よくこんなの思いつくなぁ
内容(「BOOK」データベースより)
天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを 知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初 の長篇、直木賞受賞作。
数学にしか興味の無かった男が隣人に恋をした。
そんな中、その隣人は元夫を殺してしまった。
その相手をかばうために、事件の隠蔽、完全犯罪を目論む。
東野作品に一冊も触れていなかった私に、友人が勧めてくれた一冊。
正直、感謝ものです。
スピード感がすごい。読んでいてスラスラと。逆をいえば、心理描写などが薄いかもしれないけれど、不足している、と気になるほどではない。
数学好きの男が主体なのだが、数学とストーリーとの絡め方もすばらしい。
こじつけ感がないことはもちろん、男の心理面、行動原理にきっちり結びついている作り込み。
結論もすごい。読者が推理できる仕様じゃない、などと批判もあるようだけど、
推理しよう、と思って読む人間ではない私には「うおお・・・マジか・・・」と普通に感激してしまった。
傑作じゃね? と思う。
評価:★★★★★
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