う~ん、ファンブック?
内容(「BOOK」データベースより)
“ファイヤーシスターズ”の実戦担当、阿良々木火憐。暦の妹である彼女が対峙する、「化物」ならぬ「偽物」とは!?台湾の気鋭イラストレーターVOFAN とのコンビも絶好調!「化物語」の後日談が今始まる―西尾維新ここにあり!これぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春は、ほんものになるための戦いだ。
偽物という、フレーズがどういう伏線になっているのかが読み始めのポイント。
仁勢物語はさすがに関係はないが。
実際、偽物が話のキーワードとなるよう綴られており、なかなかその点がいい具合に読者を引きつける。
そのあたりの顛末は、上手い!というよりは、なんだか無理にそう持って行こうとしている印象を受けた。
いや、それだけに限らず、全体的に、人気が出たのでいろいろお話を加えておきましょう、といった風に見えてしまった。
化物語での完成されたストーリーをもっと楽しみたい人のために、水増しストーリーを入れました、という感じ。
これは、駄目だ。というわけではなく、斬新さもなければ、この話の必要性もない、後日譚などで、キャラクターとのやり取りをさらに楽しむためのファンサービス的仕上がりではないだろうか。
一種のファンブックであり、ある種のエロ本でもあるといった何とも著者の趣味らしい作品。
(『傷物語』同様あとがきで「趣味で書いた」と書かれている)
上巻というくくりだが、一段落ついた形で終わらせてはいる。
ただ、話自体にも特別面白みがあったわけでもなく、結末も「上手い!」と感嘆できるものでもない。
まだまだ『化物語』のキャラクター達と戯れたいという方向けな作品ではあるが、話としては弱い。
評価:★★☆☆☆