文章で、人の心を動かしたいか!
内容(「BOOK」データベースより)
企画書、レポート、作文、メール、手紙などで納得される、感動される、好感を持たれる、「文章が上手ですね!」と感心される!学校や会社では教えてくれない読み手の心理を操作する文章テクニック56。
「お-!!!」と答えた人は購入してもいいと思います。
というのも、
本書は、文章で人を説得する力の養成に重宝する内容。
ブラックに言うならば、『上手く煙に巻く』『上手く騙す』といったところか。
章題は以下の通り。
●第一章『面白いように文章が書ける心理テクニック』
文章が上手く書けない、それどころかまず遅筆すぎて書き始めることが困難だ、という人向けに文章を書くときの心理的テクニックを紹介。基本的に自己暗示的なことが多いが、姿勢を良くして書くといったアドバイスもある。
●第二章『人の心を簡単に動かす魔法の文章術』
ここでは、人の気持ちを惹きつけたり、表現だけで印象を左右させる文章術を紹介。
●第三章『びっくりするほど説得力のある文章を書く方法』
ここでは、仕事の企画書や報告書などを筆頭とした、人に結果報告をしたり、説得して提案を通したりするのに有利になる工夫を紹介。個人的には無意識にわかってることが多かったので、残念だった。
●第四章『「文章力がない……」ことを上手にごまかす魔法の心理術』
章題通りの内容だが、本当にごまかすだけの心理術であって、これを実践しすぎれば、きっと周囲から手法に気づかれ、信頼が失われることがありうるリスキーなものが多い。使う際には、相手にバレないような工夫をよく理解した上で、効果的に使用すべきだろう。聡明な人にこれを用いた文書を提出したものなら、あなたの無知蒙昧を露呈する結果にさえなりかねないと思う。
●第五章『すべての人に感心してもらえる文章を書く秘訣』
章題は結局、第二章や第三章と同じような意味だと思うのだが、まんま感心してもらえるための文章術を紹介する章だ。あえて区別するならば、『すべての人に』という章題の通り、人間である以上どうしても反応してしまう文章(心理)テクニックを挙げている点か。
●第六章『インチキ「論理学」に通暁しよう』
タイトルの『ブラック文章術』のブラックらしさが光る章。日常でよく聞く内容だが、言われてみればおかしい、といったそんなインチキ論理学での説得技法が紹介されている。
著者の立場上、
文章力アップというよりは説得力アップの面が強く、心理的アプローチに重きが置かれたアドバイスばかりである。また、本書の著者である内藤誼人氏の本はたくさん読ませて頂いているが、項目をたくさん分けて要点を強調し、心理学の実験内容や多彩な日常的具体例を扱うというように、非常に分かりやすいのが、この著者の本の特長かもしれない。
しかし、本書はそういった心理学の本を読みあさっている自分には、かなり物足りない印象で、
『「心理戦」で絶対に負けない本 実践編―説得する・支配する・心を掴む』などを読んだ方が値段的にもよいかもしれない。
ただ、
文章術としてのまとめ、という点ではニーズに応えてはいるので、気になった方は心配無用。
タイトルにブラック文章術とあるが、どの辺がブラック?というのはまぁさておき、実際に社会に出てみれば
こういった文章術は様々な場面で使われており、知っておいた方がよい内容である。
私的には、言われなくても知っているような内容が多かったが、逆に言えば、それくらい身近な営業戦略などで使われている説得力を上げる文章術と言える。
内容は決して悪くないのだが、人によっては「そんなことわかってる」で終わりそうな気もする内容であることと、値段の高さがネックかな、と。
評価:★★★☆☆
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