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ほんと、よくわかります。


よくわかる色彩心理 (図解雑学)
内容(「BOOK」データベースより)
心理学の中で、色彩と心理の関わりに対する研究は比較的新しいものです。しかし、「色が人の気持ちに影響を及ぼす」といえば思い当たる人も多いでしょう。本書では、色彩学と心理学の基本から、色が感覚に与える影響、色をつかった心理テストや芸術療法、色の歴史と各色のイメージ、衣食住など日常の中の色、色を感じるしくみまで、色彩と心理の関わりについて文章と図版で幅広く解説しています。不思議な「色の効果」を体感しながら、色彩と心理の関わりについて理解を深めて下さい。



なげやりなキャッチコピーを書いたが、ほんとによくわかる。

見開きで一つの議題をまとめ、左ページは文章、右ページは絵や図を用いた説明といった分かりやすい構成がウリの図解雑学シリーズ。心理学に興味が絶えない自分の中でまた未知の分野、色彩心理についての本に手を出してみた。
しかし、この色彩心理というタイトルに『心理学』とまで書いていないのには、第1章にも述べられているように、まだ学問として確立されていないからである。色から受ける心理的影響などについての研究はまだ問題が山積みなのだろう。

章題は以下の通り。

●第1章『心理学と色彩学』
色彩心理学というものは、未だ学問として確立できていない。その原因をさらっていく章。心理学と色彩学それぞれの特徴とその融合の困難さを述べている。また、物理学、生理学、心理学、民俗学といった様々な学問からの色の捉え方を簡単に述べている。
構成的に、内容はさすがに表面的で、もっと詳しく知りたい部分がある。

●第2章『色が知覚に与える影響』
最初にある『色の恒常性』という部分から、「あぁ、たしかに」と思う。我々は暗闇の中でも、オレンジ色の光を当てても、白い紙が白く見える。色に限らず、形や大きさ、明るさといった面でも恒常性は見られる。でなければ、世界を安定して認識でないからだ。そんな認識の話から始まり、色が生じさせる感覚について述べている。
知覚面では、一般でよく知られている錯視の例を挙げ、色相対比や色の同化といった、同じ色なはずなのに違う色に見えるという人間の脳の作りを教えてくれる内容。この辺りの話は、日常的に営業戦略としても利用されているので、読んでいて面白かった。
また、色から生じさせる感覚では、寒色や暖色、重い色や軽い色、膨張色や収縮色、進出色や後退色、派手な色や地味な色を紹介。図解で見てみるとこれほどわかりやすいものはない。

●第3章『臨床の場における色』
ここでは、臨床の場で用いられる心理テストなどと色彩との関係を述べている。ロールシャッハテストやTATなどを始め、様々な心理テストと色の関連性が説明されている。その回答などから見る人間性や心理の部分にも触れているが、全体的にやはり広く浅いのは仕方がない。もちろん、これを読めば心理テストができる!なんてほどの専門性は無い。「こんなものがありますよ」程度である。

●第4章『各色の歴史とイメージ』
章題の通り。まずは、『人間がどのように色を色をして認知し、命名したのか』といった哲学的なところから始まる。そして、赤、黄、青、といった具体的な色から感じる印象を歴史的民俗学的見地から考察している。各色にそんな歴史があるとは、とちょっとした雑学気分で楽しめる。

●第5章『日常生活の中の色』
色と衣服、流行色、食べ物、建物や環境、色彩を使ったビジネス戦略、といったように、我々の生活にある色の使われ方とその効果についてを分析。インテリアの色、勉強や仕事に集中できる空間と言った具合に、実践的で共感できる部分が多く、読んでいて面白い。

●第6章『色の基礎知識』
ここでは、これまでとは打って変わり、大まじめな学術的な話になる。具体的には、光や色を感じとる原理、人間のどの器官を刺激して認識させるのか、老眼や白内障の話、加法混色や減法混色といった、基礎知識と言っておきながらも、なかなか専門的なところに突っ込む。もちろん、これでも軽く触っている程度なのだが。


図解雑学シリーズにもってこいの色彩という題目。全体的にわかりやすく、図解ならではの色から受ける印象を体感できる。
不満点は、やはり鮮明なフルカラーで刷ってほしかったかな、と。まぁそうなるとコストの問題が出てくるのだろうが、色彩だけに鮮明な色での説明を受けたかった。


評価:★★★☆☆

よくわかる色彩心理 (図解雑学)
「よくわかる色彩心理 (図解雑学)」
 [単行本]
 著者:山脇 惠子
 出版:ナツメ社
 発売日:2005-09
 価格:¥ 1,470
 
 
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本格ミステリーと言われまして


しらみつぶしの時計

内容(「BOOK」データベースより)

気がついたとき男は閉ざされた施設の中にいた。そこは、無数の時計が配置された不思議な回廊だった。そして時計はすべて異なる時を刻んでいた。1分ずつ違った、1日24時間の時を示す1440個の時計―。昼夜も知れぬ不気味な空間から脱出する条件は、6時間以内に、その中から、たった1個の“正しい時計”を見つけだすこと!神の下すがごとき命題に挑む唯一の武器は論理。奇跡の解答にいかにして辿り着けるのか。極限まで磨かれた宝石のような謎、謎、謎! 名手が放つ本格ミステリ・コレクション。



ちょいと購入。

著者は、とことん本格ミステリを貫いているという話を聞いて、興味がわき本書を手に取った。
短編集である。
短編の素晴らしさがなかなか輝く作品集だ。著者の筆力がにじみ出る。開始1、2ページで伝わる物語の様子と登場人物の気持ち。サクッと読める事この上ない。

各短編ごとの感想を述べると・・・・・・


●『使用中』
殺人絡みの本格推理かと思ったら、単に心理描写を追求したミステリーといった感じ。こんな小説もありなのか、という認識。ミステリーは本当に広義である。

●『ダブル・プレイ』
オーソドックスな交換殺人だな、という印象。結末が予測できてしまったのは喜ぶべきか悲しむべきか。簡素な感じが短編の良さだが、この作品は少し味気なさがあった。

●『素人芸』
なかなか面白く、なかなか上手に仕上がっている感じ。このだまし方は結構気に入りましたが、ちょっとやりすぎでしょう(笑)

●『盗まれた手紙』
なんだか小難しい。外国人の名前を覚えるのが下手な自分にはそれだけで厳しかったが、それ以上になんか小難しい。トリックも「おぉ!」というほどではないし、なんだか難しいの一言です。

●『イン・メモリアム』
わからない。オチもそうだが、全体としてこれは何なんだろう。現実の話とリンクした内容なのだろうか。さっぱりわからないので、理解できている読者から叱咤の声が飛んできそうで怖い。

●『猫の巡礼』

オチが気になって気になって、展開もなかなか面白くて読みふけったけれど、私の読解力ではただのいい話にしか読みとれなかった。ネタバレサイトに行って出直してきます・・・・・・。

●『四色問題』
なかなか難しい事件で、どう攻略するのかという点が気になったが、スカッとする感じではないなぁ。小難しくひねりすぎな印象がする。

●『幽霊をやとった女』

いたって普通なハードボイルドもの。探偵が事件に巻き込まれ解決。うん、それだけ。探偵ものの教科書のような構成。

●『しらみつぶしの時計』

本書のタイトルでもある作品。一分ごとにずれた1440個の時計が並ぶ回廊から、本当の時刻(日本の標準時刻)を探すというゲーム。二人称視点の作品を触れるのは、ほぼ初めてなので少し戸惑った。読者への挑戦的な意味合いもあってのこの視点だろう。
結末は肩すかし感こそしたが、こういったトンチはこれまで読んできた短編からも著者が好みそうな感じだなぁと思う。悪くないです。

●『トゥ・オブ・アス』

なかなかいろいろと複雑な事件。真相は「なるほど」とは思うけれど、ご都合主義というか偶然に偶然が重なりすぎているので、そこは目をつむりながら読むしかない。


総観としては、著者の様々なミステリーを堪能できる短編集といった感じ。
上記に述べた「オチがわからない・・・・・・」といった部分は読解力の問題もあるが、あとがきで少し各作品の説明もあるので、これを読んで「あぁ、こういう作品だったのか」と納得もできる仕様だ。
数々の短編を収録していたけれど、特筆して「好きだ!」と言える作品がなかったのが残念。敢えて選ぶならば「素人芸」。このバカバカしさはなかなか楽しめた。

まぁ、この値段を払って買うほどじゃなかったな、という意味でこの評価だ。


評価:★☆☆☆☆

しらみつぶしの時計
「しらみつぶしの時計」
 [単行本]
 著者:法月 綸太郎
 出版:祥伝社
 発売日:2008-07-23
 価格:¥ 1,785

 
しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル)
「しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル)」
 [新書]
 著者:法月綸太郎
 出版:祥伝社
 発売日:2011-02-11
 価格:¥ 920
 
パリと言えば・・・!

万能鑑定士Qの事件簿V (角川文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
お盆休みにパリ旅行を計画した凛田莉子を波照間島の両親が突然訪ねてきた。天然キャラで劣等生だった教え子を心配した高校時代の恩師・喜屋武先生が旅に同行するというのだ!さらにフランスで2人を出迎えたのは、かつて莉子がデートした同級生の楚辺だった。一流レストランに勤める彼は2人を招待するが、そこでは不可解な事件が起きていた。莉子は友のためにパリを駆け、真相を追う。書き下ろし「Qシリーズ」第5弾。




表紙から察せられるように、今回の舞台はパリ。芸術関連の鑑定になるのかな、と思いながらまたトリビアの勉強がてら本書を読むことにした。

序盤。
いつの間にやら大盛況となった主人公凜田の店で、これ見よがしに披露される鑑定眼。普通の題材の小説ならば、知識自慢の嫌みたらしさになるが、万能鑑定士ともなれば、その博識に頭を下げるしかない。

その後、ひょんなことからパリ旅行へ出かけることにした凜田。それを聞いて現れたるは、故郷の父母と高校時代の恩師。彼らは学生時代の凜田の鈍くささを心配し、今では鑑定士として活躍していることも知らずに、上京してきたのだ。彼らの沖縄人特有(?)の穏やかでマイペースな人柄は思わず微笑んでしまう。
今回は、その恩師との二人旅となる今回のパリ旅行。その旅先で、事件に巻き込まれる、というお話だ。

パリの文化、町並みなどの描写は、旅雑誌を読んでいるように思い浮かび、雑学気分を味わえる。
パリといっても芸術の点での話ではなく、今回はフォアグラを巡る話。食文化についての記述が多く、いろいろな知識がつくのが本巻である。

しかしまぁ、ミステリーの面白さとしてはピンとこなかったかなぁ。残念な意味でやはりキャラクター小説。とはいえ、終わらせ方が気に入ったので、評価はこんな感じ。


評価:★★★☆☆

万能鑑定士Qの事件簿V (角川文庫)
「万能鑑定士Qの事件簿V (角川文庫)」
 [文庫]
 著者:松岡 圭祐
 出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
 発売日:2010-08-25
 価格:¥ 540

 
これまた懐かしい物を


人間・失格―たとえばぼくが死んだら (幻冬舎文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
集団で他人を傷つけるハイエナ達よ、僕は…凄惨なイジメによって、少年が自殺した。真相を知った父親の中で鈍くきらめく光。しかし…人は人を裁けるのか。父子の絆、イジメ、少年愛…大反響を呼んだ問題のドラマを小説化。






掘り出してきました。これを知っていたらある程度歳がばれます。
まぁ、BOOKデータベースが日本語になっていない気がするが気にしない。

久しぶりに野島伸司作品を読んでみたくなってきたので、なかでも名作という評価を聞く本書を手に取ってみた。

二十年近く前のドラマのノベライズ。
さすがに古い作品なので、現代の教育現場とは違う状況下の出来事なので、今読んでみると、ストーリーに違和感を持つかも知れない。現代の生徒に過保護で過敏すぎる親のいる頃とは違う時代だなぁ、という。
だからこそ起こってしまう事件なのだが。
また、映像作品のノベライズなだけあって、サクサク進むという利点はあるが、場面転換が頻繁で話を追うのが少し忙しい。個人的には地の文の少なさもあり、登場人物の具体的な個性や心情、人間関係の理解に苦しむことが多かった。

しかしまぁ思春期の攻撃性がうまく表現されているな、と思う。
また、いじめられる側、誰にも受け入れてもらえない少年も然り、ただただ読みながら見守ることしかできない歯がゆさがウリである一方、なぜここまで周りに理解者がいないのか、客観的な対応ができる人物がいないのか、という点は少しご都合主義かな、という感じはした。親も教師も生徒も頭が悪すぎるというか。
だがまぁしかし、こういう救われない人、クズな人間を描くという点では大成功で、これでもかというくらいだ。
実際にこれに似た状況下にたたされた人間も現実にいるとは思うし、誰にも受け入れられず苦悩する姿に感情移入できる。
周囲の人の無能・クズっぷりにはリアリティを感じなかったが、あえてこの尖りきった設定はある種で面白いほど悲劇的で陰惨。タイトルに恥じないキャラクターと思える。
このドロドロの暗い現実、倫理観を出すのがこの著者なのかもしれない。

元がドラマだけにドラマチックすぎるフィクション感がするが、ストーリーとしては悪くないなぁ、といったところ。


評価:★★★☆☆

人間・失格―たとえばぼくが死んだら (幻冬舎文庫)
「人間・失格―たとえばぼくが死んだら (幻冬舎文庫)」
 [文庫]
 著者:野島 伸司
 出版:幻冬舎
 発売日:1997-04
 価格:¥ 641

 
なんたる悲劇・・・・・・!!


ある少女にまつわる殺人の告白
内容(「BOOK」データベースより)
「亜紀ちゃんの話を、聞かせてください」10年前に起きた、少女をめぐる忌わしい事件。児童相談所の元所長や小学校教師、小児科医、家族らの証言を集める男の正体とは…。哀しくも恐ろしい結末が待ち受ける!2011年『このミス』大賞優秀賞受賞作。






タイトルのひねりのなさげな印象も相まって、湊かなえ氏の『告白』の二番煎じなんじゃないの?という気持ちがしてしまったが、あらすじがなかなか面白そうな雰囲気を醸していたこともあっての購入。

ある事件に関する関係者の証言を元に輪郭を辿り、事件の恐ろしさや真相を知るという構成。
やはりインパクト面では『告白』の二番煎じ臭がするが、表現力ではなかなか味わいの深い真似できそうもない力を見せている。凡人の私には書けないような鋭い比喩表現。作家にはこういった文章的センスが必要なんだな、と思わされる。

それにしても、一見児童虐待の悲劇という言葉だけ(だけというのも失礼ですが)で終わりそうな内容だが、どれほど掘り下げてどんな真相が待ち構えているのか、という点で気になるというのが本書の題材のよいところか。読み進めるにつれて、悲劇が想像以上の悲劇に、そしてその想像も遙かに上回る悲劇に、といった風な展開を見せる。
最後まで、誰がどういった事情でどうなったのか、といった部分がわからない、本当に『ある少女にまつわる殺人』についてしかわからない構成だけに、先が気になって読みふけてしまう。

児童虐待と児童相談所や法律についての下調べと小説題材としての敷衍は完璧。こういった社会問題性を提示する一面を持つ作品は総じて評価が高い気がする。構成こそ、湊かなえの『告白』を模したイメージだったが、とんでもない。あちらがエイズならこちらは児童虐待といった感じだが、それにしても、内容はむしろこちらの方が深遠だと思った。
真相はスタンダードではあるかもしれないが、その後のインタビュアー自身や現在の状況で締めくくる点はいい工夫がされている。単なるハッピーエンドでもこれでもかという不幸なエンドでもない、「これが現実!」といった感触は個人的に痺れた。

ぐいぐい引き込まれてすぐに読了してしまった点もあり、満点で。


評価:★★★★★

ある少女にまつわる殺人の告白
「ある少女にまつわる殺人の告白」
 [単行本]
 著者:佐藤 青南
 出版:宝島社
 発売日:2011-05-06
 価格:¥ 1,470
 
 
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