見ろよ、人間のツラをした化け物だ
内容(「BOOK」データベースより)
こんなバカ親見たことない!?全て実話!?ウソみたいなホントの話119ジョーク収録。
といった、ライトノベルよろしくな台詞が似合う内容。
モンスターペアレントの本当にあったひどい訴え集なようだが、著者なりのモンスターペアレントの生まれた原因や背景などの考察もある。ただ、著者なりの意見という程度だろうが。
重箱の隅を突くようだが、『うっとおしい』『的を得る』といった誤った日本語を上梓しているあたり、少し心配になる。
章立ては以下の通り。
●第一章『怒り、脅し、要求する―「クレーマー型」のモンスターたち』
●第二章『モンスター誕生史―すべてはバブル崩壊から始まった』
●第三章『ウチの子こそが主人公―「我が子No.1型」モンスター』
●第四章『すべてお任せ―「学校依存型」モンスター』
●第五章『自分とこどもがよければ後はどうでもかまわない―エゴの道を突き進む「KMY型」モンスター』
●第六章『母親の影響を受けて暴走するモンスター・チャイルド』
●第七章『職員室を闊歩するモンスター・ティーチャーたち』
モンスターペアレントの暴挙によって、若い女性教師が自殺してしまった事件は記憶に新しいが、「実際に本当にこんなひどい親がいるのか!? ネタじゃないの?」といった疑問が出るくらいのケースが本書には山ほど書かれている。だからこそ、実例と書くところをジョークと銘打っているのだろう。
第六章・第七章では、親以外のモンスター的な部分を取り上げているのだが、この部分は少し弱めな印象で、別に普通にどこでもあり得るような気がしてしまう。おそらく、モンスターペアレントが強烈すぎるのだ。
モンスターペアレントがどんなことをどんな気持ちで言っているのか、少し気になって買ってみたはいいけれど、結果的には本当にモンスターであって、事例の大半が理解の到底及ばない頭であることがわかった。ただ言えることは、自己中心的で常識が著しく欠如しているということだろう。果たして、それらの親と育てられる側のこどもに、まともな人生を歩めるのか心配で仕方がない。いや、心配する気にもならない。勝手にしてほしい。
ただただ、教師の苦悩が伝わる内容が書き連ねられている本であり、それに対しての対処法の記述は少なめ。というか、対処できない、と書かれている。無理もない。
そういった点では、取り留めのない救いのない内容だ。
評価:★★☆☆☆
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