今日から実践させていただきます!
内容(「BOOK」データベースより)
カリスマ心理学者が、どんな相手をも魅了する「秘密の心理トリック」教えます!BIGビジネスの裏に、「人たらし」の影アリ。
著者の心理関係の本はなかなかお世話になったので、ふと見つけたこの文庫本を手に取ってみた。
『人たらし』だの、ブラック心理術だの書いてあるので、悪用厳禁なマジックが隠されているのかと思うが、実際は全くそうではなく、いたって健全な処世術を記した本。
人に好かれるにはどうすればよいか。人から嫌われる行動とは。と、今で言う『空気の読み方』みたいなものを教えてくれる。
章分けは以下の通り。
●第一章『人たらしになるための基本ルール』
「人たらし」という言葉に対して、あくどいイメージを持つかも知れないが、本書では人に好かれる人物くらいの感覚でよい。宣伝・編集上の都合と思っていい。その人たらしになるための土壌となる基本ルールを抑える。
●第二章『会う人”すべて”に100%好印象を抱かせる方法』
会う人すべてに100%、とまぁ強気に出た章タイトルだが、読んだ感じでは人から好かれそうな態度が気にくわないというひねくれ者を除けば、ほぼ全ての人間に好印象を持たれると思う内容だ。
●第三章『人間関係の”危機的状況”をうまく乗り越える心理技法』
人付き合いをすれば、必ず喧嘩やいざこざ。不穏な空気が立ちこめる危機的状況を体験することもあるだろう。そこをどう切り抜けるかを心理的見地から提唱する。
●第四章『職場の雰囲気をガラリと変えるテクニック』
社会人にとって職場環境は、充実した生活におけるかなり重要なファクターとなる。ここでは、上司と部下の関係を中心にどうやっていけば、ピリピリした雰囲気を和らげるか。といったことを心理を利用した対人関係を主に述べる。
●第五章『人を惹きつける「会話力」の磨き方』
ここでは、会話をこうしていけば、好感を持たせることが出来る。こういう会話はしてはいけない。といったことを述べている。非常に実践的な内容。
●第六章『人と「議論」するときに気をつけたいポイント』
議論になりそうなとき、なったとき、私たちはどうすればよいのかを述べている。説得術、交渉術が主である。口角泡を飛ばさないようにするにはこれを読むべし。
●第七章『ワンランク上の「人たらし」を目指すために』
第六章までに書かれた内容に加え、応用的は上級テクニックを披露する。
『初対面で100%好感を持たせる方法』とサブタイトルを振っているが、これを実行することができれば(一部難がある物はあるが)、相手に好感を持たせることができるのはほぼ間違いがないはずだ。人付き合いやコミュニケーションに自信がない人はこの本を読んでみてほしい。
一方で、これを「言われなくてもその通りやっている」「当たり前のことだ」と思っている人もいるかもしれない。そういう人は、おそらくかなり社交的な人間であろう。
さらなる自己改善と確認程度に読むのもよい。ただ、こういう書物は得てして自分を殺しかねないので注意が必要である。
ともかく、とりあえず文庫価格でこれはなかなかの良書である。
評価:★★★★☆