者向けと言うことで実に骨身にしみる内容だったが、
この著者だから買う、という信用買い以外にはあまり薦められる本ではないかと思われる。
これだけ投資関連、経済関連の書籍を出している著者があえてこういう提案をしている、というスタンスで読むなら問題ない。
投資関連の情報が欲しいならば、この著者の別の書籍を、後半の自己啓発的な部分を求めるならば、それに特化した書籍を探すのがよいと思う。
ここ最近のこの著者の書籍は残念気味なものが多い。
評価:★★☆☆☆
中原 圭介
東洋経済新報社
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