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わかりやすい幸福論


内容紹介
「神経症的な意味づけをやめれば、世界は信じがたいほどシンプルになる。人生が複雑なのではなく、私が人生を複雑にしているのである」(「第3章 幸福とライフスタイル シンプルなこの世界」より)。
本書は、ギリシア哲学を専攻すると同時に、アドラー心理学をベースとしたカウンセリングを積極的に行ってる著者の記す「幸福論」である。
幸福になることを望まない人はいない。しかし、何をもって幸福かということになると、人によって考え方はさまざまである。「どうしたら幸福になれるのか」「人は何のために生きているのか」という問いには、自動販売機からでてくる飲み物のように簡単には答えることはできない。ただ、人は自分が意味づけした世界に生きていて、過去をも固有の意味づけによって構成している。そのため、不幸なものと思っていた過去が変わるということもありうることである。本書の目的は、これまであまり考えたことのなかった「幸福」について、もう一度ねばり強く考えてもらう契機となることである。



不幸だ、幸せになりたいなぁ。などと考える時期が少なからずあった私の人生(おそらく皆そうじゃないかなぁ)だが、通販サイトでふいに引っかかって気になったこの本。
学生の頃、哲学をかじっていたこともあり、アドラー心理学やプラトンなどの哲学を踏襲した著者の和製哲学でも読んで、すさんだ心を癒してもらおうか、なんて考えた次第である。

わかりやすい幸福論というのは、決して陳腐で軽薄という意味で書いたのではなく、哲学色が強いわりにわかりやすいという意味。
はじめに、を読んだ感じでは、著者の自伝色が強く、哲学者の引用を交えた抽象的な話が多かった。ううむ、ガッチガチの哲学なのか?と不安になりながら読み進めたわけだが……。


各章は以下の通り。

●第一章『なぜ幸福になれないのか』
幸福になぜなれないのか、という点についてソクラテスなどの著名人の箴言などを交えながら、持論を説いている。序盤こそ抽象的な理論で固められたコテコテの哲学だったが、次第に具体例も増え、敷衍した感じになり眉をひそめることなく安心して読める内容となっていた。
特に感銘を受けた点は、トラウマの捉え方である。表紙に『トラウマの嘘を暴く!』とあるが、このことだろうか。トラウマやPTSDの根本の原因は、その出来事自体にはないというのである。詳しくは読んでみるべし。

●第二章『幸福な対人関係を築く』
哲学やアドラー心理学に詳しく、カウンセリング経験を持つ著者の人生の中での実例を交ぜながら、幸福な対人関係とはどんなものかを示す。
友人関係、家族関係、職場の上司や後輩との関係、医者と患者の関係、など此の世に存在する対人関係を研究し、どのように考えることがもっとも幸せかを説いている。適切な距離感や対応、いさかいの原因など、非常に参考になる
個人的には、この章を読み『大人になるということは、人を支配せず、人に支配されず服従することなくいられること』という金言をいただいた。

●第三章『幸福とライフスタイル』
人間は生きていれば、人の世話になったり、人の世話をしたり、病気になったり、また自分が嫌いになったり、人を好きになったり、人生には様々な場面が存在する。そんな時、あなたはどうするべきか。それはあなた次第であることは間違いないと言う。そうでなければ、価値観の押しつけにすぎない。
ただ、幸福な人生についてどう考えるべきか、という点について本章でアシストしてくれる。
『人生が複雑なのではなく、私が人生を複雑にしている』という主張は、なかなか趣深い。人生なんてそんなに難しく考える必要はどこにもないのかもしれない。

●第四章『幸福の位置』
抽象論や具体論、認識論など、これまでの章よりも、難しい話から始まる。哲学らしさといえばらしさかもしれないが。結論として、幸福はどこにあるのか、という点を突き詰めた内容。なるほど、たしかにいい締めくくり方で、納得のいく内容だ。


●第五章『善く生きるとは』
本書では、ただ生きるのではなく、善く生きることが重要だと説かれる。この善く生きるとは具体的にどのようなことか、という点を解説している。


ガチガチの哲学かと思い、心配しながら読み始めたものの、本書で語られる内容は哲学の割りにさっぱりしていて、吸収しやすく、自分の人生に対する価値観に応用しやすい内容である。自己啓発に活用することはもちろん、哲学という分野に興味のある人にもオススメできる。
ただ、著名人の様々な言葉の引用と解釈をまとめあげた内容という印象が強く、著者自身の意見はイマイチ「この言葉は素晴らしい」「この言葉にはやや疑問があるのだが」といったことばかりで、それを彼の人生に当てはめて引用しているものばかりである。
ソクラテスやカントのような、哲学の第一人者でもない限り、哲学はこんなものなのかなぁ、と。
日本人が著者なので、非常に理解しやすいという点はありがたい

自分が幸せになるにはどうしたらよいか。不幸で仕方がない。そう実感する……そんな気がする……。本書はそんな人の肩の荷を下ろしてくれるはずだ。


評価:★★★★☆

不幸の心理 幸福の哲学 - 人はなぜ苦悩するのか
「不幸の心理 幸福の哲学 - 人はなぜ苦悩するのか」
 [単行本]
 著者:岸見 一郎
 出版:唯学書房
 発売日:2003-12-05
 価格:¥ 1,890
 by ええもん屋.com
 
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