ピアノに乗せられた癒しの音楽
大嶋啓之氏の音楽に魅せられ幾星霜、墓場まで持って行きたい曲の数々を私に提供しただけに、今回もこの自主制作CDの発売を知るやいなや即飛びついた。
今回は5曲収録のミニアルバム。大嶋氏自身が言っている通り、ピアノを中心とした奇を衒わない誰にでも落ち着いて聴ける音楽がテーマである。ピアノ以外の楽器編成は、コンピュータサウンドよりは民族音楽調。
前作『
睡眠都市』もそうだが、今作『ハルモニア』も『癒し』である。
しかし、悲しく陰鬱で、一人佇んでいるような曲ばかりであった前作に比べ、優しく包まれるような曲ばかりであり、同じ癒しでもコンセプトは対照的である。
また、ボーカルは癖のない調和に長けたボイスである。しかし、個人的にはもう少しボーカルの主張が弱い方がよかったかなぁ、という感じ。POPSな音量調整よりは子守歌みたいに聴いていたい、そう思わせる曲が多かったからかもしれない。気のせいかも知れないが、トラック2の『虹の橋へ』では特にそう思った。
気に入った曲は以下の通り。
4.面影
イントロのフルート(?)から耳に滑らかに流れ込む。ジャズバーを想像してしまうムード音楽といえる。
5.ハルモニア
安らぎ。このアルバムのテーマを感じさせる、美しいピアノの旋律と控えめなボーカルが印象的。
ピアノ+ボーカルの構成で、癒し、優しい感じが好きな人にはピッタリなアルバムである。
評価:★★★☆☆
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