ちょっと残念。
内容(「BOOK」データベースより)
2012~13年、円高は最終局面を迎え、2015年までに「新興国ショック」「リーマンショック級の大激震」がやってくる!増やすよりも守る時代。マネー誌を中心に、高い的中率を評価される著者が「今後の経済動向」「大切な資産を守る方法」を詳しく解説。
私が信頼しているエコノミスト、中原圭介氏の新刊。2011年~2012年の経済予測について書かれた
『騙されないための世界経済入門』の続編と書かれている。
今後の投資や資産運用においてかなり参考にさせていただいているので、早速購入。
章立ては以下の通り。
●第1章『世界経済はどうなる?』
まえがきにもあるが、前著
『騙されないための世界経済入門』と重なる内容。これからの予測のための物事の本質を理解するための章というべきか。リーマンショックや欧州危機などを具体例として挙げながら、世界経済がどう回っていて、どうなるのかを教えてくれる。
すでに厳しくショッキングな経済予測が繰り広げられている。一体、各国の経済や政治は具体的にどうなるのか、私たちはどうすればよいのか、といったところは後の章に託される。
●第2章『欧州経済はどうなる?』
ギリシャを筆頭とした欧州の債務危機を主として、欧州経済がどうなるかを推測する。悲劇的な結末へと想像が止まらない内容であるが、欧州の国柄、文化、現在の経済状況といった部分を的確に捉えている印象を受ける。楽観すべき状況では無いことは間違いなさそうだ。
●第3章『米国経済はどうなる?』
ここ最近、雇用統計を始め、ダウなどで楽観的なとらえ方をされている様子の米国経済。果たして米国経済の現状は本当のところどうなのかを説く。ウォールストリートとメインストリートを区別せず考えていた自分としては非常に参考になった。QE2の反応はもちろんのこと、TPPの影響や大統領選、QE3についても述べている。
●第4章『新興国経済はどうなる?』
中国・ブラジル・韓国を中心に新興国の経済状況とその成り行きについて考察する。ただ、それら新興国の話題というよりは世界経済全般について述べているような印象を受ける。経済予測のまとめといった具合だ。
●第5章『2015年までの資産運用』
いよいよ本書の本題といったところだが、圧倒的にボリュームが少ない。投資や資産運用の方針を挙げてはいるが、やはりタイトルからわかるように、資産を守る形。
タイトルの通り、『資産を守る』資産防衛法を示している。
出版社の違いもあるので仕方ないが、『2013年 大暴落後の日本経済』とかぶっている部分も多い上、日本国債の暴落に関する記述は本書ではされていない。
最新の経済予測という点では決して期待を裏切らない内容ではあるが、前著
『2013年 大暴落後の日本経済』にあるような日本経済については薄く、投資面としては
『勝ち切る投資 お金の神様2』に適わない。
著者の意見のマイナーアップデートといった感触である。
評価:★★★☆☆
中原圭介
フォレスト出版
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