トンデモワールドがまた広がる
内容(「BOOK」データベースより)
伝説の魔術師が記した、天使を召喚することができるという驚異の魔道書『法の書』が、解読法を知るシスターと共にさらわれた。学園都市でぼけーっと日常を過ごしていた上条当麻には、それはまったく関係ない出来事―のはずだったのだが、“不幸”にも何故かその救出作戦に加わることに…。しかもさらった犯人は『天草式十字凄教』、つまり神裂火織が女教皇を勤めていた宗派だというのだ…!インデックスが所属する『イギリス清教』、今回の依頼主の『ローマ正教』、そして神裂火織がかつてトップにいた『天草式』。三つの魔術組織が上条当麻と交差するとき、物語は始まる―!
どんどん風呂敷が広がります。
今回は魔術側の世界が舞台。
魔術サイドには様々な派閥があり、お偉方の思惑などが働く事件に例のごとく不幸にも上条当麻が関わることになる。
前巻まではどこかつまらなさがあって、茶番な感じが拭えなかったが、今回はなかなか面白いんじゃないの、と思えた。
ストーリー展開が上手く、シスターを巡って説明される魔術世界の勢力の現状も、重たくはあるが、今回は苦痛は感じなかった。徐々に読みやすくなっているのか、それとも自分が慣れただけなのか。
さて、今回もいろいろと新キャラが出てくるこの禁書目録シリーズ。著者のキャラクターセンスはどこまで続くのか。
没個性な外見も特徴的な口調で個性を補うという、間に合わせ感たっぷりな新キャラだが、これだけ広大な世界を描く上ではこうでもしないとやっていけないのだろう。
可哀想なのは絵師か。とても仕事が大変そうである。
ともあれ、本巻は出来の良い話だったと思う。
評価:★★★☆☆
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