わからねえよ!
内容(「BOOK」データベースより)
婚約中の男性の自宅に突然現れた一人の女性。男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺をはかった。男は自分との関わりを隠そうとする。醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。事件の鍵は女が残した毒入りカプセルの数とその行方。加賀刑事が探りあてた真相に、読者のあなたはどこまで迫れるか。
とりあえず殺人が起こる前まで。
殺される男が周りから恨まれるクズ人間であることの説得力がありすぎて困る。
周りの誰に殺されても文句は言えないほどの、まさに四面楚歌の状況でついに命を落とす。
ここまでで3分の1ほどの文量だが、これほどまでにクズな人間を上手く表現できたなあ、とそこに尊敬してしまう。
そして、それからは推理タイムが始まる。
複数の容疑者側の視点で話が進み、犯人の視点では上手く事実を隠している。言うまでもなく、地の文で嘘をついていたりはしていないフェアーな推理小説である。
しかしまぁ、難しい。自分には到底真相にたどり着けない。
今回も以前読んだ『
どちらかが彼女を殺した』同様、犯人は明記されていない。
巻末の推理の手引き(袋とじ)を開いても、結局誰?という推理能力がない私。
今更ながら、書評と言うにはおこがましく、ただの読書感想サイトだなぁ、と我ながら思ってしまう。
犯人の推理もさることながら、登場人物の愛憎の形もろくに把握できていない気がする。
たとえば、美和子(服毒自殺を図った女)が、なぜ殺される男のようなクズと結婚する気になったのか、など。
しかし、ネタバレサイトを覗かせていただいて犯人を確認するも、どうもすっきりしない点がある。
文庫版で犯人を変えたことが原因なのだろうか。
とにもかくにも、自分の読解能力では評価を下すのはおこがましい作品だなぁ、と。
評価:★★★☆☆
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