『モナ・リザ』を究める!
内容(「BOOK」データベースより)
「これは贋作ではないか」かつて、ルーヴル美術館で凛田莉子が『モナ・リザ』に抱いた違和感。その直感が、莉子の人生に転機をもたらす。37年ぶりに日本開催が決まった『モナ・リザ』展。そのスタッフ登用試験に選抜されたのだ!鑑定士として認められた、初めての大舞台。莉子はこれまで培ってきた全てを注いで合格を目指すが、『モナ・リザ』の謎が襲いかかる。最大の危機、到来!書き下ろし「Qシリーズ」第9弾。
今回は日本で開催される『モナ・リザ』展で、精巧な贋作とのすり替えにも対応すべく雇われる鑑定士として抜擢される話。
主人公莉子の慧眼でも区別の付かない、本物と多数の複製『モナ・リザ』との区別をする訓練を施されながら、いざ『モナ・リザ』展へ!といった具合。
「たった一つの絵画に、これほどの奥深さがある」と思わせる表現や知識が、それほど絵画に興味のなかった自分にも伝わるところはさすがである。
具体的な内容の方だが、『モナ・リザ』展の修行で2ヶ月もこもっていた莉子に思わぬ展開が待ち受けていた。
この中盤から莉子に起きる不測の事態が、かつてない展開であり、続きが気になって仕方がなくなった。
また、サイドストーリーとして、記者の小笠原の話も後々どう繋がっていくのかという点でも、気になる感じであり、退屈させないシナリオである。
作中のトリックも「無理だろう……」と感じなくもないが、フィクションとしては十分納得のいく内容で、面白い巻であった。
評価:★★★★☆
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