可もなく不可もなく……
内容紹介
初めてMT4にふれる方から、すでにMT4を使いつつも自動売買に興味があるユーザーまで、誰もが快哉を叫ぶ最高に詳しいガイドブックです。また単なる使い方だけではなく、しろふくろう独自のチャート分析法(儲け方)や独自のインディケーター、自動売買プログラムも解説、すぐに実戦で活用できる点も特徴です。
いや、可かなあ。という感想。
しろふくろう氏の前著
『FX最強のテクニカル しろふくろうのPIVOTトレード術 (WINNER’S METHOD SERIES)』には、お世話になっていることもあり、新刊を反射的に購入した。MT4の使い方という感触だが、システムトレードにやや興味があったこともあり、自動売買の項が少し読んでみたかった。
章立ては以下の通り。
●序章『これから来るFX第三幕に乗り遅れるな!』
ミセスワタナベ率いる、スワップ狙い。スプレッドの縮小による、ハイレバレッジのスキャルピング、といったようにFX業界の変遷を振り返り、著者の考えるこれから来るFXの方法論を提示し、以下の章へ繋ぐ。
●第1章『メタトレーダーで勝ち組トレーダーの仲間入り!』
メタトレーダーをwindowsのPCにインストールする方法を、画像を用いて丁寧に解説。外出先やmacで起動する方法も紹介しているが、詳しく解説はされていないので、リモートデスクトップやVPSについて明るい人でないと厳しいかと思う。
●第2章『チャートの基本操作を覚えよう』
チャートの追加方法、配置の変更、銘柄の変更など、本当に基本的な操作を教えてくれる。MT4を既に使っている人は読み飛ばしてよい。
●第3章『メタトレーダーで取引(売買)する方法』
メタトレーダーを使って、実際に取引をする際に、新規注文や決済注文はどうやってするのかを示している。このあたりは、PCの知識がない人向けに書かれているようで、PCの操作に慣れていて、成行、指値、逆指値、IFDOCOなどの意味さえわかっていれば、見ずにできそうだ。
●第4章『インディケーターを使って自分だけのチャートを作ろう!』
インディケーターの表示、パラメーターの変更、テンプレートとしての保存、ネット上のテンプレートをインストール、といったチャートの分析を行うインディケーターの基本的な部分を説明。付録のテンプレート「GMMAチャート」はぱっと見かなり安定感のありそうなインディケーターである。
●第5章『カスタムインディケーターを使ってオリジナルチャートを作ろう!』
前章のテンプレート同様、今度は自分だけの分析ツール、カスタムインディケーターをインストールしてみるところから始まる。著者のお墨付きのカスタムインディケーター「Support and Resistance (Barry)」「pivot auto」もダウンロードさせてもらえる上、活用の仕方も教えてくれる。
●第6章『自動売買を始めてみよう』
本書の醍醐味でもある、MT4を使った自動売買の方法を説く。バックテストのやり方や、EA(自動売買プログラム)の設定変更による最適化なども書かれており、自動売買初心者の自分にもわかりやすかった。
●第7章『EAプログラムの基本をマスターしよう』
「EAをプログラム言語を用いて、オリジナルシステムを構築しよう」というなかなかハードルの高い内容になっている。このページを見ただけでアレルギーが発症しそうな内容だが、これでも基本中の基本であり、もっと詳しく勉強したい人には他の書籍で、ということになる。
●第8章『どれも同じ、じゃない!安定性&信頼性が高いメタトレーダーを選ぼう』
MT4が国内の大手FX会社で採用されたということもあって、サイバーエージェントFXで口座を開いてMT4を使って取引しよう、という宣伝。
本筋とは関係ないが、
誤字脱字が目立ったのが読んでいて少し嫌だった。雑な出版である。
中身はフルカラーで、ページもそこそこ。画像などがたくさん使われているので、詳しさよりもわかりやすさ重視である。
MT4の活用法という主題で一貫しており、PC初心者から自動売買を始めてみたいという人まで幅広く読める内容となっている。
システムトレードはやはり自分の研究次第という雰囲気であり、この本を見れば大丈夫!とまではいかないのは仕方がない。
購入を考えている読者はその点考えておかねばならないだろう。
著者のオススメインディケーターなどをダウンロードさせてもらえるという点は「読んだだけで終わり」とならない強みであるが、
「これは!」と思わせるほどのものではない。
評価:★★☆☆☆
しろふくろう
ダイヤモンド社
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