忍者ブログ
本、音楽、ゲームなどの書評、感想をネタバレしない程度に書いていきます。詳しくは『このブログについて』をご覧下さい。 貴方のインドアライフに役立てば幸いです。
プロフィール
HN:
エリシオ
性別:
男性
自己紹介:
読書とゲームと投資に明け暮れる、インドア特化型なしがない社会人
カテゴリー
リンク集
当ブログは、リンクフリーです。 相互リンク大歓迎です。 相互リンクを希望の際は helissio5963(アットマーク)gmail.com まで。アットマークは手動入力してくださいな。
ランキング
気に入ったらPlease Click!
人気ブログランキングへ
最新CM
[08/16 エリシオ]
[08/13 古宮昇]
[08/01 エリシオ]
[08/01 秋津学]
[11/22 エリシオ]
最新TB
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

良質ミステリー


ふたりの距離の概算 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
春を迎え高校2年生となった奉太郎たちの“古典部”に新入生・大日向友子が仮入部する。千反田えるたちともすぐに馴染んだ大日向だが、ある日、謎の言葉を残し、入部はしないと告げる。部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得できない。あいつは他人を傷つけるような性格ではない―。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、心変わりの真相を推理する!“古典部”シリーズ第5弾。






古典部シリーズ第五弾。第二弾の『愚者のエンドロール』以来、個人的には不発気味だったが、今回は満足。
 
話としては古典部に入部しようとしていた新入生が、突然原因不明の入部拒否をした謎を解く。それまではとても仲良しなムードだったのに何故!?と。
 
学校行事マラソン大会中に折木がその疑問を解決するのだが、なかなか素晴らしかった。一見なんでもないことから数々のヒントを察知し、推理する。伏線だらけの作品。
サクッと読めて納得の良質ミステリーだった。


評価:★★★★☆

ふたりの距離の概算 (角川文庫)
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-06-22)
売り上げランキング: 48556
PR
トラウマとその対処

震災トラウマ (ベスト新書)

内容(「BOOK」データベースより)
過度なストレスによる「PTSD」「うつ病」に要注意。心の長期的ケアのケースについて紹介。









トラウマ、PTSDについて詳しくなりたかったこともあり、購入。
章題は下記の通り。

●序章『震災の心のケアで必要なこと』
阪神大震災、東日本大震災を経験した人々の精神状態を見てきた著者が考える、被災者の心の声。彼らに対し、何が必要か、あるいは彼らの心にどういったことが起こる傾向があるか、などが書かれている。

●第1章『トラウマとは?』
初めに著者が指摘するように、日常語として浸透することよって、本来の学術的意味とズレが生じてしまうこともあり、きちんとトラウマについて知ってもらうのがこの章。『ヒステリー』という言葉が日常語とは全く違う意味だったことは知らなかった。
序章でも述べられていたが、トラウマ的出来事(例えば震災による所有物の喪失や家族の死亡)があったからといって、皆が皆トラウマを抱えるわけではないという点は一つのキーポイント。
トラウマが学術的に確立するまでの歴史を振り返っているとともに、解離などの症例も紹介。最終的にトラウマを抱える原理で閉める。

●第2章『トラウマ治療の原則』
治療薬や認知療法、行動療法といった、トラウマ治療の基礎的な部分に触れている。

●第3章『トラウマと疎外感』
トラウマを持つ人物がどのような精神に陥りがちなのかが非常によくわかる章。疎外感という言葉に集約され、人間不信というように、ボランティアの人にも心を開けないといった状態がどういう気持ちなのかも書かれている。被災している人といない人、被災の程度の差といった不公平感も論旨となっている。
また、コフートの自己愛ニーズを満たす3つのあり方について、素人ながら臨床場面での接し方に非常に有用な印象を受けた。

●第4章『トラウマとうつ病』
本章を読めば分かるように、トラウマとうつ病は併発しやすく自殺にまで追い込むことも少なくない。そういった事実を述べている章。

●第5章『震災トラウマをどう克服するか』
震災に限らず、トラウマやうつ病などの状態をどう克服したらよいかについて考察している。様々なケースがあるが、基本的には医師やカウンセラーを訪れ、信用するのが最もよい方法。しかし、「こいつはわかってくれてない」「そこまで症状が酷くない」と思ってしまうのも仕方がない。そういった場合の話もきちんと記している。

●第6章『トラウマ治療の重要性について』
トラウマやPTSDの現状と今後について考え、うつ病や統合失調症については詳しいものの、トラウマに対しての医療分野での専門家が乏しいことを指摘。由々しき事態だと認識した上で、今後、トラウマの治療に対してどうするべきか、といったことを述べる。

全体的に読みやすく、専門的な部分は柔らかく、現場と著者の経験を重視したわかりやすい仕上がりとなっている。
本書のタイトル通り、震災の被災者に対する考え方、特にトラウマやPTSDに対する考え方を中心に述べている。
日本では、心の問題は、以前に比べ重要視されるようになってきたが、それでも外国に比べて後進国であるという事実、またメディアによる過度な不安を煽ることによる暗示、こういった問題が起こっていることがわかった一冊。

震災に限らず、トラウマ治療という点で読みやすく分かりやすい良書である。個人的には解離などもう少し踏み込んでほしいところがあったかな、と。


評価:★★★★☆

震災トラウマ (ベスト新書)
和田 秀樹
ベストセラーズ
売り上げランキング: 420205
教科書です。

殺人鬼  ‐‐逆襲篇 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
伝説の『殺人鬼』、ふたたび。双葉山の惨劇から三年、最初にそれと遭遇したのは休暇中の一家。正義も勇気も家族愛も、ただ血の海に消えゆくのみ。そしてそれは山を降り、麓の街に侵攻するのだ。病院を、平和な家庭を、凄惨な地獄風景に変えていく。殺す、殺す、殺す…ひたすら殺戮を欲する怪物に独り立ち向かうのは、不思議な“能力”を持った少年・真実哉。絶望的な闘いの果てに待ち受ける、驚愕と戦慄の結末とは!?―。





ううむ。『殺人鬼 ‐‐覚醒篇』の続編のようだが、変わらずグロテスク表現の嵐。
気持ち悪くなる、というのは誉め言葉と思うが、あまりに酷い。もはや読みたくなくなる。

ストーリーとしての面白さが感じられないのは今回にも言えること。最後まで読んでも、「はぁそうですか……」としかならない。というよりも、殺人描写のインパクトが強すぎて、おまけ程度にオチを付けられた印象だ。

適当な感想で申し訳ないが、殺人描写の教科書といった位置づけで、それ以上でも以下でもなかった感じ。
逆に言えば、克明な殺人描写は目を背けたくなり、食欲を無くすほどにリアル。物書きを筆頭として、参考にしたい人には良い一冊である。


評価:★★☆☆☆

殺人鬼  ‐‐逆襲篇 (角川文庫)
綾辻 行人
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-02-25)
売り上げランキング: 94622
殺人鬼が大量殺人する話だが……!?


殺人鬼  ‐‐覚醒篇 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
伝説の傑作『殺人鬼』、降臨!!’90年代のある夏。双葉山に集った“TCメンバーズ”の一行は、突如出現したそれの手によって次々と惨殺されてゆく。血しぶきが夜を濡らし、引き裂かれた肉の華が咲き乱れる…いつ果てるとも知れぬ地獄の饗宴。だが、この恐怖に幻惑されてはいけない。作家の仕掛けた空前絶後の罠が、惨劇の裏側で読者を待ち受けているのだ。―グルーヴ感に満ちた文体で描かれる最恐・最驚のホラー&ミステリ。





話としてはホラー+ミステリーなのだろう。私的に好物の匂いだ。冒頭にはしがきがあり、内容は読者への挑戦めいていた。どういった挑戦なのかは読んでみてからのお楽しみ。と、もったいぶるほど明白な内容でもないのだが。はじめに読んだだけでは意図は測りかねる。

それ以降はいたって普通……というにはアレなスプラッターなホラー。グロテスク表現が苦手は人は読まない方がいい。
残虐な殺人シーンがメインで、引き込まれる。こういう引き込み方は邪道と言う人もいたりするかもしれないが、やはりフィクションにおいての恐ろしい殺人は見せ場であって、作者の筆力も相まって釘付けにされてしまった。

読み終えた感想。
この作品、ほぼすべて残虐な描写である。そして、冒頭に挑戦的に書かれているミステリー要素の謎。これには納得。屁理屈レベルと言われても仕方ないかもしれないが、ミステリー小説はこんなもんじゃないかなあ。伏線もしっかりしている。
ホラーというわけもあり、非科学を受け入れる必要はあるが、ミステリー要素の謎はそれに属していない。

ホラー要素のあるミステリー、というよりはミステリー要素のあるホラー。まぁ、面白かったけれども……。


評価:★★★☆☆

殺人鬼  ‐‐覚醒篇 (角川文庫)
綾辻 行人
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-08-25)
売り上げランキング: 84868
ラテラルシンキングの達人現る!

特等添乗員αの難事件I (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
掟破りの推理法で真相を解明する水平思考―ラテラル・シンキングに天性の才を発揮する浅倉絢奈、22歳。新人ツアーコンダクターとして国内外を飛びまわる彼女は、旅先で発生するトラブルから難事件まで、予想もつかない手段で瞬時に解決する。中卒だった彼女は如何にして閃きの小悪魔と化したのか?鑑定家の凛田莉子、『週刊角川』の小笠原らとともに挑む知の冒険、ここに開幕。人の死なないミステリ最高峰、αシリーズ第1弾。





万能鑑定士Qシリーズの姉妹編。凛田莉子や小笠原も登場する本作。

浅倉絢奈というツアコンが解決する事件もの。例に洩れず、人が死なないミステリーと謳っている。
さて、その主人公はというと、とんでもなくバカ。凛田莉子の学生時代の頃の話とはまた違った、まさに掟破りの思考をしている。
本編にもあるように、ラテラルシンキング(水平思考)を使う、今までの凛田莉子の論理的推理とはまったく逆の推理をする。
浅倉絢奈の馬鹿さ加減は、読むにつれて無くなるのは仕方ないことかもしれないが、凛田莉子のように常人とかけ離れた知識量の高嶺の花といった人物ではなく、親近感が湧く感じで、斜め上を行く発想の閃きを駆使するので、こちらの方が好きな人も多そうだ。

万能鑑定士Qと姉妹編ということもあってか雰囲気は同じような作品になっているものの、登場人物が変わるとまた面白く、斬新に感じるものだなぁ、と。
このラテラルシンキングという捻くれた思考がどのように推理に役に立つのかというところが見所なので、ちょっと万能鑑定士Qの名推理は飽きてきたな、という頃に読んでみるとよい気分転換になっていい。

肝心の話の方だが、比較的小粒にいろいろと事件を解決する感じ。
クライマックスの謎解きは痛快で面白かった。
万能鑑定士Qの時にも、なぞなぞみたいなちょっとした頭の体操が多かったが、本作はさらにその傾向が増して、事件の解決にまで結び付けるといった内容。ラテラルシンキングというのはまさにそういうずるがしこさ、虚を衝くナゾナゾのような思考だ。

純粋に面白かったです。しかし、いろいろ上手くいきすぎというごり押し感がある。


評価:★★★★☆

特等添乗員αの難事件I (角川文庫)
松岡 圭祐
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-02-25)
売り上げランキング: 48669
Copyright © めざせインドアマスター All Rights Reserved
Powered by ニンジャブログ  Designed by ピンキー・ローン・ピッグ
忍者ブログ / [PR]