株に勝つ方法がここにある!
内容紹介
■どんな相場でも通用する投資方法
初めに中原氏の投資スタイルについて詳しく説明し、その次に外国人投資家の売買方法や考え方を解説しています。中原氏の投資スタイルは、相場のトレンドに応じて投資対象や投資期間、ポジションの大小を柔軟に変化させていくことです。そして実は、相場のトレンドと外国人投資家の売買動向は表裏一体の関係にあることが具体的な事例をもとに明かされていきます。
投資テクニックは有用なときと有用でないときの差が甚だしく、廃れてしまうことも多々ありますが、骨太の投資スタイルは微調整をすることで、どんな相場でも通用します。世界同時株安が起こっても心配いりません。
と書くと、実に胡散臭いが、実際問題、この分析は勝利の近道を提示していると思われる。
具体的には各章の通り。
●序章『上げ相場でも下げ相場でも儲け続ける私の運用スタイル』
どんな相場でも儲ける著者の運用スタイルをざっと公開。後の章題を見たらわかるのだが、相場の大局を見極めてから自分の運用スタイルを決める、リスクリターン配分に常に気を遣った、良い資産運用と言える。
●第1章『大きな上昇相場では「優良株」を中心に運用する』
主張は章題の通りである。上昇トレンドとは何か。どうやって上昇トレンドを発見するか。エントリーとエグジットのタイミングを見るか。優良株とは何か。どうして優良株を中心に運用するのか。といった事を懇切丁寧に教えてくれる。
●第2章『ボックス圏相場では「仕手株」を中心に運用する』
同じく主張は章題の通りで、ボックストレンドとは何か。エントリーとエグジットのタイミング、仕手株について教えてくれる。ボックストレンドは、『上昇→下降』、『下降→上昇』、と区別しづらいので、判断の仕方が初動では難しく、そのあたりの対処の説明もしている。
仕手株は初心者お断りという世評が広まっていることもあり、他の株と違い、セオリーも違うので、取引方法をこの章で参照するのがよい。
●第3章『大きな下降相場では「材料株」を中心に運用する』
大きな下降相場の説明と、材料株とは何か。ポジションのエントリータイミングとエグジットタイミングについて説明している。下降相場で買うということもあり、なかなか難しそうな印象。優良株を空売りするという選択肢も提示している。
●第4章『外国人の動向を追えばトレンドがわかる』
本書のタイトルにもある外国人投資家の動向について説明し、トレンド補足の方法を示している。外国人投資家を追従する根拠はもちろん、北米と欧州とでその動き方は違う、といった点も解説している。
●第5章『外国人の銘柄選別と売買タイミング』
章題の通り、外国人投資家の銘柄の選び方と、買うタイミング、利益確定売りや売り浴びせのタイミングを研究。たしかに、こうやって見てみると、彼らは非常に勝ち組の投資方法をしている。のだが、なぜ日本人はいつも彼らにトレンドを握られているのか。やはり日本人個人投資家が一番の負け組なのだろう。
●第6章『新興市場株の銘柄選びと売買タイミング』
ここでは、ジャスダックやヘラクレスなどが取り扱う新興市場株の銘柄選びと売買のタイミングについて述べている。リスクが高いがリターンも高いというものであって、強気に勝負したい人にはオススメだが、初心者は敬遠した方が良さそうだ。
「外国人投資家が教えてくれる」というタイトルに沿った内容はほぼ第4章と第5章のみだが、売買のタイミングの教科書としては、その第4章と第5章の通りであり、そこがセオリーな感じだ。
他の章で述べられていることも確かに分析力があり、上手く実践すれば、どんな相場でも凌げる感触はある。
しかし、
なんだかいろいろ見るべきところが多い。勝つためには仕方のないことで、むしろ勝っている人ならば当たり前のことなのかもしれない。時間と情報収集の力があれば、本書の内容を実践できるはず。
私のような初心者に、取引で儲けることのセオリーを教えてくれたよい本である。実際、儲けられるかはまだわからないが、
指標として教科書として持っておくには充分信頼の置ける内容と思われる。
発行日こそリーマンショック以前だが、住宅バブルの崩壊とそうなりそうになった時の対応といったところまでこの時点ですでに書いているので、著者の言うことを信用するに値する。
評価:★★★★☆
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