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絶望を希望に変えられる・・・はず


2013年 大暴落後の日本経済
内容紹介
■国債急落で
■私たちの年収は
■いったい、どこまで下がるのか?

日を追うごとに問題が深刻化している欧州の財政危機。
世界経済を大失速させかねない危険をはらんでいるが、
これから、どのような未来が待っているのか?

そして、欧州の次に狙われるのが日本。



長いので、内容紹介は略します。さてさて、たびたび申し上げるとおり、私は著者中原圭介氏の意見をかなり信頼している。
妄信とまではいかないが、書店などに置かれている無責任気味な一過性の煽り文句だけの書籍とは違い、常に意見に一貫性があり、予測が間違っていたときは素直に認め、結果を分析し、読者に謝罪までするという真摯な姿勢は、追いかける価値のある著者だと思う。
しかしまぁ、著者中原氏の書籍を発売してからすぐに読むことは今回が初めて。タイムリーな意見を拝聴できるのは少しワクワクする。


●第1章『欧州財政危機の未来』
ギリシャショック以降、いまだ迷走を続けていると思えるユーロ圏。その欧州財政危機が今後どのように進むのかという点を、ヘッジファンドの戦略を考えながら著者が予測する。この原稿を書いているのが2011年8月という記述があるので、読んでいて少し出遅れ感はするが、2012年あたりを見た欧州財政危機の末路まで書いている。素人目には的を射た意見にしか思えない。

●第2章『欧州の次に忍び寄る日本の財政危機』
第1章より踏み込み、欧州危機の次はどうなるのか、という疑問に答える章。章題から察するに日本が標的という主張ではあるが、そもそも「なぜ現在日本円が買われているのか」という点から始まり、財政状況を見て「アメリカも標的になるはずでは?」という疑問にも答えている。『勝ち切る投資 お金の神様2』とかぶる点も多いが、著者の推測する未来を信頼して、今後の投資のファンダメンタルを頭に入れるのもよいだろう。

●第3章『日本は国債バブルの真っただ中』
まずは不健全な日本の財政についてから始まる。年金制度が破綻しているという現状を指摘する人は多いが、実際のところ、どういう年金制度にすることがよいのかという点も著者なりに考察する。また、日本経済のやりくりを会社員である個人で例えている点は面白く、わかりやすかった。
主題となる国債についてだが、本章では日本国債がバブルであると捉える理由が論旨で第4章に繋ぐ形となっている。

●第4章『ヘッジファンドが日本国債の暴落をもたらす』
さてさて、本書での最大の論点と思われる日本国債の暴落シナリオ。国内保有が大半なため、暴落はないと考えている人が多い日本国債はどうやってヘッジファンドによって暴落をもたらされるのか、著者の考えが書かれている。
また、フィクションネタとして、この国債暴落時の記事を著者なりに想像して書き起こしている。この記事になるような暴落シナリオは容易に想像できるが、週単位のスパンで迫られるほど激動になるのだろうか、と思ってしまう。おそらく、ヘッジファンドの仕掛けが容赦ないと踏んだ末の推測なのだろう。

●第5章『大暴落後、日本はこう変わる』
章題の通り、投機マネーによって攻撃された日本がどうなっていくのかを述べる。他国に比べ、消費税の低い我が国で増税の必要性を説く理由もわかり、法人税の減税など消費税以外の税制についても、他国の歴史を参照した上で考察している。
この章でも、フィクション記事を想像して書き起こしている。しかし、この暴落に対して危機感を抱くのではなく、あくまで日本経済に対しての危機感を著者は主張している。私には至極まっとうな意見と思えるが、詳しくは読んでみるべし。

●第6章『日本を豊かにするには、こうしなさい!』
ここでは、具体的にどうなれば日本は豊かになるのかを説く。第5章で述べた消費税を20%に、法人税は20%減、の数字に対する具体的な根拠も述べており、年金制度などの社会保障の観点にも考えをめぐらす。増税により消費が冷え込むことになることは考慮しているが、法人税減税による企業側の社員に対する待遇がよくなるかどうかは会社側に依存してしまうので、その辺り給与が増えるかどうかはいささか不安ではある。
会社員以外についても触れているが、具体的にどうなっていくのかは少し想像しがたい。そもそも、この経済脳が政府にあるとは思えないし、あったとしても目前の票獲得に囚われる与野党、実行力の無さ、国民の理解など様々な問題がありそうなので机上の空論になりそうだ。


全体的に、統計やグラフなどを用いた視覚的な訴えも織り交ぜているので、聞き慣れない経済ネタに対しても理解しやすくなっているのは好印象。ヘッジファンドの戦略を主体に考え、世界経済の先行きを考察するため、投資をしている人にとってはファンダメンタル面でよい勉強になるかもしれない。
実現するかどうかはもちろん不明だが、根拠はしっかりしており、一つのヴィジョンとして考えながら投資の方針を立てることができるほどの内容だと思う。

一方で、国内の経済政策などについて。
増税論に批判的な人のよくある『景気がよくなってから増税すべき』『消費税を上げても消費を控えられて税収は下がる』といった意見についてもきちんと反論している。
ただ、著者の増税論に納得はできるし、日本人の気質も理解しているのだが、『日本人は忍耐強く賢い』というフレーズは、デモやストがほぼ起きずマスコミや政府の言いなりな現状を、皮肉っているか読者を言いくるめるための美辞麗句に見えてしまう。

政治経済関連の本は、著者の意見がもろに出るので、評価は大変難しいのですが、危機を煽るだけでなく根拠もしっかりしているので、とりあえず4で。


評価:★★★★☆

2013年 大暴落後の日本経済
「2013年 大暴落後の日本経済」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:中原 圭介
 出版:ダイヤモンド社
 発売日:2011-11-11
 価格:¥ 1,575

 by ええもん屋.com
 
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