面白くはないけど、よくわかった。
内容(「BOOK」データベースより)
本書は、「今日のニュース」や「いま社会で起こっていること」がどのように株価に影響するのかをまとめています。経済のしくみを理解したい方、株式投資の入口に立とうとしている、または立ったばかりという方に、経済・社会現象と、株価の動向がどう結びついているのかを、ぜひ、知っていただきたいと思います。
風が吹けば桶屋が儲かる、なんて言葉があるけれど、その原理について理解できていなかったりするものだ。こういった世の中の仕組みとして、ニュースと株価の関係が挙げられる。どんなニュースがどんな株にどう影響するのか、という興味から、本書を取ってみた。
章立ては以下の通り。
●第1章『株価とニュースのおさえるべき基本を知る』
章題のように、非常に基本的なことを図説付きで説明している章。この本を読みたい人はたいてい想定済みの内容だと思う。
ここで基本をおさえることで読者の意識と現実とのブレを無くす章と言ったらよいかもしれない。
●第2章『株価とニュースの関係を知る』
投資家の動きで株が左右するという大原則について触れた後、景気や金利、政策、経済指標、税金、戦争、自然災害といったニュースから株価との関係を示す章。分かった気になっていても、実は分かっていない事柄もそこそこあった。たとえば、円安になると、輸出企業は一般的に株高になるが、逆に株安にもなる原因について、など。
一般的にどういう動きをするか、その例外はどうなるか、といった事を書いている。
●第3章『時事ニュースに影響を受ける株とは?』
M&Aや、トレンドの品、オリンピック、プロ野球、など
時事的な事柄が影響する株の一例を提示。
あとがきにもあるが、
本書に書かれている内容は、すべて「~のニュースがあったから、どの株が上がる」と決めつけることは危険なことだ、と認識しなければならない。あくまで、一般的な動きとして頭に入れておくくらいである。それに、よいニュースがあったとしても、それを超える悪い噂が投資家に流れているのであれば、その株は下がるわけである。はたまた、手に入れた情報はすでに織り込み済みであることなどしょっちゅうかも知れない。
とりあえず、本書はニュースなどで入手した情報を株の値動きに汲み取ることになった時には、参考程度としてありがたいが、
個人投資家としては情報戦で勝てることはまず無さそうな印象なので、ポジションを取るときよりも決済のタイミングに活かせるのかな、といった印象。
考え方の勉強にはなるのだが、目から鱗が落ちるようなことがあるわけでもなく、あくまで投資家のファンダメンタル分析の一助となる最低限の知識が書かれているかな、という感想で、なんとなく物足りなさが残った。
評価:★★☆☆☆
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