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心理学とはどういうものか


フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学
内容(「BOOK」データベースより)
ココロからウロコが落ちる!本書では、心理学の基礎から応用までをやさしく解説。特に、実験、観察、数値化などによる科学的エビデンスを重視。これらの研究成果をもとに、わかりやすく紹介します!取り上げられている手法は、広告、マーケティング、販売促進、自治体の防犯対策など、身の回りで応用可能なものばかり。本書を読めば、実践的な知識が身につきます。




心理学って胡散臭い。と思う人も多いはず、その一方で、臨床心理学、認知心理学、発達心理学、教育心理学、といった言葉を知っている人もいるだろう。そんな謎多き?心理学について知りたい人に向けて書かれた良書。

最近、テレビ出演も多い著者の心理学の本。どうやら、今までさまざまな著書を出版しているようだが、本書はその中でも『本当にわかる』心理学という意味で、俗っぽい心理テストや深層心理といった部分を真っ向から否定して書き始めている。
それまでの出版社からの依頼は外連味あふれるものばかりだったのだろうか。
とりあえず、ある程度本格的な内容っぽいので、購入してみた。


●第1章『心理学とは何か』
まずは、著者が研究してきた心理学というものの考え方について述べている。著者は心理学と聞いて思い浮かびがちな、フロイトやユングの深層心理や無意識といった最もらしいスピリチュアルな点を批判的な目で見ている。たしかに、一昔前の精神分析よりも現代的な心理療法やカウンセリングなどの実践的分野へ視野を広げた方が学問的にも科学的にも有用な印象を受ける。そもそも、心理学が一般的に胡散臭いイメージを帯びているのは、その深層心理や無意識といった決して結果として見ることができないもののせいだからかもしれないと思う。もっとも、私はフロイトもユングもアドラーもほぼ知らないと言ってもいいほどなので、あくまで印象ではあるが。
つまり、この章で言いたいことは、心理学をフロイトやユングの築いた『深層心理学』とヴントが築いた『実験心理学』に区別し、科学的論拠、目に見える結果が伴う『実験心理学』について考えていこうということ。スピリチュアルではなく、科学な内容であることを強く説明している。
そして、本書の提示する心理学は、日常で口にしやすいような実践的な内容を目指しており、認知心理学や発達心理学といった枠組みで固めた心理学ではなく、以後の章題にもあるような多角的な方法で研究し体系化した心理学を教えてくれる。というのも、本章に書かれているように、『○○心理学』というのはあくまで便宜的に分野を区切っているだけであり、その心理学だけでは説明しきれず様々な心理学から研究しないと人の心を知ることはできないからである。
この章だけで、いきなり現代科学的な心理学である実験心理学に対する興味が沸いてきた。フロイトやユングに触れようかと思っていたが、ヴントやコフートの心理学を学びたくなった。

●第2章『「現象」から見える心理学』
日常的な現象を心理学的にどう考えていくか、という章。『自分を好きになる方法』『見るなと言われたら見たくなるのはなぜか』といったことから、『三人寄れば文殊の知恵』『美人は三日で飽きる』とは心理学的にどうなのか、といったことが述べられている。この章を敷衍したものが巷で溢れかえっている『~心理術』といった啓発本に繋がっていると言える。

●第3章『「実験」で測る心理学』
様々な実験を挙げ、その効果と日常生活での活用法を示している。飴と鞭によるモチベーションの変化や、記憶力アップの秘訣、集団心理やマインドコントロールといった部分を心理学の実験を元に解説。

●第4章『「観察」で見抜く心理学』
乳幼児の発達のような、特定の個人を長期的に観察することで心理的変化を研究する、『観察』を主体とした章。まずはひらめきや、偽りの記憶を起こす原因などについて述べている。ステレオタイプ、発明、愛、社交性、友情、といったものの芽生えや影響についても実験(観察)結果を通して考察している。分類としては、発達心理学の内容が多め。

●第5章『「理論』を整理する心理学』
ここでは、数々の研究者が心理学を通してまとめ上げた理論を紹介している。整理することで、実践的かつ専門性を理解しやすい形にしている。本書では、意欲やモチベーションの法則、性格の分類、ストレスマネジメントなどが挙げられている。「理論」というだけあり、噛み砕いているとは言え、小難しくなっている。

●第6章『「技法」を提示する心理学』
第5章の理論を踏まえた後、心理療法のような臨床的応用に踏み込む章。ここも専門的な点を頑張ってわかりやすく説明しているようで、今まで私が読んできた実用書ではただ単にこういった療法があるという程度で頭に入れていた部分を、一歩踏み込み、その仕組みを専門用語を用いながら説明してくれている
オペラント条件付けやSR理論、ABC理論、森田療法、内観療法や絶食療法など様々な療法的アプローチを著者なりにまとめあげ、簡潔かつ読者にわかるよう書かれている。
不安障害や抑鬱や自己中心的な考えを治す方法、心のリフレッシュ、自己暗示、などメンタルヘルスに関する記述が多分にあり、治療者やカウンセラー側の狙いをまとめている。内省する力のある読者ならば自分に対する応用もできると思われる。もちろん、専門的な治療を要する状態と思うならば、実際に医療機関を訪ねるべきだが。

これ系のタイトルの本は、俗受けを狙いすぎて極論じみた眉唾物か、学術的で研究者の門を叩く人向けか、のどちらかという勝手なイメージがあったが、本書はその点でとてもバランスが良い著作
『シロクマのことだけは考えるな! 人生が急にオモシロくなる心理術』に書かれていた内容とかぶる部分がある。ボリュームの関係もあり、内容の濃さはさすがにこちらに軍配が上がる。何より、専門用語を遠慮無く紹介する一方で、わかりやすい説明を怠らず、日常生活に対する活用もしっかり抑えている点は素晴らしい完成度である。
まぁさすがに実用書ということもあって、専門的に踏み込むことはないが、心理学に興味のある自分には「もっと深く知りたい!」と思わせてくれる内容が多く、また自分がどういったところに興味を持っていて、深く知りたいのかハッキリさせてくる内容でもあった。


評価:★★★★★

フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学
「フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:植木 理恵
 出版:日本実業出版社
 発売日:2010-02-26

 
 
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